事件
俺と雪さん、美咲さんが爆発音のした場所に着くとそこにはすでに警察が到着して周りの人に事情聴取をしていた。すると警察官の1人がこちらに気づいて近寄ってくる。
「乱堂美咲さんですよね?」
「はい。そうですよ。」
「どうしてここにいるんですか?」
「知り合いの2人と散歩をしていたら爆発音が聞こえてここに来ました。」
「そう言うことですか。で、そちらのお二人が知り合いの方ですかね?」
「そうです。それより、ここで何があったんですか?」
「普通は言ってはダメなんですが…まあ美咲さんとその知り合いの方なら大丈夫でしょう。なんでも一人の男性がこの場で爆散したらしいんです。」
「それならただの自殺では?」
「最初は自分もそう思ったんですが、自殺にしてはいろいろおかしい点が出てきてまして…まず死んだ男性、名前はこの場では出せないんですけど、その男性は無能力者だったんです。」
「!?」
無能力者は普通無能力者区域から出てこない。理由としては無能力者は能力者に勝てないため人権を侵害される可能性が高いからだ。そのため能力者が無能力者区域に入ることは禁じられているのだが…その無能力者がわざわざ能力者区域に入ってくること自体おかしいのだ。
「しかも爆弾などを使った痕跡がないことからなんらかの能力が関係していると考えられています。」
(無能力者の爆散…能力者によるもの…)
俺がそんなことを考えていると口を開いたのは雪さんだった。
「それなら犯人は最低でも2人はいるでしょうね。」
「!?…なんでそう思ったんですか?」
警察官は雪さんの声に驚きながらもそう問う。
「人を操る能力者と人を爆散させる能力者の2人の可能性が高いと思っただけです。しかも発動条件も付いているはず。しかもかなりめんどくさい系の条件だと思いますよ。」
「?」
「まず条件なしでできるなら犯人はすでに大量に虐殺をしているはず。それをしていないってことは何かしらの目的があるのか、もしくは能力発動に条件がついているのか。目的があるのなら無能力者を殺す理由が分からない。もし練習台だったとするなら無能力者区域でやったほうが大げさにはならないはずです。なら能力発動に条件がある方が可能性が高いです。いろいろ考えられますが人を操る方の能力に条件があるとするなら対象の人物が自分より弱いとかの可能性が高いと思いますよ。」
「なんでそう思うんですか?」
「経験です。それじゃあ僕は帰りますね。」
そう言って帰ろうとした雪さんを警察官が止める。
「あなたの能力は何ですか?」
(まずい!雪さんは無能力者だ。美咲さんと互角に戦えたとは言え無能力者には変わらない!)
そして俺が焦っていると…
「僕の能力は相手から物を奪う能力ですよ。ほら。」
雪さんの手元には警察官の持っていた拳銃があった。
「な!」
「そんなに焦らなくても返しますよ。」
そう言って雪さんは警察官に拳銃を返す。
「で、質問は以上ですか?」
「はい。足を止めさせてしまいすみませんでした。」
「大丈夫ですよ。で、東也君と美咲さんはこれからどうするの?」
「俺も家にいったん帰ります。」
「私はもう少しここにいようかな。」
「わかった。それじゃあね。」
「はい。また明日。」
雪さんが帰ったあと俺も家に帰る。帰っていると後ろから気配を感じだした。
(2人かな?いや3かな。半年前の俺なら気づかなかっただろうな。)
そう思いながら後ろを振り向く。
「俺をつけて、何の用?」
俺がそう問うと電柱や曲がり角から合計3人出てくる。フードを深くかぶっており顔は見えない。
(身長や体格を見る限り全員男性かな。年齢は俺より数個上程度ぐらいか?)
「お前は乱堂美咲と知り合いと聞いた。だからお前を捕らえて乱堂美咲を脅す材料にさせてもらう。お前について少し調べたが学園では最弱と言われているらしいな。お前に勝ち目はない。痛い目にあいたくなかったら大人しくすることだな。」
「それはこっちのセリフだ。」
俺は戦闘態勢に入る。
「痛い目にあいたくなかったら大人しくこの場から消え去って悪事はやめることだな。」




