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三人称練習シリーズ

幻影売りの少女

作者: 秋雨そのは

初の童話作品ですが、上手く出来てるといいです。

最後の方、加筆しました。

 むかしむかし、雪の降りしきる大みそかの晩。

 みすぼらしい服を着たマッチ売りの少女が、寒さにふるえながら一生懸命通る人によびかけていました。


「マッチは、いかが……マッチは、いかがですか……誰か、マッチを買ってください」


 でも、誰も立ち止まってくれません。


「お願い、一本でもいいんです。誰か、マッチを買ってください」


 今日はまだ、一本も売れていません。

 場所を変えようと、少女が歩きはじめた時です。

 少女に向かって馬車走ってきました。


 それをさけようとして走りました。

 しかし、さける事は出来ましたが少女は靴がぬげて転んでしまいました。

 そのしょうげきで、少女は転生者だという事を思い出しました。


「前世のきおくが、戻った……でも、こんな状況で思い出しても……」


 そうつぶやいた少女は、おもむろにマッチを取り出しました。

 そして何かに気づくように、かなしい顔に変わっていきました。


「マッチ売りの少女、思い出してほしくなかった……しんでしまう運命、どうやって……変えればいいの?」


 そう、少女は思い出した拍子に、自分の運命についてにた状況をしっていたのです。

 マッチ売りの少女、それはマッチの見せたげんえいと共に天に旅立つ話でした。

 そして、少女はひとつ決意をするのでした。


「なら、やれる事は……やるべきかもしれない、もしダメだったらその時はその時」


 手に持っているマッチをつけます、するとどうでしょう。

 少女の目の前に、ストーブが現れ勢いよく燃えていて、前にすわっているような気がしました。

 それを見た少女は、手をのばそうとするとマッチの火が消えて、ストーブもかき消すようになくなってしまいました。


「もしかして、他の人にも……なら、やってみる」


 少女はつぶやいて、またマッチをすりました。

 すると少女の体は、キレイな女の人に変わっていました。

 キレイなドレスをまとい、寒い外にはにあわない姿でした。


 そのまま少女は、あわただしく動いている男の人に声をかけました。


「あの、少しいいですか……」


「何かな、そんなかっこうではこごえてしまうよ」


 するとどうでしょう、いままでただ通りすぎるだけの人が答えてくれたのです。

 しかし、マッチの火が消えてしまって、少女の姿は元に戻ってしまいます。

 元に戻っても少女は続けて声をかけます。


「マッチが、ついている間……望みをかなえるマッチを売ってます」


 少女は言いながらマッチを取り出して、すります。

 同じように、少女の姿は女の人に変わります。

 男の人はそれにおどろいていて、手をあごにそえて考え込みました。


「試しに使わせてもらえないかな」


 少女は男の人にマッチをわたします。

 男の人はたしかめるように、マッチをすりました。

 するとどうでしょう、目の前にキレイな女性が現れたのです。


 しかし、男の人が手を近づけると消えてしまいます。


「なるほど、マッチを10本もらえないかな」


 なんということでしょう、少女の持っていたマッチが売れたのです。

 男の人にマッチをわたし、笑顔でさっていきました。

 それを見ていたのか周りの人も足を止めて、見ていました。


「僕も少し使わせてもらえないかな」


「私もおねがいしますわ」


 男の人がさった後、周りの人は用事もわすれ少女に近づいてきました。

 飛ぶように売れて、少女のマッチはあっという間に売れていきました。

 少女は満足げに家にもどります、そのカゴにはマッチの売上が入っていました。


 家に戻ると、お父さんに聞かれます。


「マッチは売ってきたのか!」


 少女はまよわず答えます。


「売れ、ました」


 少女は売上が入ったカゴを見せると、お父さんは目を見開きました。

 すると、お父さんは笑顔になりました。

 お父さんは少女の頭をなでながら。


「どうやって、売ったんだ?」


 そう聞きました、少女は口に人差し指をつけて。


「それは、ひみつです」


 少女は言いませんでした。

 それは、少女の存在に意味をなすためでした。

 お父さんは、少しざんねんに思ったようですが、笑顔なのは変わりませんでした。


「今日は、一緒に食べようか」


「いいんです……か?」


 少女にとってそれは考えられる事ではありませんでした。

 いつも少女をどなりつけては、マッチを売るように言ってきたお父さんが人が変わったようになったためです。

 少女のおどろきの声にお父さんは言いました。


「あぁ、実はな仕事が上手くいってなくてな……お前に辛く当たる事で、わすれようとしていたんだ」


 そう、お父さんは仕事が上手くいかず、そのイライラを少女にぶつけてしまっていたのです。

 それを後悔するように、お父さんは涙を流しました。

 お父さんは少女に涙を拭いながら言いました。


「これからは、ゆるしてくれるなら……なくなったお母さんのためにも、愛してみたいと思う」


 少女はお父さんを見ました。

 そして、残していた2本の内の1本のマッチを取り出しました。


「お父さん、これを見て……」


「これはマッチかい?」


 お父さんは少女がなぜマッチを取り出したのか分かりませんでした。

 そして、少女はマッチをすりました。


 その時、マッチの火と共に少女のお母さんが出てきました。

 その姿を見たお父さんは、少女のために流した涙の上に涙をかさねてお母さんを見ていました。

 そして、マッチの火が消える瞬間にお父さんに少女にほほえみました。


「これが、ひみつなのかい?」


「うん、マッチの火が消えるまでの……キセキ」


 少女はお父さんに言いました。

 すると、お父さんは少女に抱きつきました。

 その姿のまま、お父さんは言います。


「こんな、父親をゆるしてくれ……いままでやってきた事を考えても、許される事じゃないのは分かっている」


「お父さん……」


 少女はいままでやられてきた事を、にくんでいませんでした。

 なぜなら、本当に小さなころにお母さんと共に、抱きしめられた温もりをしっていたからです。

 お父さんの温もりはやさしく、マッチを売りに外を歩いていた体を、心を温めてくれました。


 少女とお父さんはその後、一緒に夜食を作っていた。

 前みたいな、外のような冷たいふんいきはなく、温かい家の中のような暖かい家庭のふんいきでした。


 夜食は、2人には多すぎるくらいのケーキが置かれていました。

 そして、ロウソクの火をつけるために最後のマッチを取り出しました。


「いいのかい?」


「はい……でも、最後にお母さんに……もう一度会いたい」


 少女は最後に残った1本のマッチをすりました。

 そうすると、お母さんがいつも座っていた位置に、座っていました。


 お母さんは何か言いたそうに、口を動かしました。


『あ・り・が・と・う』


 少女とお父さんに向かって、そう口を動かしました。

 ケーキのロウソクをつけた後、マッチが消える時にお母さんはうすくなっていきました

 消える瞬間まで、お母さんは笑顔をたやしていませんでした。


 その時、少女とお父さんがそのよいんにひたっていると。

 少女がふいに外を見ると。


 流れ星が流れました。

 少女はつぶやきました。


「祖母様が言ってたの」


「何をだい?」


 外を見たまま、少女は言います。


「星が一つ落ちる時、一つのたましいが神さまのところへのぼっていくんだよ」


 少女はそう言った後に、少し寂しそうな顔をしました。

 何故なら、少女の叔母様はすでにお亡くなりになられているからでした。

 お父さんはその様子に、少し気になったみたいです。


「叔母様が願ったのかな……」


「何をだい?」


「『この子を幸せにしておくれ』と言われた気がするの」


 少女の言葉に、お父さんは意味が分からなかったみたいです。

 少女は続けます。


「本当は私、死ぬ筈だったの」


 そう言って、窓に向けていた顔をお父さんに向けると、少女は泣いていました。

 それを見たお父さんは、優しい笑顔で頭をなでました。

 その後、少女とお父さんは幸せに過ごしましたとさ。


 めでたしめでたし。

およみいただいてありがとうございます。

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