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はじめは断っていた雅だったが手早く、夕食を作った
絵里に断りきれず、雅は絵里の部屋で夕食を頂いた。
あまりの絵里の作った夕食の美味しさに雅は
ついつい、食が進み、いつしか、絵里に進められた
ビールによって、絵里の部屋で眠ってしまった。
『こんな幸せな時間がずっと、続けば良いのに……』
雅が夢の中でそう思っていると雅はいつものように
戦いの呼び出しによって、現実に引き戻され、起こされた。
雅は慌てながら、
「ごめんなさい。寝ちゃったみたいで……
もう帰りますね!」
キッチンで後片付けの洗い物をしている絵里に
そう言うと慌てて、絵里の部屋から立ち去った。
『またかよ!……』
幸せな時間から急に現実の世界に引き戻された
雅は独り言のようにそう呟きながらも、いつものように
ヒーローショーのヒーローのような格好に変身すると
秘密結社・ガオンダが現れた場所へと向かった。
だが、今日の雅は様子が可笑しかった。
秘密結社・ガオンダの戦闘員らと戦っていても
絵里の姿が過ぎり、全然、戦いに集中が出来ず、
秘密結社・ガオンダに追詰められ、倒されそうになった時……
「ま、待ちなさい! 私が相手をするわ!」
と言う声と共に近くの少し高い所にヒーローショーの
ヒロインの格好をした女性が立っていた。
秘密結社・ガオンダの戦闘員らを率いている怪人らしき者は
突然、自分らの前に現れたヒーローショーのヒロインのような格好をした
女性に
「き、貴様は何者だ!……」
と言った。
ヒーローショーのヒロインのような格好をして、
秘密結社・ガオンダらより高い位置に立ち、彼を見下ろすように
見ている女性は
「私が悪いあなた達を退治します!」
と言うとヒーローショーのヒーローの格好をしている
雅の前に舞い降りると目の前にいる秘密結社・ガオンダの
戦闘員と怪人に向かって、戦闘ポーズを取り、
「かかってらっしゃい!」
と言い、秘密結社・ガオンダらを挑発をした。
「くぅ…… なめやがって!……」
怒った秘密結社・ガオンダの戦闘員と怪人は
ヒーローショーのヒロインの格好をしている
女性に向かって、襲い掛かった。
だが、ヒーローショーのヒロインの格好をしている
女性はまるでダンスを踊るかのように華麗に舞うように
秘密結社・ガオンダの戦闘員を倒していった。
ヒーローショーのヒロインのような格好をしている
女性によって、戦闘員らをすべて倒され、自分一人になった
秘密結社・ガオンダの怪人は
「お、覚えていろよ!」
と言い、倒された戦闘員らを引き連れ、逃げるように
ヒーローショーのヒロインのような格好をしている
女性の前から立ち去った。
完全に秘密結社・ガオンダらがいなくなったのを
確認したヒーローショーのヒロインのような格好をしている
女性は自分の後ろにいる自分と同じようなヒーローショーの
ヒーローのような格好をしている雅に
「だ、大丈夫ですか?……」
と声をかけた。
突然のことに雅が呆気に取られながら、
「ええぇ……」
と頷くとバイクのフルフェイスのヘルメットのような
マスクで顔が覆われていて、表情まではわからなかったが
明らかにヒーローショーのヒロインのような格好をしている
女性は雅に優しく微笑みながら
「わたしは本部より派遣された、これから貴方と
一緒に悪と戦う仲間です!」
と雅に言ってきた。




