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『一体、アイツは誰なんだ?』
雅はそう思いながら、ヒーローショーの
ヒーローの格好をしている自分と同じ格好をしている
女性のことを気にしながら、怪しき秘密結社・ガオンダらと
戦っていた。
そんなある日……
雅がいつものようにヒーローショーのヒーローの格好で
同じように格好をしている女性と共に秘密結社・ガオンダらを
追い払った後、雅が帰ろうとすると
「あの……」
と言い、自分と同じような格好をしている女性が
突然、雅に声をかけてきた。
「は、はい…… 何か?……」
雅が慌てながら、話しかけてきた女性にそう言うと
女性は少し戸惑った表情をしながら
「あの…… 私に何か、不満でもあるのですか?」
と雅に訊いてきた。
『え?……』
雅はあまりの突然のことに言葉を失った。
雅は突然、自分に不満そうに話しかけてきた
ヒーローショーのヒロインのような格好の女性に
戸惑いながらも
「いや…… 別に不満はないですけど……」
と言うとヒロインの格好をしている女性は
少し苛立ちながら
「けど…… なんですか?……」
喧嘩口調で雅に言った。
雅は恐縮しながら
「……いきなり、今日から仲間だと言っても
私は貴方の事を何も知りませんし……
どう接して良いのかと……」
女性に言うと女性はハッと我に返ったのか、
「ご、ごめんなさい! そ、そうですよね……
いきなり、仲間だと言っても困りますよね」
少し気落ちし、肩を落としながら、雅の前から
哀しげに立ち去った。
がっかりし、帰っていたヒーローショーの
ヒロインの格好をしている女性のことを
雅を気にしながら、いつものように自分の
部屋の前までやって来るとちょうど、バイトから
帰ってきたのか、絵里が気落ちしたように
がっくりと肩を落とし、 元気なく、雅の前に現れた。
雅は元気なく、自分の前から帰っていった
ヒーローショーのヒロインの格好をした女性と元気なく、
自分の前に現れた絵里が重なり、
「どうかしたの?……」
絵里に声をかけると絵里は一瞬、雅のことを見ると
再び力なく、肩を落とすと
「ちょっと、ミスをしちゃって……」
元気なさそうな声でそう言った。
元気なく、自分の部屋の方へと歩いていく
絵里の後ろ姿を見て、何だかほっとけなくなった雅は
「あ、あの…… もし、時間があるなら、
私と何処か、遊びに行きませんか?」
ダメもとで絵里に声をかけた。
『え?……』
絵里は驚いた顔で雅のことを見詰めると
雅はハッとし、自分がまずい事を言ったと気付き、
「ご、ごめんなさい! め、迷惑ですよね。
忘れてください」
と言い、慌てて、自分の部屋の中に入ろうとすると
「わ、私で良いのですか?……」
絵里は慌てて、雅に声をかけてきた。
雅は驚きながらも、絵里の手を掴み、走り出していた。




