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天才詩人川田妙子のぐるぐる人生相談

真夜中に、起き抜けに、夢の中で、満員電車に揺られているとき、行列にならんでいるとき、待ち合わせのとき、散歩してるとき、タバコを吸ってるとき、ぼんやりテレビを観てるとき、お腹がグウって鳴ったとき、満腹になってよこたわっているとき、やることがないとき、いそがしいとき、ふとした瞬間あふれ出す脳汁!

私はそれを天使のおねしょと呼ぶ。私の中でクウクウ眠っている天使が布団にどんな絵を描いたか、その図鑑。

インタビュアー…コレステロール高峰

回答者…川田妙子


ーおはようございます。

「…はい」

ーおや、今日はテンションが低いですね〜。

「勝手なこと言ってんじゃないよ。だいたいいつだってテンション低いでしょおれは」

ーはあ、それにしても…。

「いいから、そんなことは」

ーでは、今回もよろしくお願いします。

「…はい」

ーえ、では、最近どうされてます?

「最近? なにそれ? ついに相談なくなった?笑」

ーいえ、そういうことではないんですが、こういった形ではじまるのもまた目新しいものかと…。

「投げやりだねえ。ふうん。最近、ねえ。特になんかあったということは…うん、ない」

ー…そうですか。

「なにその白けたムードは。君の内面から舌打ちの音が聴こえたよ。え? チッてさあ。かかった魚を逃した挙句に釣り糸がおまつりになっちまったようなその白けた様子はなんだい? どういうつもり? これ仕事だよ? それともおもしろおかしく応えないおれが悪いの? 井戸端会議じゃあるまいし」

ーすいません。

「いいけどさあ。ああ、そういえばおととい飼ってた犬が死んだ」

ーえ!? あるじゃないですか!

「喜び勇んで声を張り上げてまあ、ご愁傷様のひとつも言わないのか君は。たぶん、おれも言わないけど。笑 でも、それはそれはショックだったもんだ。親が死んだときより嘆き悲しむ自分がいた。ペットロスってやつだね。あれは、なかなかくるものがあるよ。たかだか犬っころが一匹死んだだけだろってなめてかかっちゃいけない。半身を失うような悲しみとたとえる人がいたとしてもまったく不思議じゃない。これから、のひとも覚悟をしていた方がいいよ。なんせ犬っころは喋らないし、最後までけなげだからね…やるせないものがあるよ」

ーでも、忘れてたじゃないですか。

「うるさいなあ。思い出したんだからいいだろ。思い出さないよりは! おれはあいつに太ももの動脈を食い破られたこともあるんだよ。そのときは入院して、熱は出るわ仕事がトぶはでたいへんだった」

ーいまどきそんな犬もいるんですね。笑

「笑いごとじゃないよ。太もものつけ根近くから血が止まらなくて。女房に、今日はお赤飯炊いてって言ったぐらい。笑」

ー笑わそうとしてるじゃないですか。笑

「あいつ、家族のなかでなんでかおれにだけ牙を剥くんだ。どうなってるんだあいつは」

ーなにかしたんじゃないですか?

「常日頃からエサを横取るとかか?」

ー奥さんにそうしつけられたとか。

「カラスに言葉おしえようとする人だからなあ」

ー特にうらみがあるわけじゃないけども。笑

「おもしろ半分で。笑 あいつ、犬だけども、あぐらかいて座ってるおれのとこまで来て、おれの脚の上でいびきかいて寝だして、かわいいとこもあるじゃないかと撫でてやったら、途端に豹変して本気で牙を剥いて襲いかかってくる。目覚めて即激怒。人間にはなかなかできない。笑 なんぞしらん、尻尾ふって近寄っては来るくせに目と目があったら噛みついてくる。甘噛みじゃないよ。体に穴があくからね。しかもあいつ、たぶんあいつらは人体の急所を的確に狙ってくる。手首だとか太ももだとか股だとかに飛びかかってくる。勝海舟が子供の頃に野良犬に金玉を噛まれて死にかけたってのは、笑い話じゃないんだよ。マーダーマシーンだあいつらは。自然だとか野生だとかってのはひどく機械的なもんだね。おおよそ人間とわかりあえるもんじゃないよ。笑」

ーそんな犬と生活しているとなると、おそろしいですね。

「気が気じゃないったらなかったよ。一緒に寝てたりなんかしたら、なんの拍子か本気でかかってくるんだもん。こっちも黙ってやられてるわけにいかないから、よくぶん殴ってやったもんだよ。一度、いいカウンターのエルボーをくれてやったことがあるな。アゴにスコンときれいにはいった。ありゃ見事だった。入った瞬間膝から、犬に膝があるか知らないけど、崩れ落ちてな。よろよろと立ち上がるとシュンとして顔つきでおとなしく自分の寝床に退いていったよ。おかしかったなあれは」

ー私は犬を飼ったことがないのでなんとも言えないところがありますが、それって動物虐待じゃないですか?

「バカなことを言うな君は。そんなこと言えるのは本気になった犬と立ち向かったことのない君みたいな軟弱な奴だけだ。あいつら、ほんとおそろしいんだから。うちはフローリングで、あいつが襲いかかってくるときは踏ん張りがきかなくてね、脚をマンガみたく空回りさせながらイカれた目で襲いかかってくるんだ。ギャリギャリギャリって爪が床をかく音を立てて、ガボアと唸って。こっちだって本気になって相手しないと、やられる。現に噛まれて入院してるわけだし」

ーそれは、そうですね。シャレにならない怪我をさせられてるわけですもんね。殴って噛まれてイーブン、ですか。

「殴って噛まれるんじゃない! 噛まれるから反射で殴るしかないんだ! その順番まちがえてくれるなよ。犬を殴って噛まれたらそりゃ単なるアホじゃないか」

ーたしかにそうですね。ちなみに犬種は?

「パグ」

ーパグって、ちっちゃいブルドッグみたいなやつですよね? 小型犬じゃないですか! いやいや、やっぱりそんなちっちゃいの殴っちゃダメでしょ。

「パグは個体によってはありゃ中型並になるよ。うちのはそうだった。血統がいいからか、体格が並のパグじゃなかった」

ーでも、大きくはないでしょ? 私勝手に警察犬みたいな犬を想像してましたよ。

「シェパード? あんなのに寝込みを襲われてたら死んでるよ!笑 だいたい君はパグの戦闘力を知らないからそんなのんきなことを言えるんだ。そりゃ相手がチワワだったらおれだって適当にあしらえるだろうよ。でもな、相手は、それこそちっちゃいブルドッグだ。生半な相手じゃない。ワニワニパニックって知ってる? デパートの屋上にあるようなしけた遊戯台。あれの終盤みたいにバババッて噛みついてくるんだ。ほんとだよ! 笑ってるんじゃないよ。君いっぺん犬に襲われてみろよ。冗談じゃないよ」

ーすみません。そのパグのお名前は?

「ジグ」

ージグちゃんは、何歳で天に召されたんですか?

「なにそれ? やっぱり虐待をうたぐってんの?笑」

ーえー、はい。笑

「えーっと、娘の5つ下だから………」

ーとなると16歳ですね。って、なんで私がわかって親のあなたがわからないんですか。笑

「そうすると、娘は21か。いつの間にハタチを越えたんだろうね」

ー去年ですよ!

「ふむ。そう、ジグは16ぐらいだった。一回脳卒中みたいな症状で獣医さんにかかったけど、それ以外に大病したことはなくて、まあ寿命だとおもうよ。最晩年は、おれに牙を剥いてきてたときみたいな、気概がなくなっててね。ヨレヨレでよたよたで、憐れなもんだった。排泄もところかまわずするようになって、おれは夜中に仕事するから、夜中はおれが、自分で言うのもなんだけど、自分の親より介護に徹してたよ。臭かったけど、ずっと近くにいた。でもね、突然いなくなるより、あいつがおれたち家族にお別れの段階を踏んでくれたのはよかったよ。娘のことを考えると特に。まあ、ジグはとっとと死にたかったかもしれないけど、それは人も犬も同じだね。まあ、人だと老醜っていう段階を踏まれるとそれはそれで困るような手間のかかるもんだけど」

ージグちゃんのことは愛していたと。

「別に擬人化するこたないけど、そんなのあたりまえだよ。よく勘違いされるけど、おれそんなに薄情なニンゲンじゃないよ。笑 今となってはよくぞ太ももに傷痕を残してくれたってなもんだよ。やられた時は思いきりぶん殴ってやったけど。ところで、なんでこんな話になったんだっけ? 相談は?」

ー最近どうですか、との。

「ああ、そうか。あ、最近といえば、テレビドラマの決め台詞でさ、私失敗しないので、ってのがあるんだって?」

ーはい。よくご存知で。笑

「最近ね、それ知ってさ、それからよくおもうんだよ。頭にこびりついちゃってね。こうさ、

私、失敗しないので! 私失敗しないので! 私失敗しませんから! わたしぃ、ぜったい失敗、しませんからあ!(注、段々と口調が駄々っ子のようになり、最後には泣きじゃくりながら)

っていう、おれがかってにつくったシーンなんだけど。本物はすました女がすましながら言うんだろ?」

ーえ、ええ…まあ、おそらくは…。

「それがね、こう、わたしぃ、失敗、しませんからあ、ぜったいにい、失敗しませんからあ! ってね」

ーあの…それはどういう…

「どういう? いやいや君、おかしいだろう? これはとても愉快じゃないか」

ーはあ…ギャグ、ですか。

「ギャグではないよ」

ー…ええっと?

「私は詩人で、幸か不幸か天才だからね。詩人の枠をこえ、小説に俳句、映画に音楽、行くところ可ならざるものはないってもんだ。そうすると世の中はおれに失敗を求めてくるんだよ。失敗作をつくれという圧力をかけてくる。きっとその創作物をめったんめったんのぎったぎたに批評して、おれという遥か彼方にある才能を己の内臓で消化したいんだろう。その気持ちはわからなくもないけど、いちいち狙われるこっちにしてみりゃ迷惑なもんだよ。勝手気ままに創作してきたんだから。格式ばってるのが好きでなおかつ弥栄を望んでる人ならそんな世の中に挑戦してやろうってなるのかもしれないけど、おれはもともと在野にある天才だからさ、そういう他人の事情に囲われると窮屈でね」

ー己の才能ゆえにこれまで以上の名作以外つくってはいけない立場になってしまっていると。

「うん。逆にいえばてきとーこいて言ったものを、変に探られたりして。だから、今回もね、動物虐待してるって、もうこれ、どうせそう読みとる奴がでて、また反対にいいや彼は動物愛護者だ、という奴もでてきて、実際はお前どっちなんだってどうしようもない追求をうけかねない」

ー飼い犬を愛していても動物愛護に徹している人なんて、そこまでいませんよね。

「そう。そんなのばっかなんだよ。やれ詩人は赤貧に喘ぎ蒲柳のタチでなければならないのにお前ときたら、とか、やれ愛人のひとりもつくらんで何が天才か、だとか、天衣無縫に生きてる様子もないのに、だとか、人の上にたつものは誰からも愛されねばならないだとか、人間嫌いじゃないやつにおれの気持ちの何がわかるだとかさ、知らないよそんなことは。おれは中原中也でもルーベンスでも尾崎放哉でもあんたでもないんだからさ。笑」

ーなんかしら世間の天才に対する譲れないイメージを一身に浴びていらっしゃる。笑

「おれは別にファッションで天才してるんじゃなくて、気がついたら天才だったんだから、そんなイメージの話されても困るのよ。売れてるマンガ家だってみんな普段ベレー帽かぶって生活してるわけじゃないでしょ?笑」

ーましてやヒロポンを。笑

「そうそう。ま、困ってるおれをみたいんだろうけど。そういう人らは、おれの底を知りたいんだろうね。底をみることで、おれが自分たちと同じ人種だと理解したいんだ。こっちはハナから人間として生きてるんだけどさ。ああいうのはもう総理大臣が牛丼食ってたらパフォーマンスで料亭行ったらおれたちの税金でなにを、の世界だからさ。話にならんのよね。だから、一度しょうがないから失敗してやろうかと思って」

ーえ!? 白旗をあげるんですか!?

「うん。別におれにしたらそんなの勝ち負けじゃないからね。批評と戦ってるタイプの芸術家じゃないから。特にそんなよくわからん理屈を唱える批評家さんとは。だっておれ天才だから。いや批評と立ち向かってそれをエネルギーにする人たちはすごいよ。素直に尊敬する。プロだよね。プロのやることだなあすごいなあって素直におもってるんだよ。でもおれはほら、根っこがアマチュアだから。つきあう義理も義務もないし。そんでまあ、その時に、例の、わあたしい、絶対失敗い、しませんからあ、って言って見ようかと思ってるんだ」

ーやり過ぎじゃないですか? 大事件ですよ!

「うん。川田妙子はそれで死んでもいいよ」

ー地に堕ちた名声を取り返すことはしないと?

「そう。だってほら、おれはもともと在野にあって真価を発揮すると思ってるし、ご存知の通り女房は小金持ちだし。笑 それに川田妙子って名前もおれがいた小学校の好きでも嫌いでもないおばさん先生の名前からとっただけだしね。世に出るような活動したくなったら、名前変えるなり誰かのゴーストになるよ。おれの死後になんか発掘されるのもいい。ああいう人らはそういうの好きそうでしょ」

ーゴーストといえば、某奇跡の作曲家だったモジャモジャのおっさんあたりと組んでみたり。笑

「うん。そういうんじゃないから」

ーあ…すみません。

「うん。冗談じゃないから」

ーはあ…どうも。

「それで、ま、失敗しようとやっきになってやってみたのが、来月あたりに本になる」

ーあ、なるほど。来月文庫発売予定の当連載をまとめた「天才詩人川田妙子のぐるぐる人生相談第1巻」。

「うん。第1巻ってつけといて、このまま終わったらごめんね。笑」

ーそれは困りますよ!笑

「おれ、この仕事はちゃんと失敗だったなって思ってるもん。だから、おれに文句のある人には是非読んでほしいね。おれがどの程度の浅い奴かよくわかる。笑」

ーいやいや、素晴らしい本になってますよ! 天才は失敗しようにもできないもんです。笑

「だいぶ手を抜いてるんだけどな」

ーそんなこと真面目に言わないでくださいよ!

「ほんとだよ。なんせこっちは失敗したと認める時の素振りまで考えてるんだから」

ー買っていただいて判断してもらいましょう!

「ひとり3冊ぐらい買ってくれたら単なる悪口でも神妙にうけとめるよ。うるせえハゲ! とかさ。そうか私はうるさくてしかもハゲだったのか…そんなの人として最悪じゃないか…すまん、そしてありがとう」

ーまあ、先生はとどのつまりうるせえハゲですもんね。

「君、自費で3冊以上買えよ。チェックいれるからな。数字には弱いが小金にはしつこいぞおれは。買わなかったら、君が娘に送った薄ら寒いメールを公開する。証拠として保存してあるんだからな」

ーえ!? あれは、いやその…。

「何がミョウシさんは関係ないよーだ。関係ないわけないだろ!」

ーちょっと、やめてくださいよ。あれは魔がさしたというか…。

「…君、ほんとにそんなこと娘に送ったのか」

ーは!? え?

「君には心底がっかりだ」

ーひっかけ、ですか?

「君が娘の年齢を即座に思い浮かべることができた時から、疑っていたよ。…というのはウソだ」

ーは?

「まだわからないかねこのポンコツめ。よくある手口だ。実にありふれた、かよわき乙女の防衛手段だ。君が娘だと思っているそのメルアドは、なんてことはない、おれのメルアドだ」

ーなに!? くそっ! メッセージアプリだとバレるかもしれないからってちくしょう!

「ふふふ。娘はテレビをよく見るでな。君は実にありふれていたが、良いおもちゃだった。そして」

ーなに!? まだなにかあるっていうのか!

「そのメールのやりとりは、おれと君との往復書簡として、来月発売予定の文庫に収録されている!」

ーなんだと! そんなこと聞いてない!

「ふふふ。なにが、でもそういうことに興味はあるんでしょ? だ」

ーやめろ! ていうか、あんたが気持ち悪いわ! ダメですよほんと…ああ、もう…。

「ちなみに娘は、もうすぐ結婚する。現代においては早すぎるとは思わんかね…」

ーシュンとするな! したいのはこっちです!

「妻子ある身で仕事上の関係者の娘に手を出す方が悪い。野獣か君は」

ーちょっとほんと、もう…もうなに言っても遅いですか?

「遅い。もちろん君の奥さんには了承を得ている。その過程で娘の件以外の余罪も知られてしまうのは、いたしかたないことだ」

ーあー、あー、そうか、どおりで、最近よく掃除をしてるなと、断捨離だ断捨離だと…。

「必要なものだけ実家に送っていらないものだけ残すことで捨てるというぜいたくな発想もあるんだね。物も、ヒトも」

ーうわもうどうしよ…。

「どうしようといえば、今週の相談はどうしたね」

ーもういいですよ。相談なんかいいです。そんな気分じゃない。

「よくないだろ。読者のみなさんの相談に応えてはじめて、我々はギャラをもらえるんだよ」

ー…じゃあ、わた

「あなたのケースは、あなたが素直に痛い目を見ればみんなが少しずつハッピーになるんだから、じたばたせずに流れに身を任せじっとしてなさい。まあ、おれもすこしは悪い気がしないでもないから、おれが今度初めて絵を描いて、それを君に贈るよ。天才詩人の初めて描いた作品だ、高く売れるさ」

ー先生…。

「ただ、おれは美術の成績はからきしで。娘が小さいころ、妻を審査員にして娘の絵とおれの絵どっちがよく描けてるか比べっこして、マンガとかアニメのキャラとかをさ、そんで、おれは娘に勝ったためしがない。手は抜かないけど、失敗作になっても、ゆるしてね」

ーああ……。

「他人の人生を弄ぶのってどうしてこんなに楽しいんでしょうかね。そりゃ天才であるおれにいろいろトンチンカンなこと言ってくる奴も絶えないよ。おれが人生につまずいて滑って転んだら、そりゃ愉快だよ。だからやってあげようかなっておもってるんだけど。それにしても不幸や苦しみに比べて、幸福の頻度や上限が低すぎるんじゃないかな。肩ほほ十年とはよくいったもんだ。ほらよく、あるだろ。言語は環境と密接に関わってる、海辺に住む民族は海の色を表す言葉が豊富で云々と。不幸と幸福もそうでしょ。不幸や苦痛を表す日本語なんていくつあるのよ。それに比べて幸せを表すのってのはだいぶ限られてくるんじゃないか? 日本人は不幸を通してしか幸せを感じられないんだよ。というか、よくわからないんだろうね幸せってやつが。おれは夕飯に親子丼食っただけですごく満ち足りた気分になるタチだけども。なんでだろかね。現代に限れば、無宗教だからかな。…ははは。笑」

ーなにひとりで笑ってんですか。

「いやあ、親子丼ってやつはどうしてあんなに人を幸せにさせるのかなってね。鶏にしてみりゃ親子丼以上の不幸もそうそうないはずなんだよ。猟奇的だよ。やっぱり他人の不幸ってのは素晴らしい。笑」

ーうるせえハゲ!




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