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 人気がないビルが怪しげな秘密結社・ガオンダの奴らに

爆発されている映像を見ながら、雅は諦めたのか


 「わ、わかったよ!…… オレが 正義の味方の

ヒーローになれば、良いんだろう!」


 というと背広を着た少年は嬉しそうに微笑みながら


 「じゃあ。これ…… これで君は正義の味方のヒーローに

変身できるから……」


 というと雅にチャンピョンベルトのようなモノを渡すと

雅の周りに被っていた濃い霧と共にその姿を消し去った。

 背広を着た少年からチャンピョンベルトのようなモノを

貰ったものの、


 『ど、どうしよう?……』


 雅は困り、その場に立ち尽くした。

 雅が背広を着た少年からもらったチャンピョンベルトのようなものを

手に持ったまま、その場に呆然と立ち尽くしていると

何処からともなく、背広を着た少年の声が聴こえてきて、


 「早く、そのベルトを腰に巻き、正義の味方に変身をして、

あの悪い者らを退治してくださいよ!」


 と言った。


 『え?……』


 雅は少し驚きながらも、背広を着た少年が言った通りに

チャンピョンベルトのようなものを腰を巻き、


 「へ、変身……」


 恐る恐る、変身の言葉を唱えた。

 背広を着た少年から貰ったチャンピョンベルトのようなものを

腰に巻き、変身の掛け声を唱えると雅の躯は光り出し、

その光に包まれた。


 次の瞬間、その光が消え去ると雅はまるでデパートの屋上で

行われているヒーローショーのヒーローの衣装を身に纏っていた。


 『な、何んだ? これは?……』


 変身した自分の姿に雅が戸惑っていると幼稚園に向かう

幼い子供らが変身した雅を指差しながら


 「ねぇ。ママ…… あの人、あんな格好をして

何をしているの?」


 一緒に歩いている母親に変身し、その場に呆然と

立ち尽くしている雅の事を訊いていた。


 「見ないの!」


 雅のことを母親に尋ねた幼稚園児の母親は

雅のことを冷ややかな目で見ながら、逃げるように

その場から立ち去った。


 『な、何なんだよ……』


 雅が自分に注がれる冷ややかな視線に戸惑っていると


 「早くしないと悪い奴らがまた悪い事をしますよ!」


 また冷たく背広を着た少年の声が聴こえて、雅を急かした。

 変身した自分の姿に恥ずかしく、雅は逃げるように

その場から立ち去った。


 暫く、走っているうちに雅は自分が被っている

フルフェイスのヘルメットの内側にカーナビのようなモノが

付いており、赤丸と赤三角が点滅していた。


 暫く見ていた雅はすぐに赤三角が自分が今いる所だと

わかったが赤丸が何を示しているのかがまるでわからなかった。


 兎に角、何処かに逃げたかった雅はとりあえず、

その赤丸が示している場所に向かった。


 するとそこにはさっき、雅が名刺を貰った

怪しげな秘密結社・ガオンダの者らがいた。


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