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秘密結社・ガオンダの者らは届いた ダチョウの卵のような
謎の卵を取り込んで見詰めながら
「一体、何でしょうかね? この卵……」
自分らのリーダーらしき男にそう訊いた。
リーダーらしき男は首を傾げながら
「さあなぁ…… 本部に訊いてみるから割るなよ!」
自分の携帯電話を取り出し、本部に電話を掛けた。
数分、本部と話したリーダーらしき男は電話を切ると
送られてきたダチョウの卵のような謎の卵を見詰めながら
「その卵は本部が開発した新たなる怪人の卵だそうだ!
孵化するまで大切に育てるようにだそうだ」
というと秘密結社・ガオンダの者らはがっかりした表情で
卵から距離を置いた。
秘密結社・ガオンダの者らが本部から送られてきた
ダチョウの卵のような新しい怪人の卵に慌てている頃……
絵里と一晩を過ごした雅はホテルのベットの上で目を覚ました。
だが、すでに雅のそばには絵里の姿はなかった。
『帰っちゃったのか……』
雅はそんな事を思いながら一人、家に戻り、玄関の鍵を開け、
家の中に入ろうとするとちょうど、絵里がバイトに出かける為に
家から出てきた。
『あっ……』
お互いに気付いたが雅が絵里に声をかける前に
絵里は恥ずかしそうに顔を赤らめながら、
雅の後ろを走り去っていった。
雅は何だか、悲しい思いで自分の家の中に入った。
その日もやっぱり、秘密結社・ガオンダは街に現れ、悪さをした。
雅は会社が終わり、疲れていたが秘密結社・ガオンダが現れた
場所に向かうとすでに雅と同じようにヒーローショーの
ヒロインのような格好をしている女性は秘密結社・ガオンダらの
怪人や戦闘員らと戦っていた。
「遅れてすみません……」
ヒーローショーのヒーローのような格好をした雅は慌てて、
先に戦っている自分と同じような女性のもとに駆け寄った。
「いえ……」
その女性はヒーローショーのヒーローの格好をしている
雅を見た途端、急に雅に対して、よそよそしくなり、
動きが悪くなり、秘密結社・ガオンダらの戦闘員らの
攻撃を受けるようになった。
「だ、大丈夫ですか?……」
雅がその女性を助けようとすると余計に女性の動きは悪くなった。
雅と同じようなヒーローショーのヒロインの格好をしている
女性の動きが悪く、秘密結社・ガオンダらに
追詰められていると突然、雅らの前に雅と同じヒーローショーの
ヒーローの格好をした男性が現れた。
その男性の手には日本刀のような剣が握られていた。
「見てられないなぁ……」
男性はそう言うと持っている日本刀のような剣で
秘密結社・ガオンダらをなぎ倒していった。
雅らの前に現れた男性の活躍により、
秘密結社・ガオンダらは逃げ去った。
秘密結社・ガオンダらがいなくなると男性は
持っている日本刀のような剣を直すと
「ヒーローさん達よ! もっとしっかり、してくれよ!」
というと雅らの前から立ち去った。




