アイカ詠む
「や、やけど添削なんてどこから手を付ければいいかわからんし……」
「じゃあ添削じゃなくて
『北海道から東京に住む妹を、真っ白な雪の中明るい月明かりの下で想う』
って意味の詩を詠んでみなよ」
「あ、ほれならなんとかなるかもしれん!12文字で言いたいこと言って、最後の5文字……じゃなくて、下五に季語を持ってくればええんやら?」
「お〜ちゃんと覚えてたな。偉いぞ。でも別に季語を入れるのは下五じゃなくてもいい。上五に季語を持ってきて残りの12音で言いたい事を言ったっていいんだ」
「にゃるほどねぇ。いろはにほへと(7)・ちりぬるを(5)のリズムやね!」
「北海道……は6音やら?使いにくぅ……。妹を……あ、これええかも!ほんで雪関係は季語に任せちゃえばええんやら?やで雪は飛ばして、月明かり……あ、これも5音かぁ。月の下……あ!ユート!『月下』って月明かりの下って意味やない?」
「ほお、よくそんなオシャレな言葉出てきたな」
「だってわたし月下の奇術師・怪盗○ッド様の大ファンなんやもん!」
「……あっそ」
「あ、キッ○様のおかげでなんか降りてきたかも!季語はスマホで検索して……でけた!!」
「聴かせてよ」
・妹を月下に想う冬ぬくし
「すごいんやないこれ!?(ドヤ)」
「ああ、すごいな」
「ほんとに!?ほいじゃあユート、わたしとつきあっ——」
「初心者が犯しがちなミスが満載で、逆に驚かされるよ」
「ほわっ!?」
次回、アイカの犯したミスが明らかに!