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雅に近付いてきた、怪しげな者らのリーダーらしき男は
「見ました?」
恐る恐る、雅にそう尋ねると 雅もちょっと、困った顔をしながら
「ええぇ…… 貴方らはあそこで何をしていたのですか?」
怪しげな者らのリーダーらしき男にそう尋ねると
怪しげな者らのリーダーらしき男は辺りを気にし、
挙動不審げに
「じ、実は…… 私はこういうもので……
あそこで秘密な作戦を行っていて……」
と言い、雅の目の前に”秘密結社・ガオンダ”と
自分の名前や役職のようなものが書かれてある
名刺を差し出した。
「はあぁ…… はい……」
雅も戸惑いながらも、怪しげな者らのリーダーらしき男が
差し出した名刺を受け取った。
秘密結社・ガオンダのリーダーらしき男は
雅に自分の名刺を渡し、雅の顔色を窺いながら
「もし宜しかったら、今、見た事を黙っていてもらえると……」
雅に頭を下げ、お願いをした。
「ええぇ…… まあ。私も会社に出勤する途中ですから……」
関わりあいたくなかった雅は何度か、頷くと
その場から逃げるように立ち去った。
『今日は可笑しな者らに良く遭う日だな?……』
雅がそう思いながら、歩いていると再び、雅の周りが
濃い霧に包まれたかと思うと雅の前に
また、背広を着た少年が現れた。
雅の前に濃い霧と共に現れた背広を着た少年は
呆れた顔で雅のことを見ながら
「なんであんな悪い奴らから親しげに
名刺なんか、貰うかな?……」
と言い、雅がさっき、秘密結社・ガオンダの者らを
率いているリーダーらしき男から貰った名刺を
いつの間にか、雅の手から奪い取り、しげしげと見ていた。
「あっ! それは……」
いつの間にか、自分の手から奪い取られて、
背広を着た少年がさっき、貰った秘密結社・ガオンダを
率いているリーダーらしき男の名刺を見ているのを
呆気に取られた。
「どうするのです?…… あいつらをこのままにして
おくのですか?」
背広を着た少年は雅に秘密結社・ガオンダの奴らを
どうするかを尋ねた。
雅が答えに困っていると
ドーン!……
という、物凄い爆発音が聴こえてきた。
「はじまったなぁ……」
背広の少年はそう言うと濃い霧の一部に爆発音がした所の映像を
映し出した。
その映し出した映像は雅が怪しげな秘密結社・ガオンダの者らを
率いているリーダーらしき男から名刺を貰った、
近くの人気のないビルだった。
その映像には怪しげな秘密結社・ガオンダの者らしき者が
爆音と白煙を上げ、騒ぎになっている野次馬らを見て、
あざけ笑っているものも映っていた。
そんな映像を見ながら、背広を着た少年は
「ああぁ…… 君のせいだ……」
冷たく、雅に言った。