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1.小説

 かつて天界は火、水、風、そして光、闇の族に分かれていた。それぞれがお互いに干渉せず、平和に過ごしていたかのように見えていた。私がいる水の地域でも桜が満ちていて煌めく水も流れており、それは美しいものであった。小さな争いはあったものの、それらはすぐに解決し、平和が乱れることはなかった。


 それは二百年前までの話。


 目の前にある、今の景色はどうだろう。

 鮮やかだった風景は焼き尽くされ、ほぼ茶色一色の風景に。境界線も消え、日々醜い争いが繰り広げられていた。


 そんな中、悪魔界の妖怪達も天界に忍び込み悪さをするようになった……。



***


 生徒会室の水谷の机に置いてあったタブレットを今、学園の姫的な存在であり、生徒会会長でもある月影とソファで座りながら読んでいた。


「俺の机の中にタブレットがある。先日考えたこの学園の問題点をまとめてあるファイルが中にあるから、読んどいてくれ。パスワードは……」と、風邪を引いて学園を休んだ水谷から月影宛に連絡があった。


 ファイルを開こうとしていた月影が『火水夢幻~千年越えて今再び』と書いてある謎のファイルを見つけ、開いてしまったのだ。


 ちなみにそのファイルには途中まで書かれている小説が入っていた。ストーリーの簡単なあらすじはこうだ。


 天界で分かれている、火、水、風、そして光と闇の中にはそれぞれイケメンな人物がいて、荒れていた天界を再び統一していく物語。

 

「火野くん、これって水谷くんが書いたお話かな? 出ているイケメンって、明らかに僕たちがモデルになっているよね?」

「だな……」

「冒頭のナレーションっぽいとこなんて、なんか水谷くんの声が聞こえてきそうだよね」

「うん、なんか分かる」 


 うちの学園の生徒会は5人いる。今俺の隣にいるのは、姫的な存在で可愛く、おっとりしている会長、月影。この小説を書いたのは、クールな見た目で冷静すぎて冷めてる副会長、水谷。あとは通るだけで爽やかな空気になる書記の風間、明るく王子のような会計の金城。そしてもうひとりの副会長の俺、火野だ。


 この今見ているストーリー、月影だと思われるイケメンは、内気で周りに可愛がられ、見た目も可愛い闇のイケメン。この物語を書いた水谷は水のイケメンで、クールで、あちこち分析して上手くまとめてる。風間は爽やかな風のイメケンか。まだ活躍のシーンはない。金城は周りを明るくする光のイケメンでモテモテ。


 そして俺だと思われる火のイケメンは、問題児だった。


「俺のこと嫌いだからって、問題児役とか……まぁ、こんなにイケメンが登場するなら、そんな役も必要か?」


 俺はタブレットを見るのを辞めたけど、月影はひとりで素早くスクロールしながら見続けている。

  

「嫌いなのかなぁ?」


 月影は首をかしげた。


「多分、だって普段からウザがられてるっぽいぞ俺」


「そうなのかなぁ……でもこの水と火のふたりの関係って……」


 月影はもう一度首をかしげた。

 

「そうだきっと。とりあえず、これは見なかったことにしといた方がよさそうだな……月影、見たの内緒な?」

「うん、分かった」


 うなずくと同時に、月影は、つぶらな瞳をぱちぱちさせた。可愛いな――。


「あれだ、本来の目的、学園の問題点のファイルを開こうか」

「そうだね」

 

 ***


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