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アイカの鑑賞
・想う先 白夜の吐息閉じ込める
「この俳句を添削すればええんやら?……う〜ん……なんやようわからん詩やねぇ」
「じゃあ付き合うのも無しってことで。ほら、巣にお帰り」
「わ、わかるもん!こ、これは遠くから妹を想う詩やら!」
「この句を詠んでもそこまではわからん!卑怯な事せずにお前の感受性を働かせてみろ!」
「えーっと……まず上五でお兄さんが妹のことを想ってるんやね。妹との先のこと?どおゆうことやろ?」
「気にせず続けて」
「それで雪とかで周りが真っ白になっとる夜、吐いた息を手の中に閉じ込めて温とめるってこと?……あ、きっと妹さんとの思い出でもっと温とぉなっとるんやろうね!」
「(どうしてこの句からそこまで鑑賞できるんだ……)まあ、だいたい作者の意図してる事を汲み取れてるな」
「ほれじゃあもう添削する必要ないんやなぁの?」
「……じゃあひとつ質問。アイカはこの句の季節はいつだと想う?」
「ほんなの冬に決まっとるやら!」
「残念、このままだとこれは夏の詩になるんだよ」
「ほんなことあらすかぁ!」
次回、正しい季語の選び方とは!?