白夜アラスカ
「ほんなことあらすかぁ!(そんなわけないじゃん!)」
「あらすか……たしかにアラスカからだったら白夜が見られるかもしれないな」
「びゃくや?さっきの俳句、ユートは『ハクヤ』って読まなんだ?」
「そういう読み方もあるんだよ。さあ、中学校理科の問題だ。白夜とはなんぞや?」
「びゃくや白夜ビャクヤ……たしか寒ぅ地方で夜も日が沈まんこと……やったっけ?」
「正確には『北極や南極の付近で』だな。それにしてもよく覚えてたな」
「ユートと同じ高校入るために、血反吐はきながら受験勉強したでね!」
(か、かわいいとこあるじゃねえか……。はっ、騙されるな俺。こいつはただの馬鹿だ!)
「それで白夜が見られる季節は?」
「え〜っと、たしか夏やなかった?あ、だからこの俳句は夏の詩になってまうんやね!」
「そういうこと。この句を送ってくれたエダマメさんの説明によると『北海道から東京に住む妹を、真っ白な雪の中明るい月明かりの下で想う』って意味らしいんだけど」
「あ、私の想像したのはそんな情景やよ!」
(間違ってるのに作者の正しい意味を汲み取れたのは、こいつも素人だからなのか。それとも……)
「ちなみに俺はこの句を詠んで、南極で故郷のことを想う昭和基地の人を思い浮かべた」
「ぷふっ、南極って(笑)昭和基地って(笑)全然違うやら(笑)」
「ほう?だったら早くこの句をお前のイメージした通りの詩に添削してくれよ」
「うぇ!?」
次回、ひとりで添削できるかな!?