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七十二話 ゾワっとしました

 結局、ストームアローを使った作業は効果を認められ、掘りだけでなく溝を作るために私は魔力が無くなる寸前までストームアローを連発することになった。

 ブラック部隊じゃないか!

 あ、なんかカッコイイ!!


 いや、そうじゃなくて。

 まぁともかくストームアローで溝を掘る起点を作り、他のみんながそれを拡張するという作業を繰り返すことで、なんとか溝を掘る作業は大凡完了した。

 後は水を入れるだけだ。


 ミーアラッシュ討伐もあるので、私達は明日に備えて休む。


 翌日、当初の予定よりも早く起床し、ルビー様の魔法と人力で水を溝と掘りに入れる。

 最低限の水だけを入れ、私達はミーアラッシュ討伐へと向かう。


 見張りは村長の息子さんが定期的に行い、もし本当に軍隊サソリが現れたら油を入れ、火をつけてもらうことになった。




 若干の不安要素は残りつつも、私達はミーアラッシュが目撃されたテルテ荒野へと出発する。

 ちなみに馬車は事前にテルト村に預けるよう学院から連絡がきている。

 ただ村に救援に戻るかもしれない可能性を考えて、念のため馬を一頭連れていくことにした。


 途中、軍隊サソリがいないか確認しながら進んだんだけど、発見することはできず何事もなく集合場所へと到着する。

 まだ全部隊が予定の場所に到着していないようだったけど、まずは教師に軍隊サソリについて報告だ。


 教師達は先行してこの場所に来ていたらしいんだけど、なんと軍隊サソリを見かけていたらしい。

 私の話はすんなりと聞き届けられ、近くの村へは教師が行くことになった。

 ただ、教師側の人員が不足してしまうことと、事前に対策をしていた内容を私達の方が熟知しているだろうからと、私達がテルト村へ向かうようにと通達された。

 なので、ミーアラッシュの討伐が終わり次第、私達はテルト村へ戻ることになる。




 全部隊が予定の場所に到着をしたみたいだ。

 今回、目撃範囲が広いため各部隊の集合地点は別々になっている。

 別々のルートから三つの異なる集合地点に部隊が集合し、包囲網を構築、広範囲の討伐を行う内容だ。

 包囲網というには大分人数が少ないけれどね。


 各部隊は同時に討伐を開始し、中央部に向かって少しずつ範囲を狭めていき、全てのミーアラッシュを発見討伐する作戦となっている。


 さらに私の報告によって軍隊サソリも発見次第討伐するよう追加で指令が加わった。

 軍隊サソリは一体一体の脅威は高くない、むしろ低いと言える。

 が、ネイルバットと同じでその数が脅威となる。

 まぁ、二部隊編成で動いていれば多少数が多くても問題にはならないはずだけど。




「索敵が重要になる作戦だから、横列陣形で進もう。気になる場所があったら、バディ単位で行動して詳細な調査してほしい。

 配置なんだけど両翼をジョルジオ様とリズにして、バディ単位で編成でどうかな。何か意見がある人いる?」


「それでいい。後は中央は足が速くて勝手につっぱしるエリーゼでいいんじゃねぇか。それなら主力の前衛が散っても咄嗟の対応ができるだろ」


「ひどーいきゅるりん!」


「「あはは」」


 隊列は左から、ジョルジオ様、ルビー様、私、クレア、エリック様、エリーゼ様、ラグ様、ボブ様、エド先輩、リズ先輩となった。

 中央のエリック様は連れてきた馬を引く役も担う。

 戦闘になるときはクレアが馬と一緒に後方に待機する予定になる。


「ミーアラッシュは距離を取れば十分対応できる魔物だ。

 軍隊サソリもフローレンシアちゃんの情報通りなら驚異にはならないはず。


 この討伐作戦を無事終わらせて、テルト村も守ろう!」


「「「おー!!」」


 エリック様はダンジョンアタック以来、積極性が出てこられてとても頼もしいリーダーになられた。

 今日の討伐はきっと上手くいく、そんな風に感じさせてくれる。




 作戦開始の一歩に合わせて、ポケットに忍ばせているクローバーのブローチをそっと握りしめる。

 みんなが、ジョルジオ様が無事でありますようにと祈りを込めて。




 さてさて、早速討伐作戦開始である。

 横列陣形でさらに各部隊員との距離を五メートル程開けるというもはや陣形とも呼べない隊列で進む。


 ミーアラッシュは巣穴を掘って生活しているみたいなんだけど、全長が一メートル以上あるので、必然巣穴も目立つと教師からは聞いている。

 軍隊サソリは岩陰に隠れていることがほとんどらしく、大き目の岩を見つけたら逐一チェックが必要だ。

 軍隊サソリの親も全長が一メートルを超すようなので、見逃すことはそうそうないはず。


 荒野全域の広さに対して確認しなければいけないポイントは思ったより少ない。

 あくまで全域の広さに対して少ないだけで、六部隊で全域を調べるのはとても大変なのだけれど……。


 魔物討伐を開始してからわずか十五分程度、はやくもボブ様が軍隊サソリを発見した。

 ラグ様曰く、平民にも関わらず学院に入れるほど斥候の技術が優秀なんだそうな。


 ボブ様は大きな声は出さず、スッと隊列付近まで下がってきて、みんなにそれを伝えてくれた。

 私達は身振り手振りで軍隊サソリを囲み、様子を伺う。


 そこにはメッチャ大きいサソリがいた。

 そして、その背中には大量の蠢く小さなサソリ達が……。


「うひぃっ!」


 つい私は小さく悲鳴を上げてしまう。

 いやいや、むりムリ無理ぃぃぃいい。


 そんな私の気持ちなどお構いなしに、みんなは軍隊サソリとの距離を詰めていく。

 ボブ様だけは周囲の警戒のため、包囲の輪の外にいる。


 軍隊サソリと遭遇した場合は、ルビー様の水魔法で先制攻撃することにしていた。

 リズ先輩が教会で調べてきてくれた、水を浴びると動きが鈍るという性質を確認するためだ。


 大型の軍隊サソリを相手するのはジョルジオ様とリズ先輩、サポートにエド先輩。

 小型の子供は残りの全員で逃さないように仕留めるのが基本方針となる。



「アクアランス!」


 ルビー様が詠唱魔法を発動し、水の槍が軍隊サソリに放たれる。

 軍隊サソリの背中にいる軍隊ベビー達は貫いていたが、親の外殻を破ることはできなかった。

 そして、こちらに気づいた軍隊サソリが尻尾を大きく掲げ、威嚇しながらルビー様の方へ向かっていく。


 時間差で、軍隊ベビーが周囲に散り始める。

 あれ? さっきより随分大きくなっているなと思ったら……。


「ひぎゃー!!」


 軍隊サソリの背中で共食いをして、一気に大きくなってる!!。

 もう、無理ぃぃぃぃぃ!!

 そもそも! そもそも食べた量よりも明らかに体積が増しているんですがそれはぁあ!?


 親の背中で三センチから五センチくらいの大きさだった軍隊ベビーは、一気に二〇から三〇センチくらいまで大きくなってから地面に降りてこちらに向かってくる。

 軍隊ベビーの動き自体はさほど早くはないが、数が多い。

 エリック様、エリーゼ様、ボブ様が前に立ち、軍隊ベビーを倒していく。

 軍隊ベビーに高い知能はないのか目についた人間に襲い掛かっているため、後衛のこちら側にくる気配はない。

 このままいけばいずれ殲滅できるだろうけど、数が多くて時間がかかりそうだと考えていると。


「クレアちゃん、光の盾で軍隊ベビーを囲うように展開できるかい!?」


「やって、みます!」


「よし、姉貴、ラグ、一か所に集めろ!」


「きゅーるりん!」

「了解です!」

「わたくしも風魔法で補助致します!」


 三人が立ち位置を変えたり、攻撃を加えていくことで、一か所に軍隊ベビーを集める。

 うまく押し込めていない個体には私が風魔で強引に押し返した。


「準備できました! 行きます!」


 クレアがいつもより大きい光の盾を四つ発動し、軍隊ベビーを閉じ込める。

 こ、この大きさは……、光の盾なんかじゃない! 光の、壁だ!


「ルビーちゃん! クイックキャスト!」


「りょ~かいですぅ」


 ルビー様が詠唱を開始し、やがて水の槍が光の壁の上空から三つ降り注ぎ、軍隊ベビーを殲滅した。


 一息ついた私は軍隊サソリの方はどうなっているかと視線を送ると。

 とっくに終わっていたようで、リズ先輩が大剣を肩に担ぎながら、こちらを生暖かい目で見守っていた。


 なんか悔しい!

フ)GWキャンペーン!

ク)二学期編を開始して、多くの皆さまにブクマ・評価を頂きました!

 感謝の気持ちを込めてGWのお休み期間中にお楽しみ頂けるようまずは5/2(月)まで毎日更新予定!

サ)それ以降はまだ未定ですが、感謝の気持ちを込めてってフレーズはとても胡散臭く感じますね。


フ)あと、一学期編を改稿しました。一話、二話以外は形式的なものばかりですが、二話に重要な変更が入っています。

 それは……。サラがメガネをかけていたので、メガネを取りました!

サ)全国のメガネ好きの皆さま、大変申し訳ありませんでした。


フ・サ・ク)というわけで、タイトル変更と合わせてお休み中もお楽しみに!

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