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エピローグ

 エピローグ



 空もすっかり青に支配され黒色が淵を取る程度になっていた。

 バイクと自動車が一つの建物の前に止まった直後自動車の中から飛び出し、建物に入る。それに続いてもう一人が降りる。バイクの二人はガレージへと向かう。自動車の運転手は一仕事終えたとばかりに煙草に火を付けふかす。バイクを置き終えた二人が入り口へと戻る。

「じゃあ俺はもう戻るぜ、じゃあな」

 煙草を掴んだままの右手を軽く上げる。

「ああ、助かった」

 軽く礼を言い、それを受け取った車が動き出し、角を曲がり姿が見えなくなる。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「真央!」

 部屋に入るや否や真希が大きな声を上げる。

「! お姉ぇ!? お姉ぇ! 無事だったのね、よかった、本当によかった」

 声を上げるとほぼ同時に真希の胸に飛び込み、喜びや驚き、安堵などが混じった声を出していた。

「よかった、本当によかった、ずっと心配していたんだから、ずっと待っていたんだからね」

 涙目になり潤んだ瞳で真希を見つめる。

「私はなんともないから、ほら、泣き止みなさい」

 真央ちゃんと同じ目線になり、笑顔を向け、頭を撫でる。

「うん、わかった」

 そういってから袖口で目を擦り涙を拭い、笑顔を見せる。

 それを一足をくれて入って来た創真が見ていた。

(普段は本当にしっかりしているけれど、やっぱり小学生だな)

 創真がそこにいることに気付いた真央ちゃんが創真のほうへと向き直る。

「お姉ぇを助けてくれてありがとうございます」

 そして、深く頭をさげる。

「どういたしまして。ほら、もう頭上げて」

(こんな時だってのに本当にしっかりしてるな)

「助けたのは俺一人じゃないしさ、それに俺がこうしたかっただけだからそんなに感謝しなくていいよ」

(一方的に感謝されるとなんかてれるしな)

「いや、でも・・・」

 真央ちゃんが納得しきれない表情でいる。

「ほら、そんなに気にしなくって良いって創真が言ってるんだからそれでいいでしょ」

「うん、そうだね」

 渋々納得してくれた。

「真希もたまにはいいフォローするんだな」

「ん? アンタ、今なんか言った」

(やべぇ、思わず声に出してた)

「いえ、気のせいだと思います」

「いや、なんか言った」

 こっちに真希の視線がビンビン来ているが怖くて視線を合わせられない。そして、気配が着実に近づいて来る。

「もう、お姉ぇったら帰ってきたと思ったらすぐにお兄ぃといちゃついちゃって」

 安堵の涙を拭いながら。

(おっ、いつもの真央ちゃんに戻ってきた)

「だから誰がいちゃついて、あーもう」

「がっ」

 イラついた真希が俺の事を殴りました。なんで避けなかったと訊かれたら恐怖で動けなかったからです。

 そして腹を抱えてしゃがみこむ創真。と、そこに。

「真央ちゃーん!」

「流深ちゃーん」

 二人が駆け寄って抱き合う。

 どこかで見たような風景がながれる。

「ただいまです!」

「おかえりなさ。怪我してない?」

「はい! 大丈夫です!」

「ならよかった」

 安堵のため息を漏らす。

「みんなそろったのでパーティーの続きをやるです!」

「え、うん、そうだね」

 一瞬戸惑うが肯定。

「ああ、そうしろ」

 流深ちゃんに遅れてきた恵理奈さんも肯定。ということは。

「じゃあ、続きをやりましょう」

「おう、そうだな」

 恵理奈さんの許しが出たので皆で地下へと戻る。

 そして今、中断されていたパーティーが再開される。

 誘拐なんていう惨事があったことを忘れるほどに楽しいパーティーが。





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