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6.スキルレベル上げと称号

 ハーストン南部の草原に、一人のプレイヤーと、こん棒を武器に、そのプレイヤーに襲い掛かる魔物が戦闘を繰り広げている。


 プレイヤーはひたすら避け続け、魔物はひたすらにこん棒を振り回し、プレイヤーを倒さんとしていた。


 長きに渡る戦闘が唐突に終わりを告げる。魔物の振り回していたこん棒がその手から離れ、プレイヤーに襲い掛かる。魔物――ゴブリンの意図なく、偶然にすっぽ抜けてしまったのだろう。ゴブリンが焦った顔をする。


 プレイヤーもそんな馬鹿なと避けた先には飛んでくるこん棒。そして、かち合わせるこん棒とプレイヤー。


 結果、残ったのはゴンと音を立て地面に落ちるこん棒と分散していく光の粒子。


 桜庭瑛太ことエータは、ゴブリンに敗北した。


――――


 ハーストン南口に死に戻りしたエータは、近くにあるベンチへと近づき、どっと腰を下ろす。周囲は暗くなってきており、にぎわっていた人の足もまばらとなっている。


 リアルの時間は午後6時半。AAOでも午後6時半。つまり一日のサイクルはリアルと変わらない。時間指定のクエストや出現するモンスターを狙うには、その時間にいなくてはならない。深夜とかは社会人には厳しいだろう。その点、俺は大丈夫だ。なんせニートだからな。


 だが、さすがに暗くなると視界が悪くなるし、ランタンなどで視界を広げないと、魔物に奇襲されてしまう可能性が格段に高くなる。便利なのは光魔法の<ライト>で、発行する玉を生み出し、それが周囲を照らすのだ。しかも、宙に浮いてるから両手が空くので便利だ。


 残念ながら俺は光魔法を持っていないため、たいまつかランタンが必要になる。しかし、まだ持っていないんだよな。ずっと外で魔物を相手にして…もらっていたからな。


 ステータスを確認してみよう。


【名前】エータ Lv1

【種族】ヒューマン

【職業】テイマー Lv1


【所持金】50000DIL

【所有スキルポイント】0

【所有ステータスポイント】0


【HP】150/150(150/300)

【MP】37/37(37/75)

【STR】5(+0)+0(5)

【VIT】5(+0)+0(5)

【INT】5(+0)+0(5)

【MND】5(+0)+0(5)

【DEX】5(+0)+0(5)

【AGI】5(+0)+0(5)

【LUK】55(+50)+5(60)


【ジョブスキル】<テイム Lv1>

【アクションスキル】<付与:LUK Lv1><ギャンブルアーマー LV3><脱兎 Lv5>

【パッシブスキル:適用3/10】<幸運 Lv1><弾き Lv4><回避 Lv5>

【パッシブスキル:控え0/99】

【称号:適用2/3】<回避を極めし者><死を恐れぬ者>

【称号:控え0/99】

【称号スキル】<回避チャージ Lv10><ペナルティカット Lv10>


【装備】

メインウエポン:なし

サブウエポン:冒険者のナイフ

頭:なし

体:冒険者の服

手:冒険者の指貫グローブ

足:冒険者の靴

装飾:なし


 初陣から実に4時間以上経過しているが、レベルは1も上がっていない。普通のやつなら発狂している所だろう。


 だが俺は、スキルレベルを上げるためにひたすらに回避行動をし、弾きもやる。ついでに脱兎もかけながらやった。弾きに失敗して死に、回避しても運悪くかすって死にをひたすら繰り返した。


 途中、ギャンブルアーマーを使ったが、効果時間はなく、発動すれば当たるまで効果は続いていた。運よく無効化できたり、オーバーキルをされたりと、ほんとにギャンブル感のあるスキルだった。確率で言えば3割無効といった所だった。


 そのおかげで、LUK系以外のスキルが軒並み上がった。初陣よりも回避も目に見えてやり易くなっているし、ここ南口付近に出る魔物3種の攻撃は見慣れた。想定外の要素がなければ大丈夫だろう。


 それとお気づきだろうか?称号が2つ増えていることに。<回避を極めし者>と<死を恐れぬ者>だ。説明を見ておこう。


【回避を極めし者】…回避を極めた者が取得できる称号。適用時PS<回避チャージ Lv10>を開放。


【死を恐れぬ者】…死を恐れない勇敢な者が取得できる称号。適用時PS<ペナルティカット Lv10>を開放。


【回避チャージ】…回避成功毎に次回攻撃時のダメージをスキルレベル×1追加。 一度当てるか、ダメージを受けると蓄積値は初期化する。


【ペナルティカット】…死亡時に受けるペナルティの確率と内容をスキルレベル×5%軽減する。


 いつ取得したのかわからないが、2つともかなり嬉しい称号だった。説明には取得条件も書いていないので入手法は不明だ。まあ、回避しまくってたし、死にまくってたしでそれっぽい行動をしたのかもしれないな。

 

 称号の中身の回避チャージは俺の兵器になるだろう。ただ、相当回避した上で一度食らうか一撃当てると蓄積はなくなるので、使いどころは考えなくてはならない。一回の回避で10もダメージアップするので回避が攻撃手段にもなったというわけだ。


 ペナルティカットはペナルティ自体の受ける確率も内容も50%にしてくれる。死ぬことが当たり前になりつつある俺にはこれもありがたいスキルであった。 

 

しかし、称号に付与されたスキルは存在しているはずだ。レベルがあるのだから無いわけはないだろう。もし同じスキルを取ったら重複するのか、しないのか、まだ現状では何とも言えないな。 


 それにしても運が全く仕事していないように思える。さっきのゴブリン戦は運が悪いとしか言いようがなかった。レベル1だしまだ効果が薄いのは仕方ないが、運極振りとは思えない不運ぷりだった。


 何にせよ、スキルレベル上げの途中に偶然手に入れた攻撃手段もあるので、そろそろレベル上げに行きたいと思う。


 しかし、現在の時間では外は暗い。なので先ほど説明した通り、ランタンを買おうと思う。一応道具屋に売っているが、店にも営業時間は存在するので、やっていなかったら明日にすることにする。


 場所は中央噴水の近くなので、転移板を使って移動した。50DILを支払い、転移板に手をかざすだけで完了だ。3秒程で見覚えのある噴水に到着した。


 マップを確認しながら道具屋を目指す。プレイヤーがちらほら見えるが、皆レベル上げに励んでいるのか、パーティを募集していたり、外の方向に進んでいたりと、忙しなく活動している。


 俺は暫くはパーティを組むつもりは無い。当たれば即死、ダメージソースも心許ないともなれば他人からみたら寄生行為に等しい。さすがに俺は寄生できるほど神経は図太くないのだ。


 プレイヤーを観察しつつ、道具屋の前へとやってきたわけだが、店は閉まっていた。営業は午前7時から夜6時まで。


 一応、夜営の店もあるみたいだが、価格は割増だったりするので出来るだけ安く済ませたい。それに今日は1レベルも上げれなかった(一匹も倒せなかった)が、回避に力を注ぎすぎて疲れた。


 というわけで、疲れた体を癒すため、道具屋前のベンチに腰を下ろし、ログアウトした。

 

さんざんやってEXP0でした(笑


【名前】エータ Lv1

【種族】ヒューマン

【職業】テイマー Lv1


【所持金】49950DIL

【所有スキルポイント】0

【所有ステータスポイント】0


【HP】150/150(150/300)

【MP】37/37(37/75)

【STR】5(+0)+0(5)

【VIT】5(+0)+0(5)

【INT】5(+0)+0(5)

【MND】5(+0)+0(5)

【DEX】5(+0)+0(5)

【AGI】5(+0)+0(5)

【LUK】55(+50)+5(60)


【ジョブスキル】<テイム Lv1>

【アクションスキル】<付与:LUK Lv1><ギャンブルアーマー LV3><脱兎 Lv5>

【パッシブスキル:適用3/10】<幸運 Lv1><弾き Lv4><回避 Lv5>

【パッシブスキル:控え0/99】

【称号:適用2/3】<回避を極めし者><死を恐れぬ者>

【称号:控え0/99】

【称号スキル】<回避チャージ Lv10><ペナルティカット Lv10>


【装備】

メインウエポン:なし

サブウエポン:冒険者のナイフ

頭:なし

体:冒険者の服

手:冒険者の指貫グローブ

足:冒険者の靴

装飾:なし


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