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五十一話 第一回フロスト争奪戦

 二年生との顔合わせが終わった翌日、クレアとサラの三人で登校する。

 勿論サラは途中までだけど。


 一学期と何も変わらない、いつもの通りの朝なんだなぁと、なんとなくほっこりしていると。


「お姉様、バディのこと、少し待っていて下さい」


 と、想像もしていなかった一言でその日の朝は始まった。


 もしかして、私がクレアとのバディを解消してジョルジオ様と組みたいのがバレている!?

 バカな!? 誰にも言っていないはずなのにっ!!


「え? え、え? どどどどいうこと?」


「お願いします! 明日まで何も聞かずに待っていて下さい!」


「ちょ、あっ! え!?」


 言いたいことだけ言って、クレアはそのまま走って学院へと行ってしまった。

 私とサラは、ぽかーんとその場に佇むのだった。




 その後、クレアだけじゃなくAクラスの元部隊メンバーであるスイフト様、ハナビス様も様子がおかしかった。

 部隊を組んでから随分と二人は打ち解けていたはずなのに、なんだか今日はピリピリとした空気がまとわりついてた。

 クレアも二人とはあまり目を合わさない。

 ジョルジオ様だけがそんな三人と私を見て、困惑した顔をしているのだ。


 一体、何があった?



 午前の授業が終わってお昼は一学期と変わらずクレアがお弁当を作ってきてくれて普通に食べた。


「あ、私用があるので、お姉様は先に帰っていて下さい!」


 けれど、昨日と同じく午後にあった二年生との交流会が終わると、クレアはそう言ってそそくさとどこかへ行ってしまった。

 そして、スイフト様やハナビス様もすぐに教室を出て行ってしまう。


 ん~、やっぱり何かおかしい。

 みんな、私に何か隠してる……?


 なんだかもやもやした気分のまま、私は帰るのだった。

 帰ってからは私とサラでいつも通り過ごしていたけれど、夕食後少ししてからクレアが訪ねて来て、何やらサラと話をして帰っていった。




 さらに翌日もクレアと途中までサラと登校だ。


「ねぇクレア。昨日からみんなの様子がおかしいのだけど、あなた何か知っているんではなくて?」


 昨日のことでもやもやしていた私は我慢できずにクレアに問いただした。


「今日、二年生との交流会が終わったら一緒に訓練場へ来て下さい。そこで全部説明しますから」


「今じゃダメなの?」


「ん~、せっかくですから後のお楽しみにしましょう!」


 お? もももも、もしかして!?

 これってサプライズ的な奴なのでは!?

 この世界に生まれて十五年、ついに私にもサプライズをしてくれるお友達がっ!

 だ、だからスイフト様もハナビス様も様子がおかしかったのね!


 これ以上、詮索するのは無粋というものっ! 何も気づかないフリをするのが友達ってものでしょう!!


「そ、そう? なら仕方ないわね。後の楽しみにしておくわ」


 私はそう、友達の気遣いを無駄にしない女、フロストよ!






「うぇ?」


 授業が終わり、クレアと一緒に訓練場に行くと、なんとそこには沢山の人がいた。

 訓練場の中央にスイフト様やハナビス様は勿論、ジョルジオ様にアニー様、エド先輩とリズ先輩も。


 それだけじゃなく、彼らから距離を取った場所には、以前魔物討伐の練習で一緒に山に行ったスイフト様の護衛が二人とまったく知らない人達が。

 さらに。


「え? なんでサラまでいるの?」


「私が皆さんの学院に入るための申請を私の方でしておきました」


「そ、そう……。ってそうじゃなくてっ!」


「それじゃ、ご説明しますね」


 そういってクレアは訓練場の中央の方へと歩いて行き、スイフト様を始めとした見知った人達と合流する。


「これから、誰がお姉様のバディに相応しいかを模擬試合で決めます! 勝者がお姉様とバディを組むことを、ここにいる皆さんとは既に取り決めをしています!」


 え、えぇぇえぇええええ!?


 いやいや、サプライズだよ!?

 確かにサプライズには間違いないよ!?

 でもでも、そーゆーのじゃないじゃーん!!


 私があっけにとられていても話しはどんどんと進んでいくようで。


「すでに参加者にはお伝えしていますが、お姉様のために説明します。

 ルールは単純です! 私、スイフトさん、ハナビスさん、アニーさん、ジョルジオさん、エド先輩、リズ先輩がそれぞれリーダーとなって勝ち抜きの模擬試合を行い、最後まで勝った人が勝者となります」


 えぇー。

 聞いてないけどー。

 クレアさんテンションたかーい。


「対戦相手、順番はくじ引きによる運!

 勝敗は私がリーダーに掛けたホーリーシールドの効果が切れたら負けです!

 チームは最大二名までで戦うことになりますが、交代要員として試合に参加しなければ何人いても構いません。

 チームメンバーもホーリーシールドが切れたらすぐに退場して下さい!もちろん一人で参加も可能です。

 装備は木製の武器防具以外も個人で好きに持ち込んでオーケーです」


 ははぁ。だからスイフト様の護衛がいるのか。

 あれ? それってサラはクレアと?


 まさかあのメイド、この事を知っていた、だと!?

 う、うらぎりものめーっ!!


 私はジョルジオ様とバディを……。



 私の思考があっち行ったりこっち行ったりしている間にも模擬試合の準備は進んで行く。


 クレアが事前に準備していたであろうクジをみんなで引き、対戦表が作られた。


 第一試合 ハナビス様対アニー様

 第二試合 スイフト様対クレア

 第三試合 エド先輩対リズ先輩

 シード権 ジョルジオ様


 くくく、くくくくく。

 そうか、そうだよ! ジョルジオ様が勝てば何も問題ないじゃないかっ!

 みんなが納得した上で、自然な形でジョルジオ様とバディを組める!

 幸いにもジョルジオ様はシード権を勝ち取って(?)いる!


 試合は休憩は挟むみたいだけど、今日一日で一気にやるみたいだし、疲労も敵となるぞ!

 何よりジョルジオ様はゲームではプレイヤー最強格! 行ける、行けるぞぉお!!


 期せずして最良の結果になりそうと分かって、私は一気にテンションが上がる。

 さぁさ、落ち着いてみんなの様子を見ることにしよう。




 対戦表が決まって、みんながそれぞれ準備に入っていた。

 各自思い思いの武器を持っているが、もちろん全員が木製の武器だ。

 みんなの様子と装備を見て行こうかな。



 サラは案の定クレアと一緒にいるので、ペアで試合をするんだろう。

 クレアは盾だけを持ち、サラはジョルジオ様との模擬試合の時同様に左手にレイピアと右手にダガーを持っている。

 でも模擬試合をするって分かっていたはずなのに何故メイド服のまま……?



 アニー様は知らない二人と一緒にいた。

 Bクラスの人だろうか? いや、明らかに大人の人だ。

 あ、もしかしたらご実家お抱えの騎士とかだろうか。

 試合ごとに交代もありと行っていたから交代要員として二人いるんだろう。

 アニー様はショートソードとバックラーを装備している。



 スイフト様は以前の護衛二人だ。

 こちらもアニー様と同じで試合ごとの交代要員だろう。

 スイフト様はロングソードを装備している。

 以前はショートソードと盾だったはずだけど、スタイルが変わったかな?

 ただ、なんてゆーか、すごい異質な雰囲気を放っている集団だ。

 スイフト様達だけ、防具の揃え方が異常なんですけど? 何せ彼らだけ革製とはいえ鎧を準備しているのだから……。



 エド先輩は知らない大人の方と一緒にいた。

 教国関係の人だろうか? 王都に僧兵がいるってあまり聞いたことないけど、王都にいるくらいだからもしかしたらかなりの使い手かもしれない。

 エド先輩は棒術用の棍を持っている。


 棍はゲームでのエド先輩の得意武器だ。

 棒術とは長い棒を使って、突く、払う、打つなど多彩な攻撃ができるもので、ゲームではスタンを誘発させるなど有用な技も多かった。



 ジョルジオ様、ハナビス様、リズ先輩は一人で準備をしている。

 あの三人は実力者だから、一人でも他のチームとも十分互角に戦えるか。


 それぞれの装備は。


 ジョルジオ様はサラと模擬試合をした時の装備と一緒で、大楯にロングソードだ。

 スイフト様は両手で使うようだけど、ジョルジオ様は片手で使うようだ。

 うむ、逞しい。


 ハナビス様は一学期の魔物討伐でも使っていたシミター。

 元々シミターを模した木製の武器なんて訓練場にはなかったはずだから、特注なんだろうか?


 リズ先輩は魔物討伐の時と同じく大剣である。

 これは絶対に特注であると断言できる。

 ってゆーかアレまともに当たったら木製でもただじゃすまなくない!?




 みんな準備ができたようだ。

 こうなってしまってはもう私が何を言った所で無駄だろう。

 せっかくなので、みんなの試合をじっくりと観戦させて頂こうか!

フ)タイトルの第一回ってどういうこと……?

ク)何も聞かずに次回開催まで待っていて下さい!


サ)ブクマ50突破に加え、評価も10件目を頂きました。応援ありがとうございます。

フ)本当にうれしいわね。ストック的に連続投稿は厳しいけれど……。沢山応援してもらえたら何かしたいわね。

ク)これからも応援よろしくお願いします!

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