ステータスチェック
ゲームにインする時の意識が抜けるような感覚が無くなる。どうやら無事ログインできたようだ。
取り敢えず、眼を開けるか。
「ん!?」
眼を開けるが、脳が焼き切れるような感覚に陥る。どうやら増えた眼によって得られる情報量に脳が耐えられなかったらしい。
しかし、同じ轍を二度も踏みはしない。一度に耐えられないなら、少しずつ開いていけばいい。まずは、元からある眼、次に額の眼、元の眼の下にある一対の眼、手の甲の眼。
よし、どうやら大丈夫なようだ。それに手の甲の眼のおかげか後ろも見れるようになっているな。これは便利だ。
しかし、見渡す限り真っ白な部屋で、ある物と言えば、用途不明の台くらい。
まぁ、分からないことを悩んでいても仕方がない。ある程度眼も馴染んできたし、取り敢えずステータスを見るとするか。
しかし、見るかとは言ってもこのゲームはどうやってステータスを見るんだ?少し調べてみるとするか。
ふむ、調べて分かったのはどうやらこのゲームに於いてプレイヤーは、この世界に来ると同時に特殊技能の鑑定が扱えるようになるらしい。
成る程。ではステータスの見方もわかったことだし、早速使いますかね。
「鑑定」
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プレイヤーネーム・修羅
レベル:1
HP 100/100
満腹度 1,000/1,000
特性:15
不老 不死(不完全) 増腕×4 増眼×7 増口×2
特殊技能:
鑑定
所持アイテム: 埃被った腰布
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成る程。こうなっているのか。しかし、このゲームはSTRと言ったステータス値は存在しないのだな。まぁ制作会社の時点で分かっていたことだ。いちいち気にする程のことでもあるまい。
ていうか、この特性の数は多いのか?少ないのか?他のプレイヤーが居ないから基準が全く分からん。
しかしまぁ、全体のステータスは分かったんだ。一つ一つ見ていくとするか。
「鑑定」
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特性・不老 レベル:ー
効果:この世界に於いて老いる事が無くなる
この世界に於いて君たちが歳を取り、老いることは無くなるであろう。
何故ならどんな姿形をしていようと、君たちが人や獣ならざる者である事には変わりないるのだから。老化とは人間や獣に対して起こる事象だ。
しかし、半ば以上世の理から逸脱した存在である君たちに、それらは不要であろう?
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特性・不死(不完全) レベル:ー
効果:この世界に於いてプレイヤー死んだ際、拠点として登録している場所で復活する。
君たちはこの世界に於いて完全に死ぬ事は無いだろう。何故ならこの力は不完全とは言え不死。
そう簡単に死んでもらっても困る。しかし、この力は不完全であるが故に、不死であり、不死ではない。
だが、完全な不死を目指すのなら覚悟するといい。それ即ち世の理から完全に脱するという事なのだから。
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特性・増腕 レベル:ー
効果:己の肉体に腕を追加する
この力は至極単純である。只々腕を増やすだけのもの。しかし単純であるが故に、使いこなすのは困難である。
使いこなせなければ、的の増えた唯の木偶の棒と化すのみ。しかし、使いこなす事ができれば、強大な力となる事だろう。
君はこれを使いこなせるかな?
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特性・増眼 レベル:ー
効果:己の肉体に眼をを増やす
この力は至極単純である。只々己の眼を増やすだけのもの。
しかし、単純であるが故に使いこなすのは困難である。使いこなす事が出来なければ増えた眼による情報量に耐えられず脳が焼き切れるであろう。しかし、使いこなせば、全方位への視界を得ることができる。
さぁ、君は増えた眼で何をみる?
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特性・増口 レベル:ー
効果:己の肉体に口を追加する
代償:満腹度の消費が数×0.5%増える
この力は単純で強力である。しかし、その代償に腹が空くが早くなる。
だがその食欲を支配し、食欲に支配される事がなくなれば、この力は大いに役立つであろう。
さぁ、君はどうやって自らの食欲を支配する?
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特殊技能・鑑定 レベル:ー
効果:アイテムや自身、敵の、概要を見ることができる。しかし自身のレベル以上の敵の概要を完全にみる事は不可能
君は世界の情報の末端も末端、己やアイテムの情報を知る権利を得た。
しかし、その力は未熟も未熟。奥深くをみる事はできない、未完成なものである。だが、この力はいつか成長するであろう。
しかし、忘れることなかれ、深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ。
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埃を被った腰布
レベル:1
耐久度 ∞/∞
特性:1 不壊
人外者の腰を隠すだけの申し訳程度のもの。
しかし、この腰布は決して壊れる事なく、そこに存在し続ける。何故、この腰布が壊れないかは誰も知らない。世の中には知らなくてもいい事など星の数ほどあるのだから。
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ふむふむ。何か聞き捨てならない事が見えた気がしたがまぁいい。
しかし、不老と不死の特性を選んだ覚えはないのだが、どうやらこの世界に来ると同時に自動取得されるらしいな。
まぁ、納得といえば納得だがな。本来なら不老も不死もあり得ない能力。特性として加算されていてもおかしくは無い。
服はまぁ、やはり壊れないものだったか。最初期装備が壊れないのは、いくら申し訳程度とは言えありがたい。取り敢えず自分のステータスについては分かったことだし、次はよく分からん台と周りの壁を鑑定するか。
そういって俺は、台に向かって歩き出した。
補足 不死について
作中では不死を未完成のものとしていますが、何故かと言えば、本来不死というのは何をしても死なないというもの。一方、主人公達は死んでも復活するというもの。
これは言ってしまえば、輪廻転生のようなもので完全な不死とは言い難い。しかし、死なないことには変わりない。なので不死(未完成)という形にしています。
特殊技能について
この作品では鑑定を特殊技能としていますが、特殊技能とは、人間でも使える能力のことを指します。要するに、特性は生まれついて持つ人外者のみの物。特殊能力は人外者も人間も使える物です。
言ってしまえば他の作品のスキルみたいな物です。
魔法などはここに含まれません。