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君に告げる

作者: 片桐 茉癒

私が高校生になった時、君と出会った。


出会いは偶然、最初は話も最低限だった。


話すようになったのは、どうしてだったっけ。

覚えていないくらい前。でも、私はちゃんと覚えてる。

落し物を届けてもらった。少女漫画のありきたりなはじまりみたいで、笑っちゃったかもね。


でもね。

本当は同じクラスになった時から、ちょっと、気になってた。

一目惚れ、ってほど明確な気持ちじゃなかったけれど、今思えばそうだったのかもしれないね。


それから少しずつ話すようになって、仲良くなって。



私達は、友達から恋人という関係に変わった。


私はそれまで誰かと付き合ったことなんてなくて、全部が初めてのことばかりだった。

それでも君と一緒にいて、たくさん話して、色んなところへ出かけたりするのはとっても楽しかった。


君と付き合ってからは全部が楽しくて、今までとは全然違う様に感じていた。

お互い飽き性な私と君。

同じだねって言って笑ったけど、2人でなら1人の時よりも飽きが来なかった。


どれもこれも全部全部、君のおかげだったんだ。



……そんな日々が壊れ始めたのは、いつからだったんだろう。



*****



いつからか、君と一緒にいることが少なくなっていた。

本当は、ずっと感じてた。


(私はもう、君には必要ないんだ)

って。



”ずっと一緒にいよう”


こんな口約束。

最初は信じて疑わなかったそれも、いつからか信じられなくなってた。


もう、ダメなのかな?

もう、前みたいには戻れないのかな?


ベッドの上でそんなことを考えては、涙を流して眠る。

いつしか私はそればかり考えるようになってしまっていた。


友人たちには沢山心配されたし、色々言われた。

君にもちゃんと、私の気持ちを言うべきだって。


それでも私は”大丈夫”なんて強がって。

嫌われるのが、拒絶されるのが怖くて。

君にそういう話をしたことはなかったんだ。


本当は分かってる。

でも、言えなかった。

私は、弱かった。



*****



ある時、君は私にこう言った。


”俺はこれからも、君と一緒にいられることは少ない”

”君が他の人と一緒にいるのであれば、別れてもいい”

”君の友人にもはっきりしろと言われた”


私は、ついにこの時が来てしまったのだと思った。


私は君が大好きで、他の人となんて考えたこともなかったけれど、君は違うから。

君は残酷なくらいに優しい人だから、私の友人に言われなければ言い出すこともなかったのかもしれない。


私はまた、一筋涙を流す。



別れよう、ってはっきり言わない君は、とても残酷だ。

そんな言い方、私から言わせようとしているみたい。


……私ももう、限界が来ていたのかもしれない。

君と一緒に居られなくて、毎日が楽しくなくて泣いてばかりで。

そんな日々が続いていたら、もう、前のようには戻れるはずなんてなかったんだ。


だから、私は君にこう告げようと思うんだ。



”今まで、ありがとう”

”君に出会えて、一緒に過ごせた日々はすごく楽しかったよ”

”弱くてごめんね。さよなら”



大好きだった、君に告げる。

弱い私の、精一杯の”別れの言葉”


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