誘拐
相手の1人が突っ込んでくる。俺はタイミングを合わせて蹴りを放つ。蹴りを食らった相手はその場に倒れこむ。残りの2人は弾幕を張って攻撃してくる。
(弾幕を張れるってことは身体強化系じゃないな…魔法系か?)
俺は相手の攻撃を避けながら思考する。それにイラついたのか弾幕の量が増える。
(終わらせるか)
俺は弾幕の間を通りながら相手との距離を詰める。それを見て相手は逃げようとするがもう遅い。俺は逃げようとしている相手2人の背中に重い一撃を放った。二人ともその場に気絶する。
「さて、どうするか…まずは警察に連絡だな。」
俺はスマホを取り出し警察に連絡しようとした。その瞬間首に衝撃が走り俺は気絶した。
……
目を覚ますとそこはシェルターのような場所だった。中には俺以外にも大量の人がいた。
(クソ…油断した…あんなに気配を消すのが上手い奴が隠れているとは思ってなかった…というかここはどこだ…)
俺がそんなことを考えていると近くの女性から話しかけられる。
「起きたのね。大丈夫?」
「あ、はい。大丈夫です…あなたは誰ですか?あとここはどこですか?」
「私は牧野優香。私もここがなんなのかはわからないわ。」
「俺は神崎東也です。優香さんはどうしてここに?」
「誘拐よ。家に帰ってる途中で襲われて、気が付いたらここだったわ。」
「そうですか…というかこんなに人がいるなら力を合わせれば逃げられそうですが…」
「無理よ。あそこに立っている男性が見える?」
そういいながら優香さんは一人の男性を指差す。
「はい。あの人がどうしたんですか?」
「彼の能力でここにいる全員が能力が使えないのよ。しかも他にも周りの人に紛れて彼の仲間が潜伏している可能性もある…だから誰も逃げようとしてないのよ。食料は定期的に運ばれてくるしトイレも言えば連れて行ってもらえるわ。だから死ぬことはない。」
「死ぬことはないけど逃げれもしないということですか…」
「そう言うことね。」
(これは俺じゃ何もできそうにない…力があると言っても多人数で来られたら対処できないし…これは外からの救出を待つしかないか…)
……
僕はいつも通り東也君が来るのを待っていた。だが時間になっても東也君は来ない。
(学校で何かあったのかな?昨日の事件も学校の近くっぽかったし)
僕がそんなことを考えていると1人の女性がこちらに歩いてきた。
「何の用ですか?美咲さん。」
「こんにちは雪さん。今日は少し協力をしてほしいことがありまして。」
「僕に関係のあることならいいですよ。」
「少しは関係あると思います。」
「そうですか…で、何ですか?」
「昨日の夜から東也君が行方不明になっています。」
「本当ですか?」
「本当です。家にも帰ってきていないそうです。」
「でもそれだけじゃ僕が協力できそうなことはないですが…」
「これだけならそうです。でも今回の事件は他の場所でも起きているんです。行方不明者数はすでに100人を超えています。」
「そんなに多かったらさすがに警察が少しは情報を手に入れて解決に動いていると思いますが?」
「それが相手の能力者の隠蔽能力が高く、証拠をつかめていないんです。しかも捕まっている能力者の中には強い能力者がいるはずなのに脱出ができていないんです。そのため警察も動くに動けない状態なんです。相手の目的も戦力も分からない状態では警察は中々動いてもらえない。だからあなたに協力してほしくて来たんです。」
「…わかりました。全力で協力します。ですが僕は無能力者です。もしそれがバレたら僕は協力できなくなります。それでも大丈夫ですよね?」
「はい。大丈夫です。」
「それじゃあ行きましょうか。能力者区域に。」
そして僕と美咲さんは能力者区域に向かって歩いて行った。




