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8.ギルドの格差と意気込み

お金の単位である金、銀、銅はいらないのではという指摘をもらいました。

確かにややこしいかもしれませんね。


もう少し意見で要らないの声が上がれば、単純な数値にしようと思います。


意見、お待ちしております。


→2/5 通貨を変更決定に伴い、通貨の表記をDILダイルに変えました。

 馬小屋の戸を開けたエータは、中へと踏み出した。


 中は別空間になってました!…なんてことはなく、本当に馬小屋が馬小屋していた。馬は見渡してもどこにもいない。餌になるだろう干し草が乱雑に積まれているだけで、特異点があるとするなら、目の前にテーブル、イスには二人の人が腰を掛けていた。


 その二人は俺が入ってきたのを確認するやいなや、ガタッっとイスから勢いよく立ち上がった。


「やっと同胞が現れたか!もう来ないかと思ってたぞ!」


「そうですね!ベイカーさん、これでピンチを乗り越えられるかもしれません!」


 ベイカーと呼ばれたハゲ…スキンヘッドの無精ひげのおっさんと、金髪のやたらとイケメンの青年が期待をした目でこちらを見ていた。背景と絵面は絶望的にミスマッチだ。


「ど、どうも。ここはテイマーギルドで…いいんだよな?」


 二人の底知れない雰囲気にのまれ、ついどもってしまった。のまれながらもここがテイマーギルドなのか確認する。


「そうだ。見た目も中身もこんな馬小屋だが、れっきとしたテイマーのギルドになる。俺はベイカーで、こっちは助手のロイだ。立ち話も何だから、そこのイスに掛けてくれ」


 イスを勧められたので、俺はベイカーとロイに向かい合う形で腰を下ろした。こちらも挨拶しておこう。


「俺はエータだ。ここがギルドだってのは分かったが、なんでこんな馬小屋なんだ?」


 正直に疑問を述べてみると、ベイカーからは苦虫を嚙み潰したような顔を、ロイは苦笑いをしていた。ベイカーの表情から、事情があるのは分かった。


「少し前までな、結構いいギルドハウスだったんだがな。人もかなりいたんだが…ちょっとしたらテイマーがどんどん辞めていってしまってな。ギルドの収益も激減、テイマー人口も激減で、国から不相応とギルドハウスを没収され、代わりにこの馬小屋を提供されて今に至る。元のギルドハウスはファーマーのギルドハウスになっちまった」


 少し前ってβテストの頃か。その時は結構いたけど、サービス開始の頃にはテイマーは居なくなり、この馬小屋…ハウスに変更。そして、テイマーはファーマーより少ないと。…マジかおい。


「この小屋でテイマーを待っていたのですが、中々来なくて焦っていました。もう少ししたらここからも追い出されそうでしたので、エータさんが来てくれたのでどうにかここで暫くやれそうです」


 ロイが安堵したような表情になる。というか俺来なかったらどうなってたの?野営か?大丈夫かよテイマー。俺もテイマーだから他人事ではないけど。


「事情は分かったけど、これからどうするの?俺は何をすればいいんだ?」


 とりあえず過去は過去だ。問題は今なのでこれからどうするかを尋ねた。


「一先ず、エータにはテイマーとして、このギルドで登録してもらう。この登録によって、正式にテイマーとなるんだ。そのあとは、俺から依頼を出すから、それをこなしていってほしい」


 正式にテイマーになるって、今までの俺は一体何なのか?エセテイマーか。


 ベイカーが方針を言い終えると、ロイが書類を持ってきた。ギルドの登録書のようだ。


「こちらに記入をお願いします。名前の記入と拇印を押せば完了です。拇印にはこれをお使いください」


 ロイが差し出したのは赤い液体のついた布だ。まあ、リアルでいう朱肉のようなものだろう。俺は液体の付いた部分に親指を当て、書類の指定場所にぐっと押した。無事に転写できたようだ。


「はい、これで登録完了になります。正式にテイマーとなりましたので、魔物をテイムできるようになりました」


 よし、これでテイムができる。魔物をテイムしてこそのテイマーだ。


「登録が終わったようだな。ではエータに依頼を頼む。最初の依頼は、一匹なんでもいいからテイムしてくることだ」


 テイマーとして当然だと、ベイカーは言う。まあ、必ず通る道でもあるし、受けることにした。依頼を受理したベイカーは、今度はテイムについて教えると言うので、説明を聞いていた。


「まず、戦闘前でも最中でも構わないからスキルの<テイム>をテイムしたい魔物に発動させる。一度の戦闘に複数の対象は同時に発動できず、一度発動した対象と違う魔物に再度発動させると、前に発動した<テイム>は無効になるということは覚えておけ。その後、戦闘を終えると確率でテイム成功する」


「なるほど、一回での戦闘につき一匹が限度か」


「それだけがテイムではないですが、稀に<テイム>を発動した瞬間成功することもありますし、懐っこい魔物がいたら発動するだけで成功したり、ケースは様々です」


 補足でロイが説明をいれてくれた。戦闘だけがテイムじゃないってことだろう。


「とりあえず<テイム>についてはこんなところだ。次はテイムした魔物を育てる際、食事やケアも必要になってくる。その時に使ったりする調教セットや魔物の好みに合わせて色々な魔物用の食材セットを渡す。本当はこの2つで5000DILはするんだが、あまりにも人が来ないので大量にあまっ…あってな。先行投資という意味と思って受け取れ」


「理由が切実すぎて涙が出そうだ。じゃあ、ありがたくもらうよ」


 有難くもらっておくことにする。余ってるって言いかけたような気がするが、いっぱいあるからあげるというのは言い回しを変えただけで、意味は同じだ。


「最後に、テイムした魔物は、その主の手のかけ方一つで大きく変わっていくんだ。俺はお前が名を駆せるテイマーになると思っている。今は廃れたギルドだが、お前が有名になればギルドもかつてのように良いギルドになっていくはずだ。だから、困ったことがあればいつでも訪ねてこい。助け舟を出すぐらいならできる」


「私も微力ながら協力します。困ったらここを訪ねてくださいね」


「2人とも、ありがとう。困ったことがあったらここにくることにするよ」


 そんな二人の気遣いに、俺は感謝して、ギルドを後にした。 


 最初は馬小屋でビックリしたが、どうやらギルドの貢献度でグレードもかわってくるらしいので、そういった意味でもこの手でギルドを育成させようというゲーマー心が沸き立ってくるし、もはや超マイナーとなってしまったテイマーを人気職にしたいという目標もできた。


 その目的に必要なことは、まずは強くなること。ステータスはボロボロだが、それをどう克服していくかが鍵になる。そして、テイマーとして、パートナーとなる魔物を育成していくことだ。


 召喚士と違い、テイムでは普通に腹も減るし、死なせてしまうと戻ってこない可能性だってある。手の掛け方が根本的に違うのも特徴だろう。それによってどんな差が生じていくかはまだ分からない。


 これからどうなっていくのか俺自身もぶっちゃけ分からないが、俺なりに楽しんでやっていこうと思う。


 というわけで、ベイカーからの依頼である、一匹目のテイムを達成するため、再び南口を目指し歩いた。 


 

ギルドの人口と貢献度によって馬小屋になってました。ちなみに召喚士のギルドハウスは上位で屋敷みたいな広さです。


テイムができるようになりました。


【名前】エータ Lv1

【種族】ヒューマン

【職業】テイマー Lv1


【所持金】26450DIL

【所有スキルポイント】0

【所有ステータスポイント】0


【HP】150/150(150/300)

【MP】37/37(37/75)

【STR】5(+0)+0(5)

【VIT】5(+0)+0(5)

【INT】5(+0)+0(5)

【MND】5(+0)+0(5)

【DEX】5(+0)+0(5)

【AGI】5(+0)+0(5)

【LUK】55(+50)+5(60)


【ジョブスキル】<テイム Lv1>

【アクションスキル】<付与:LUK Lv1><ギャンブルアーマー LV3><脱兎 Lv5>

【パッシブスキル:適用3/10】<幸運 Lv1><弾き Lv4><回避 Lv5>

【パッシブスキル:控え0/99】

【称号:適用2/3】<回避を極めし者><死を恐れぬ者>

【称号:控え0/99】

【称号スキル】<回避チャージ Lv10><ペナルティカット Lv10>


【装備】

メインウエポン:なし

サブウエポン:冒険者のナイフ

頭:なし

体:冒険者の服

手:冒険者の指貫グローブ

足:冒険者の靴

装飾:なし


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