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幕間 あるメイドの夏休み

 メイドの朝は早い。

 日が出始めて少したったくらいで目が覚める。

 夏という季節を考えれば六時より早い時間だろう。


 前日は魔物討伐に参加したため、お嬢様には今日は休暇を取って休むよう言われていた。

 が、長年身体に染みついた生活リズムというのは大したものらしい。


 まずは自分の身支度を手早く、だけど十分に行う。

 主の身支度を行うのに、身支度を手伝う側がだらしなくては主も不安になるというものだ。

 休めと言われても、最低限の身の周りのお世話をしなくては。

 いや、ただ自分がそれをしたいだけか。


「お嬢様、おはようございます」


「うぅん、サラ、おはよぉ~」


「さ、起きてお着換えをいたしましょう」


「うん……」


 学院に入学する以前と比べて、お嬢様の洋服の数は随分と増えている。

 手紙で旦那様にお痩せになったことを報告したせいか、今のお嬢様では着られな……、いや、パツパツ……、もういいや、着られない服が多く存在していた。

 念のため、今までの服は捨て無いように進言してたことと、学院からも持ち帰ってきていたことが幸いした。


「あれ? 昨日、今日はお休みって言わなかったっけ?」


 着替えが終わる頃になってようやく思い出したのか、そう声をかけられる。


「はい。仕事はお休みさせて頂きますが、お嬢様のお世話は私にとって食事と変わらないですから」


 あの時、あの言葉を頂いてからずっと。


「何それ、怖い」


「そういうことをおっしゃるんですね。そういえば私今日一日お休みなんですよ。よかったら一緒にダイエットをしませんか?」


「えー! するするー! 何するつもりなの!?」


「久しぶりに丸一日体術の訓練を致しましょう?」


「げっ」


「こちらの可愛らしいドレスなのですが、旦那様が今回お嬢様が帰ってくるのに合わせて用意されていたものなんです。これを来てもらえないなんて、旦那様はなんてかわいそうなんでしょう。よよよ」


「よよよて!? う~ん、そう言われるとなぁ。わかった、とりあえず午前中だけやろう!」


 かかりましたね?


「はい。それでは、お食事の後一時間したら開始いたしましょう。あまり食べると気持ち悪くなってしまいますから、お食事は程ほどになさって下さいね」


「りょ~か~い」


 ふふふ。食事の調整もメイドの役目。

 料理長にはヘルシーな物を準備するよう既に伝えている。

 料理長といっても料理を作る者は二人しかいないので、下準備はメイドが手伝うこともざらだ。

 お礼と言ってはなんだが夜の仕込みは手伝おう。

 そして新しいレシピの教えを乞うとしよう。




 午前中の訓練が終わり、ぜえぜえと息を切らすお嬢様をしり目に言伝がやってきたので確認する。

 どうやら、学院で部隊を組んでいたハナビス様がお嬢様を訪ねてきたようだ。


 お嬢様が学院に入られて良かったと私が考えている出来事はやはり、ご学友が沢山できたことだろう。

 今まではロラン様以外はほとんどと言っていい程同年代の方達とお話しする機会を持っていなかったのだ。

 それだけで、私は彼らに感謝している。


 だからこそ、他のメイドではなく私の手でお迎えしたいと思う。

 一日頂いた(いとま)だが、私がお世話をする方がお嬢様も気が楽なはずだ。


 お嬢様からハナビス様のお茶の好みを伺うも、わからないという返答にはあきれるばかりだ。

 お嬢様の言う所の女子力が足りていないのではないか。

 好き嫌いはなさそうという言葉から、癖のない茶葉と甘さを控えた焼き菓子をご用意した。


 お茶の後は腹ごなしとばかりに、ハナビス様はお嬢様とクレアに模擬試合を申し込まれていた。

 なんと珍しく、お嬢様はその申し出をお受けになり、お嬢様とクレアの二人が勝利を収める結果となった。


 昨日の魔物討伐がいい具合に二人の集中力を高めていたこと、お嬢様の無詠唱魔法が一段高みに上ったことが勝因だろうか。

 綺麗にまとめてみたが、結局は初見の無詠唱魔法であるバレットの不意打ちが一番の勝因だった。


 ハナビス様がお帰りになった後、お嬢様の湯浴み、お着換えを手伝っている時に何故模擬試合を受けたのか私が問うと、「いやぁバレットで踊るハナビス様が見たかったのよね!」と良い笑顔でお答えくださった。


 ハナビス様のことなので、必ず対策して仕返しに来ると思いますよ、とお伝えするとひぇっ! と可愛らしい悲鳴を上げていた。


 料理の仕込みを手伝い、新しいレシピを料理長から教わって一日が終わる。


 せっかく頂いた休みは結局、学院にいる時より少しだけ忙しく、だけどいつもと変わらずお嬢様と共にある一日だった。

 私の休暇はそれで、十分だ。

フ)ル○ン三世パート6見てて、ラストブレットってサブタイトルがあったのよ

ク)はい?

フ)バレットじゃないの?って思って、調べてみたらブレットの方が正しいっぽいのよね

サ)それでは全部ブレットに変更を?

フ)結局、読んでくれている人に一番伝わりやすい表現が大事だと思うからバレットのままにするわ


ク)次回も日曜日更新予定です

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