脱出
僕と他の人質だった人たちは雪さんについて行った。道中で敵に襲われるが全部雪さんが一撃で倒していく。
「ねえ東也君。」
「はい。」
「なんで脱出できなかったの?敵が多いとは言え他の人たちと協力したら逃げられたと思うんだけど。」
「それが…人質の中にも敵が紛れているらしくて、あと敵の中に能力を使えなくする能力者もいるらしいんです。」
「それは誰から聞いたの?」
「近くにいた女性から聞きました。」
「そう…まあいいや。さっさと出ようか。もうそろそろ出口だよ。」
そして階段を上っていき上の扉を開くと日光が差し込んでくる。人質だった人たちは歓喜の声を上げている。俺は1日だったが中には1週間以上誘拐されていた人もいたはず。そりゃ嬉しがるに決まっている。そんな中一つの声が聞こえる。
「速いね。私が着く前に解決してるなんて。」
その声の方を見ると美咲さんがいた。
「数人怪しい人間を捕まえて情報を聞き出していったんだけど、まさか私より先に雪さんの方が解決してるとは思いませんでしたよ。」
「あなたが本気を出したら一瞬だったでしょ?」
「まあそうかもだけど…本気を出すのは嫌なんだよね。それに毎回本気出していたら面白くないでしょ?」
「僕の住んでいた場所は本気を出さないと死ぬような場所だったのでその感覚はわかりません。」
「そうですか…まあいいや。まず人質だった皆さんにはこの後来る警察の事情聴取に協力してもらいます。再び同じ被害を出さないようにする協力になる可能性があります。協力お願いしますね。もちろん東也君もね。」
「はい…」
その後僕たちは警察に連れられて警察署で事情聴取を受けた。
……
事情聴取は夜まで続いた。誘拐されていた人の人数はかなりの大人数だったため相当時間がかかったのだろう。俺が事情聴取を終えて警察署を出るとそこには雪さんと美咲さん、そして
「東也!大丈夫だった?心配したんだよ!」
凛がいた。
「大丈夫だよ。怪我もないし、なんも問題はないよ。」
「それならよかった…」
「てか凛、こんな時間まで俺のことを待ってたのか?」
「当たり前でしょ!東也は私の幼馴染なんだから!」
「そうかい…てかもう夜遅いし家まで送るよ。」
「でも、あっちの2人は知り合いじゃないの?」
「あ…」
普通に頭から離れていた。どうするべきか…
「大丈夫だよ。僕たちは強いし夜道も安心、安全。そっちの女の子を護る方が合理的だと僕は思うよ。」
「そうですか…わかりました。それじゃあ送るよ。」
「うん。」
そして僕と凛は凛の家に向かって歩いた。
……
「さて僕は帰ろうかな。」
「待ってください。」
僕が帰ろうとしたら美咲さんに止められる。
「今回解放された人たちの人数と行方不明者数が合いません。数人程度なら口封じに殺された可能性がありますが数十人単位です。これは他にも拠点があると考えた方がいい。」
「僕の目的は東也君の救出です。そしてその目的は達成された。僕が協力する理由もなくなったと思いますが?」
「あなたが無能力者だとばらしますよ?」
「今回の事件は警察ですら解決に時間がかかっていた。そんな事件を無能力者が解決できるはずがないでしょう?」
「いるじゃないですか、ここに。」
「それは美咲さんが僕が無能力者であることを知っているからです。知らない人からしたら僕は身体強化系の能力者と思われる可能性が高い。そうなるとばらしたところで信じてもらえないのでは?それにバレたところで僕は返り討ちにしていきますので大丈夫ですよ。」
「はあ…どうしても協力はしてもらえないんですか?」
「僕の周りに被害がないうちは協力はないですね。」
「…もし今回の組織が前回の無能力者爆散の事件と関係性があるとしたらどうですか?」
「どうしてそう思うのですか?」
「時期的にあり得ない話ではない。それにさっきあなたから聞いた情報から私への対策はしているとのことなので大きく動いても問題ないと考えた可能性が高い。」
「そうですね。無能力者を爆散させたのは美咲さんをおびき寄せるためのに起こした可能性もありますね。あの学校に美咲さんが行っていた情報はきっと容易に入手できたはずですし。でもそれが事実でも僕には何の影響もないですよ。」
「一つ目の事件は無能力者を使っていた。無能力者区域に能力者が入れば雪さんは気づいたはずです。なのに無能力者が使われたということは無能力者に紛れている可能性が高い。そうなると次に狙われるのは今回の事件を解決した雪さんを狙う可能性がある。無能力者区域で雪さんのことを聞いてみましたがかなり有名なのが分かりました。犯人が本当に無能力者に紛れていたら雪さんが無能力者であることも知っているはずです。私より倒すのが簡単そうな雪さんを先に襲う可能性は充分にあり得ます。」
「一理ありますね。僕は美咲さんと違って無能力者だ。本当にバレていたら倒しやすい僕から襲うでしょう…わかりました。協力します。ですが自分に被害を及ぼすと感じた瞬間のみです。」
「それで大丈夫です。ありがとうございます。それではまた。」
「はい。」
そして僕と美咲さんはわかれた。この事件が100年前の事件並になる。そのことをこの時の僕たちは気づいていなかった




