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Evildoer Crazy Feast  作者: 魑魅魍魎
胎動
8/25

汝殺めしものの皮で万物入れる袋作らん

「ログイン」

 少し軽食と仮眠を取った後、再びログインする。


「まずは、皮の加工からだな。防具は後回しにして先に、袋を作るとしよう」

 そう言って素材を置いてあるところから皮を取り出す。

 袋を作るにしてもまず形を作らねば話になるまい。どうしようか。特に繋ぎ合わせられるようなものも持ち合わせてない。


 ここは血でやって見るか。最悪多少つながっておらずともアイテム作成の際に修正されるであろう。

 

「よしっ」

 そうと決まれば早速取り掛かるとしようか。

 何故袋を作ろうと思ったのかだが、蛙を一匹の殺す度に部屋に戻るのは面倒くさい上に効率も悪い。そこで、インベントリないしは、アイテムボックス的な袋を使って一回ごとの効率を上げようかと思ったのである。


「よっと。ここをこうして」

 それにインベントリが出来れば、解体した素材や俺の血をストック出来るようになるだろう。血のストックは早めに作らなければな。手数を増やすためにも武器は必要だ。


「ここはこうやってと••••••」

 取り敢えず、形はできた。ここからは想いを乗せれば出来るであろう。


 早速作った袋もどきを台に乗せていく。そして俺はその前に行く。


「さて、始めるか」



「我、享楽を求めて未知を探すもの。我が心を満たせしもの求めて幾星霜」

 前回と同じように口に出して想いを告げる。


「しかし、幾ら求めど我が心満たす物未だ現れず。ならば、我から動こうではないか」

 袋の近くに幾何学模様が現れる。ここまでは一緒だ。次から変えていく。


「我、心満たす物探すために得た素材を入れし袋求めん。入れた素材をいつでも取り出せる袋を」

 袋につけたい能力を思い浮かべていく。


「与え給へ、寄越し給へ。インベントリの力を持ちし袋を我が手に!」

 幾何学模様が袋に吸われていく。

 どうやら、無事完成したようだ。


「取り敢えず、性能を見るか」

 出来た袋に向かって鑑定を向ける。



―――――――――――――

毒蛙の皮袋

レベル:1

耐久 100/100

特性:2

 非生物収入 収入物排出


毒蛙の皮から作られた袋

物を好きに入れられ取り出す力を持っている


※確率で袋内のアイテムを一個外に吐き出します。

―――――――――――――


「これは上々。まさか本当にあれでできるとは」

 あんな、入口を作って丸めただけのような物から出来たんだ。このくらいにデメリットは有って当然だ。

 取り敢えず、アイテム類は全部入れるか。そこまででかい物は入れるつもりも無いし、大丈夫だろう。


 しかし、やはり皮は足りないな。防具を作るための皮を後で取ってくるとしようか。

 

「皮を取りに行くのを先にするか、他のアイテムを作るのを先にするか。どちらにしようか」

 先にアイテムを作っても良いのだが、皮を揃えて一気に作るのだとどちらの方が早いだろうか。正直どちらでも、良いのだが••••••。


「先に皮を取りに行くとするか。蛙の毒攻撃もまだ見ていないことだしな」

 武器はどうするか。もう一本別の武器を追加するか、武器を変えて慣らしていくか。

 

 別の武器を増やして、二刀流でもするか。しかし、増やすにしても何を増やそうか。正直何でも良いのだが。

 決まらないから気分で決めてしまうか。それならば、刀だな。他のゲームで扱ったことのある武器なので、多少はマシになるであろう。


 早速血で刀を作っていく。出来たのは二尺五寸の刀。一般的に太刀と言われる部類のものだ。

 

「鑑定」

 剣とそこまで変わらないだろうが一応、鑑定していく。


―――――――――――――

血刀

レベル:1

耐久度:ー


【操血術】によって作られた刀。この刀は人外者(プレイヤー)修羅の血を元に作られており、たとえ壊れようと血を補充することで修復できる。


【操血術】を所持していない者が所持してもその効果が発揮されることは無い。

―――――――――――――


 やはり、大して変わらんな。しかし、万が一変わっていた場合にため確認は必要である。


 さて、新しい武器も持ったとこなので、先に進むとしようか。早速作った袋を持って、蛙のいたところまで行くとしようか。


-------------


「しかし、本当に不思議なくらい臭いがしないな。腐敗するようなものは既に食べられた後か?それなら納得なのだが」


「っと、来たか。今度はすぐ終わってくれるなよ。今のところお前らしか敵がいないんだ。少しは楽しませてくれ」

 歩いていると、蠢く者が見えたのですぐに戦闘体制に入る。


「ゲコッォ!」

 すると蛙もこちらに気付いたのか、突進を仕掛けてくる。前回と変わらず直線的なので、簡単に避けられる。


「それはもう見たぞ。もうちょい工夫して攻めてこないか。単調すぎて詰まらんぞ」

 すると蛙は直感的に気付いたのだろうか。怒った様子でこちらに向かってくる。


「ゲッコォォ!!」

 だが今度は、舌を突き出しながら突進してくる。その鋭く長い舌に突進の力を上乗せしたか。


「面白い。しかし、やはり直線的すぎる」

 横に避け、すれ違いざまに舌を切りつける。多少は工夫したようだが、まだ足りない。

 惜しむらくは、相手が蛙であることだろうか。少し物足りなさを感じてしまう。まぁ、今は目の前の先頭に注意するとしよう。


「ゲコォォォ」

 

「ん?見たことないモーションだな」

 蛙は何か溜め込むような感じで、その巨体を沈ませる。

 ふむ、面白そうだ。一回好きにさせてみて何をするか確認するとしよう。


「ゲココッォォォ!!」

 溜めが終わったのか、こちらに向かって口を開き、なにかを投げつくてくる。


「投擲物か。良い判断だが、遅いな」

 投げつけたものの直線上を見ると紫色の毒毒しい液体が飛び散っていた。


「成る程、あれが毒か。避けて正解だったかもしれん。思ったよりも毒が強そうだ。」

 毒を吐くのは随分と体力を減らすようで、蛙は疲弊した様子である。

 突進を放ってくるが随分と動きが鈍っている。避けるには楽な攻撃なので横に跳んで避ける。


「ゲッコォ!」

 舌攻撃を放ってくるが上にとんで避け、そのまま真下に剣を立てながら落下し、舌を地面に縫い付ける。

 このまま続けていても、新しい攻撃パターンは出てこないだろうし、ここで終わらせるとするか。蛙は舌を縫い付けられていて動けない状態なので抵抗しようにも出来ない。


「少しは楽しめたぞ」

 そう言い、首に刀を振り下ろす。すると、綺麗に頭と胴が分かれた。


「さて、もう少し戦っても良いのだが、先にアイテムを作るとするか」

 死んだ蛙を袋に入れる。

 しかし、早急に回復アイテムを手に入れなければな。多少の攻撃は受けれるようにした方がいいだろう。

 そんな事を考えながらもと来た道を戻って行った。


感想や誤字報告等頂けると幸いです。

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