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幕間 とあるメイドのおもてなし 準備編

フロスト達がダンジョンアタックから帰ってきて、二日後

※六十七話で、エドとリズに助けられた時にお礼をする約束したエピソードの続き

「エド先輩とリズ先輩を招待してご馳走することになったから!」


「左様でございますか」


「それだけ!? 別邸に来週招く予定だからよろしくね!」


「ちょっと何言っているかよくわからないです、お嬢様」


 お嬢様がダンジョンアタックからお戻りなった翌日、唐突に私に告げてきた。

 唐突なのはいつものこと。

 だけど、別邸となると話は別である。


「ダメ? 別邸はカラとララが管理してくれてるんでしょ?」


 カラとララは私の従姉妹で、カラは二つ年上、ララは一つ年下だ。

 私の一族のほとんどはベルガモット家に仕えている。


「そうですけど、エド様って枢機卿の息子なんですよね?

 そんな方に満足頂けるような食事を用意できるとは思えないんですけど」


「ん~二人ならそうかもしれないけど、サラならいけるいける!

 二人には戦闘とジョークまで完璧なメイドって伝えているから」


「メイドらしさの欠片も感じないセリフなんですが……。

 日程までお決めなんですよね? 仕方ありません、明日から私も別邸で準備することにします」


 お嬢様の無茶ぶりなんて今に始まったことではないのだ。

 それに、ああも全幅の信頼を置かれては答えたくなるのがメイド道というものでしょう。


 お嬢様が学院に行かれるのを見届けて、私は別邸へと向かう。

 学院の寮から別邸まで、少し早めに歩いて三〇分程かかる。


 久方ぶりに来た別邸は、お世辞にも手入れが行き届いているとは言えない状態だった。

 門や入り口はある程度手入れがされているようだが、横や裏に回ると草が伸びている。

 別邸は旦那様が有事の際にしかご使用されないので、最低限見える所だけは綺麗にしているといった感じか。


 扉の前でノックをし、しばらくすると扉が開く。

 寝癖を付けて、だらしなくメイド服を着崩した少女が姿を現す。


「どちらさ……え!? サラ姉!?」


「ララ、半年ぶりね。カラを呼んで食堂に来てちょうだい」


「え! えぇえ!? え!」


「返事は?」


「は、はい! カカカラ、カラ姉ーーーっ!」


 ララがカラを呼びに行っている間に、私は調理場へ行き紅茶の準備をする。

 高い物ではないが、茶葉やお菓子の豊富さに額に青筋が浮かびそうになる。


 紅茶を準備して食堂へ向かうと、すでにカラとララが待っていた。


「ひ、ひさしぶりね。サラ。今日は一体どうしたの?」


「ええ、カラ。しばらく見ない間に随分とだらしなくなったのね。

 今日来たのは、来週この邸宅にお客様を迎えることになったからその準備よ」


 カラは年上だが、父が執事長を務めていること、私がお嬢様の専属メイドであることから私の方が立場が上になる。


「だって、誰も来ないし……。って、お客様!?」


「今日からしばらく、私はここに通って準備をします。あなた達は私の指示に従うこと。いいわね?」


「わ、わかったわ」

「は、はいです……」


「まず館の手入れを徹底するわ。お客様に出す食事は私が考えた後二人に相談する。

 今日は、庭の手入れよ。二人とも準備して」


 二人はメイド服を着替えて、草刈り鎌持って庭へ。


「サ、サラ姉? その恰好は一体……」


「何かおかしい? ただ草を刈るだけよ?」


 私はメイド服のまま、こんな時のために持ってきていたレイピアを構えていた。


「そ、そっかー」


「さぁ、ここは今日中に終わらせるわよ」


「さすがに無理よ。計画的にいきましょう?」


「あなた達がしっかりと手入れをしていればこんなことしないで済むはずなのだけど?」


「「はい! やらせて頂きます!」」


「まぁいいわ。ここからあっちまでは私がやるから」


「いや、いくらサラ姉でもそれは」


「はぁああ! 刺穿!!」


「ちょ!? え、えぇえ!? カラ姉! 草が空を飛んで行くよ!? 何あれ!!」


「見てはダメ! 絶対に目を合わせちゃダメだからね! ヤラれるわよ!?」

フ)更新遅くなってすいません!

ク)これからしばらくの間は幕間を投稿していきますので、お読みいただけると幸いです。

サ)新作と短編を投稿しましたので、そちらもお読みいただけますと嬉しく思います。

フ)本編は新作が完結した後の予定なので、七月の終わりくらいにかな~?


ク)幕間の次回更新は再来週の日曜予定です!

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