表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜を狩る者達  作者: 栗城望
第一章:竜を狩る者達
4/4

肆話 少女の理由


「わたしが竜狩りになった理由。それは……」


 イゼルは、新人教育の時に必ず竜狩りになった理由を聞いている。本当に竜を狩りたいという気持ちで竜狩りになったのなら構わないが、遊び半分の気持ちで竜狩りになっては死ぬと分かっているからだ。

 実際に、そういう竜狩りを何人も知っている。末期は皆同じく、顔を絶望に染め、竜に殺されていった。だからこそ、手遅れになる前に止めておこうとイゼルは考えている。


「ちょっと長くなるかもだけどいい?」

「嗚呼、夜までは暇だ。ロクス達との待ち合わせに間に合えば問題ない」

「わかった。まず、わたしは孤児だった。小さい頃に両親を竜に殺されて、引き取ってくれる親戚も知り合いもいなかったから、孤児院に引き取られた」


 竜狩りになって、イゼルは沢山の人々を見てきた。その中には、家族を竜に殺され独りとなった子供も、何人もいた。そして、そうなった子供の道は極端に分けて三つだ。一つは、カエデのように孤児院に引き取られる。二つ目は、スラムで命懸けで生きていく。

 三つは、人身売買。つまり、奴隷商に目をつけられ拐われていく。

 この国や近隣の国で、人身売買は法律で禁じられている。しかし、取り締まるのにも限界があり、スラムの子供が拐われてしまうことがある。その子供は、違法な取引でどこか遠くの国などに売り飛ばされてしまう。


「孤児院の人たちは優しかった。でも、貧乏で毎日の食にも苦労してた。だから、孤児院のためにわたしが竜狩りになってお金を稼ごうとおもった」

「君はそれでよかったのか」

「うん。みんなが幸せになれれば、それでいい。それに、その為に十五年間ずっと鍛練してきた」


 カエデの強さの秘密は、途方もない努力の塊だった。毎日、孤児院の手伝いをしながらも、合間の時間を目一杯使い己を鍛え、腕を研いてきた。

 その努力によって、カエデは竜狩りになることが出来た。


「だが、稼ぎを得るだけなら竜狩りでなくてもよかった筈だ」

「うん。でも、やっぱりパパとママを殺した竜に少しでも復讐したかった……だから、竜狩りになった」


 カエデは、竜への憎しみもあるが、それ以上に孤児院のみんなのことを思っていた。この少女は、決して遊び半分や軽い気持ちで竜狩りになったのではない、とイゼルはよく理解した。

 しかし、それでも危険が伴うのは確かだ。イゼルは、最後の念押しをした。


「これから先、沢山の苦労があるかもしれない。悲しみや憎しみもだ。それでも君は、竜狩りとして生きていく覚悟はあるか」

「うん。わたしの気持ちは、もうとっくの昔に決まってる」


 カエデの目は、真剣そのものだった。透き通り、真っ直ぐに前を見据える、そういった目をしていた。


「そうか。ならこれ以上俺が言うことはない。これから同業者として、頑張るぞ」

「うん。よろしくお願いします」


 カフェが夕焼けに染まる中、二人は互いに強く手を握りあった。カエデが竜狩りとなり、イゼルがそれを認めた瞬間であった。


「もう、こんな時間だ。今日はありがとう。わたしは孤児院に帰る」

「嗚呼、俺も一度宿に戻ってロクス達の元へ向かう」

「あと……わたしはカエデ。君じゃない」


 意外な台詞に、イゼルは一瞬キョトンとしてしまった。すぐに言葉の意味を理解すると、簡単に返事を済ませた。


「ああ、すまない。カエデ」

「うん。それでよし」


 胸をムフッと張ると、カエデは孤児院へと帰っていった。

 背中が、見えなくなるまで見送ると、イゼルも宿へと戻っていった。


     ◇


 全身を鎧で身に纏った一人の男が街を歩いていた。視線を感じ、路地裏の方を向くと、額に傷の付いた黒い猫がこちらを見ている。


「猫か。一瞬、殺気の混じったような視線を感じた気がしたんだがな……」

「にゃ~」


 猫は、そっぽを向きどこかへ走り去った。


「お、イゼルの方が早かったか。ちょっとゆっくりし過ぎたかね」


 ロクスが、後ろから声を掛けてきた。顔は出しているが、ロクスも全身を鎧で身に纏っている。

 そして、その後ろからは更にもう一人の全身鎧姿が走って追いかけてきていた。


「お待たせしましたわッ! フルプレートアーマーなんて久しぶりでしたから着るのに時間が掛かってしまいました!」

「ロクスもいま来たとこだったから問題ない。だが、しかし……」


 ロクスの妹であるリーナの鎧は、全て金色に染められていた。通りすがる人が必ず二度見をするほどに金ぴかだ。


「別にいいじゃないじゃないですの。そういう二人だって真っ赤と真っ青の鎧なんですから!」

「「うぐっ……まあ、それもそうか」」


 イゼルは、鎧が隅々まで紅く、所々に黒の線が入っている。ロクスに至っては、リーナの青バージョンというだけだ。


「なんで、竜の鱗を使う鎧はこんな鎧だけなんだろな……」


 竜の鱗を使う鎧は必ずと言っていいほど一色に染まってしまう。他の鱗や金属と組み合わせようとすると逆に鎧の性能が落ちてしまうので仕方ないのだ。塗料なども竜の鱗には、着色出来ず、そのまま弾かれてしまう。


「私はこの鎧結構お気に入りですけどね。兄さまは、相変わらず文句ばかりですわね」

「なッ!? イゼルだって俺の意見にゃ賛成だろ?」

「俺は……竜を殺せるなら何でもいい」


 イゼルは、相変わらず竜を殺すことしか頭にないのだった。

 リーナとロクスは、兄妹喧嘩が始まりそうな雰囲気だったのが、イゼルの発言に呆れて、喧嘩する気も失せてしまった。


「「というか、鎧で竜は殺さんぞ(しませんわ)……」」

「さてと、さっさと行くか」

「「スルーしたな(ましたわね)……」」


 始めから何だかんだありながらも、イゼルたちは路地裏を進み、地下水路へと入っていった。

 地下水路の中は、想像通りにジメジメしており、鎧の中はとてもムシムシとしていた。上の方には所々に蜘蛛の巣や何かの糞があり、蝙蝠も稀に見かける。


「鎧脱ぎてぇ……」

「仕方ないですわよ。こんな鎧でもなきゃミウスラ退治なんて自殺行為なんですから」

「俺は竜を殺せ「「分かってる(ますわよ)!」」れば……」


 実際の所、フルプレートの鎧を持っている竜狩りは珍しい。簡単に説明すると、重くて動きを鈍らせて、遠出に向いていないからだ。

 今回のように、地下水路などで竜を狩ることは滅多にない。更には、噛みつき、毒を使うものぐらいしかフルプレートの鎧は役に立たない。竜からすれば、大抵の鎧など石ころと変わらない扱いをされる。

 そして、何より重いからだ。


「師匠の修行がなかったら今頃俺たちどうなってたろうな。そう考えると地獄の修行も有り難みを感じるな……」

「嗚呼、師匠の修行は辛かった。だが、確実に俺達は強くなれた」


 ロクスの意見に、イゼルは深く賛同していた。リーナだけ蚊帳の外だったが、何とか話に入ろうとした。


「兄さまとイゼルさまの師匠はそんなに厳しかったのですか?」

「嗚呼、谷に落とされたり、腰に肉を吊るされレベル伍の竜から逃げさせられたりした。ロクスは、よくサボっていたな……」

「結果として、イゼルはムキムキマッチョになっちまったからな!」


 二人は、同じ師匠の元で腕を磨いた。その結果、兄弟のような関係になったのだ。

 ロクスは、サボっていたからかイゼルのような体型は回避出来た。それでも、師匠の修行を受けていたことに変わりはないので、細身でありながらイゼルに匹敵する筋肉を持っている。


「師匠が死んでからもう二年か……早いもんだな。イゼルなんて、目を泣き腫らしてたもんな!」

「嗚呼、そうだったな……」


 少々、雰囲気が暗くなったが、それでもイゼルたちは地下水路を進んだ。仕事とプライベートは切り替えなければと。

 奥へ進むほどにある臭いが強くなっていった。


「この生臭い匂いは……」

「嗚呼、人の血の匂いだ」


 イゼル達がよく知っている匂いだった。それは、今まで人が竜に殺されたときに必ず香る血生臭い匂い。少し嗅ぐだけでも吐き気を催しそうになる。

 より一層、警戒を高め進むと、案の定そこには人の死体らしきものが転がっていた。


「まだ、新しいみたいだな」

「ですわね。____分かっていますよね」

「囲まれたな。数は……少なく見積もって二百といったとこか」

『ギュウーッ!』


 イゼルたちの前後には、体長三十センチ、鋭い目付きに二本の前歯、背中には退化して飛べなくなった小さな翼を持つ鼠型の竜ミウスラが二百匹以上現れた。

 ミウスラたちは、既に戦闘体勢へと入っており、今にも飛び付いてきそうだ。


「それじゃあ、殺るか……」

「俺は何時でも準備万端だぜ。イゼル」

「兄さまが前衛で、私が後衛でしたわね。イゼルさまは、私たちの間で待機を、細い道ですから気を付けてください」


 ロクス、イゼル、リーナの順に並び三人は武器を構えた。

 そして、ミウスラたちが飛び掛かってくるのと同時にロクスとリーナが竜剣を使用した。


「鳴り響けッ!」

「凍ってしまいなさいッ!」


 ロクスは、竜剣の電気を一気に放出し、前方のミウスラを吹き飛ばした。何匹かは残っているようだが、乾電して動きが鈍い。

 一方、リーナは竜剣を地面に突き刺し、後方のミウスラ、水、壁全てを氷に閉ざした。

 リーナの竜剣の能力は、触れた物を一瞬にして凍らす力だ。その威力は凄まじく、湖程度ならば三十秒もあれば凍らせてしまう。ただし、再使用するのに三十分もの時間を要するのが難点だ。


「残りはイゼルに任せるぜ。数も少ないし問題ないだろ」

「嗚呼、さすがに一匹も殺せないのは嫌だ……」


 そう言うと、イゼルは残りのミウスラを殲滅し始めた。大剣で凪ぎ払い、拳で殴り飛ばす、握り潰す等何でもありな戦い方で確認出来るミウスラは殺し尽くした。最後の方は、リーナが凍死させたものまで粉々に粉砕していた。


「……なんか、俺達必要なく感じるなよな」

「ですわね。竜剣の能力が使いづらいのがイゼルさまのバランスを丁度よくしてますわ……」


 ミウスラも負けじとイゼルに噛みつこうとしていたが、鎧に歯が通らず、そのまま殺られてしまった。


「にしても、数がおかしいな。これも最近の出現数が極端なのに関係あるのか」

「かもな。しかも、奥にはもっとヤバそうなのがいるみたいだけどな……」


 ロクスが発した言葉の意味は、イゼルとリーナもよく理解していた。ただのミウスラとは、比べ物にならないくらいの殺気と存在感が奥から溢れ出ているからた。


「中位なのは間違いないでしょうね。地下水路の一番奥で、ひっそりと力を蓄えていたのですわね」

「こりゃ厄介なことになったな。応援を要請しに行くか?」

「いや、今回のミウスラの親玉はおそらくそいつだろう。だったら、これ以上雑魚の数が増えないうちに倒したほうが良さそうだ……相手は考えたくもないがミウスラのレベル陸以上になったものだ」


 ミウスラの本来のレベルは、壱から弐だ。それでも、数と毒が原因で厄介だというのに、今回の親玉はそれのレベルが上がったもの。

 単純に思えるが、その事実はイゼルたちだけでなく竜狩り全体で見てもかなりの危険性だ。まだ、発見されたこともないので、どのような形で強くなっているかなど想像もつかない。

 何より、今は地下水路の奥で身を潜めて大人しくしているが、逆に言えばその気になれば直ぐにでも街へ出て破壊活動を行うことが出来る。


「こいつらでさえ結構面倒だってのに強化版かよ。想像するだけで、嫌になるな……」

「仕方ない。それが俺達の存在する理由だ。竜を殺し、生きてくと竜狩りになったときに覚悟しただろう」

「私もですわ。イゼルさまや兄さまに憧れて竜狩りになりましたが、私だって竜狩りなのですから」


 三人は、竜狩りとなったときの覚悟を思い出し、気を引き閉めた。それぞれ、理由は違えども、竜を殺すという一点のみは同じだった。


「それじゃあ、進むぞ……」

「「おう(はい)!」」


 奥へ進むへほど血や何かの腐敗した匂いが強くなっていった。もう間近なのだろうが、口元に布を当てていないと息をするのも辛い。


「酷い匂いだな。住み着いてから、かなりの時間が立っている……」

「ここまで色んな生き物の匂いの腐った匂いが混ざってるとか滅多にねぇよ。判断ミスったかもしんねえな……」

「ここまで来たら後戻りは、難しいですわよ。仕方ないですわ」


 イゼルたちは匂いの発生する現場に辿り着いた。そこには、大型トラックほどの大きさ、鋭い爪と二本の前歯、尖った耳を持ち、細長い尻尾を持つ巨大な鼠型の竜がいた。

 何かを食べているようだが、何を食べているかは想像もしたくない……。


「これは……周りに漂ってる空気にまで強い毒が混ざってるな」

「毒の予防用の薬を持ってきてるから飲んでおいた方がいい」


 鼠型の竜ミウスラの周囲には、紫色の毒が空気中に混ざっている。そのまま吸ってしまえば、最悪の場合命を落とすだろう。助かっても、ミウスラに喰われてしまうのが落ちだ。


「レベルは……陸になって暫く立っているような感じか。」


 イゼルの見立てでは、ミウスラのレベルが陸になったもののようだ。


「気付かれないうちに一発かましとくか! オラァッ!」

「待て! ロクス!」


 ロクスが先人を切り、ミウスラの後ろから斬りかかったのだが……。

 ロクスの大剣は、ミウスラにかすり傷一つ付けることなく、弾かれてしまった。


「なッ!? どんな硬さしてんだよ、こいつ!」

「だから、待てと言っただろう! リーナ、ロクスの方を頼む!」

「了解しましたわッ!」


 斬りかかられたことにより、ミウスラがロクスに気づいた。食事を邪魔されたことで怒ったのか、尻尾でロクスを吹き飛ばそうとした。

 イゼルは、大剣を盾の代わりにし尻尾を弾き返した。リーナは、その隙に体勢を崩していたロクスを回収し、後方へ下がった。


「すまねぇ! 大丈夫かイゼルッ!」


 イゼルは、尻尾を弾き返すことに成功したのだが、衝撃で壁に突き飛ばされていた。

 崩れた壁が、その威力をものがたっている……。


「大丈夫だ。まだ、立てる……」

「そうか。こりゃ、厄介なのに手を出しちまったか……」


 後になって、後悔しても遅かった。ミウスラは既に戦闘態勢に入っている。


「さて、こいつはどんな声で泣き叫ぶやら……」

「ここからは、俺たちの時間だぜ……」

「こんな時まで決めゼリフですか……。私たちの時間の始まりですわ」


 これからイゼルたちの地獄の戦いが幕を開けた。


     ◇


 イゼルたちが、巨大ミウスラと戦い始めてから数時間が立っていた。鎧はボロボロになり、武器の切れ味も落ちてきている。体力もかなり消耗しており、いつ倒れても可笑しくはない。

 何度か噛みつかれそうにもなったが、ギリギリで回避、もしくは反撃し耐えていた。


「リーナ、何時間たったよ……」

「ちょうど、四時間ですわ。兄さまは、構わないとして、イゼルさまは大丈夫ですか……」

「嗚呼、まだ戦える。だが、最初の一撃がキツかったな……」


 イゼルたちの猛攻に対して、巨大ミウスラはまだまだピンピンしていた。所々、斬られてはいるものの自己再生能力も高いらしく、暫くすれば傷が塞がっている。


「相手もかなりの血を流した筈だ。このまま続ければ、いずれ出血多量で倒れる……」

「それってどんくらいだよ……」

「少なくとも三時間ぐらいだ。少々、キツいな……」


 三人が焦り始めていると、ロクスが何処からか謎の攻撃をくらってしまった。


「ぐぁッ! なんだッ!?」


 ロクスが怯んでいると、ミウスラはその隙を逃さずに噛みついてきた。しかし、イゼルの咄嗟の判断により突き飛ばされ、何とか助かることが出来た。

 だが、代わりにイゼルがミウスラの歯によって鎧が貫通し、掠り傷を負ってしまった。


「イゼル! お前、それッ!」

「俺は大丈夫だ。それよりも、これ以上は油断するな……」

「イゼルさまは、早く解毒を!」


 リーナが、イゼルに駆け寄り、解毒薬を与えようとするが、ミウスラがそれを許す筈がなく、リーナに攻撃を集中し始めた。


「ロクスッ! 俺は気にしなくて構わんから妹を守れ……!」

「____分かった! 毒なんかで死ぬんじゃねぇぞ!」


 ミウスラの毒が、通常の物なら大丈夫かもしれない。しかし、強さと同様に毒も強化されていたのならば、イゼルはかなり危険かもしれない。

(さっき、ロクスが喰らった攻撃は一体……。それよりも、俺も早く応戦しなくてはッ!)

 イゼルは立ち上がり、背後から全力でミウスラの尻尾を叩き切った。


『ギョォーッ!』


 辺りにミウスラの悲鳴が響きわたった。


「ナイスだ。イゼル! 毒は大丈夫か!」

「嗚呼、ただの掠り傷だったようだ。後で医者にでも掛かるから今は、戦いに集中しろ!」

「「おう(はいですわ)!」」


 尻尾を落とされたことにより、ミウスラは痛みで悶えていた。さすがに、尻尾までは再生しないようだ。


「尻尾が落とされたことで、かなり弱ったらしい。一気に止めを刺すぞ!」


 イゼルの掛け声で、ロクスとリーナは竜剣を構え、使用した。ロクスが電気の紐で拘束し、リーナがそれを完全に凍結させた。


「あとは、氷と一緒に砕くだけだ。同時にいくぞ、ロクス、リーナ」

「そうだな。いちおう、死体の回収はしとこうぜ。組合の方で調べてもらえそうだからな」

「簡単に溶けないと思いますが、そうですわね」


 三人が、ミウスラに止めを刺そうとすると……。


『…………排除スル』


 何処からか再び謎の攻撃が飛んできて、ミウスラを黒い炎で燃やし尽くしてしまった。その炎は、憎悪や悲しみ怨みなどの負の感情が感じ取れた。


「……後ろかッ!」


 イゼルが、気配に気付き背後を振り返ると、そこには謎の黒い影が一つ、暗闇に光る二つの金色の瞳で三人を見つめていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ