最強と最強
その後はいつも通りの授業が始まりそして終わった。俺は学校から直で雪さんのもとに向かおうとしていた。俺が学校から出ようとしていたら後ろから声をかけられた。
「君!どこに行くんだい?」
俺が声の方を振り向くとそこには美咲さんがいた。
「師匠のところに行くだけですよ。」
「そうかい。私もついて行っていいかい?」
「…いいですよ。ですが師匠のことは他言無用でお願いします。」
「わかってるよ。その人は無能力者なんだろ?」
「!?なんでそれを…」
「私の能力を使えば簡単さ。まあいいや。行こうか。」
そして俺と美咲さんは一緒に雪さんのもとに歩いて行った。
……
俺と美咲さんは無能力者区域に入り、数分歩いていた。そしていつも修行している空き地に着いた。そこにはすでに雪さんが立っていた。
「東也君。君の横の女性は誰かな?」
「この人は乱堂美咲さんです。」
「乱堂美咲…有名な最強能力者か。初めまして、僕は柳雪。それでその最強さんが何の用ですか?」
「ちょっと彼の師匠とやらに興味が沸いてね。まあ一番の理由は過去に私のことを助けてくれた人と同じ名前だったからなんだけどね。」
「そうですか。見ていてもつまらないと思いますよ?」
「じゃあ私と一戦やろうよ。」
美咲さんがそう言うと雪さんは一瞬黙る。そして口を開く。
「いいですよ。じゃあ東也君は離れて見ててね。見ることも大切だ。離れ終わったら開始の合図出してね」
「はい。わかりました。」
俺は2人から離れる。ある程度の距離を開けて振り返ると二人とも戦闘態勢に入っていた。雪さんは俺が見た中で一番集中している。美咲さんも朝の時の比じゃないレベルで集中している。そんな中俺は開始の合図を出す。
「はじめ!」
俺がそう言った瞬間二人の姿が消える。否。消えたように錯覚した。速すぎて俺の目では終えなかったのだ。俺は2人の試合を見ることに集中する。少しだけ見えてくる。雪さんが蹴りを放つ。美咲さんはそれを避けカウンターを放つ。雪さんは蹴りの時の軸足から力を抜き倒れるような形で避ける。そして避けた瞬間すぐ立ち上がり体勢を整えるために距離を取る。それを見逃すまいと美咲さんは距離を縮めに行く。雪さんはそれを読んでいたのか砂を蹴り上げ煙幕のように使う。美咲さんが目を閉じた一瞬に合わせて殴りに行く。美咲さんはそれすら避ける。
(見えてないのにどうやって避けているんだ!?)
俺は驚きながらもその試合を見続ける。美咲さんは雪さんの腕をつかみながら腹に向けて蹴りを放つ。雪さんは両足で地面を蹴り飛ぶ。跳んだ雪さんは美咲さんの肩を軸に反対に回る。美咲さんがその手を離そうとした瞬間、逆に雪さんが美咲さんの腕をつかみ動きを制限する。そのまま腕をつかんだ状態で雪さんは美咲さんに足を引っかけて転ばす。後ろからの攻撃だったため美咲さんは反応しきれずそのまま倒れる。雪さんはつかんだ腕を美咲さんの背中に当て、もう片方の腕もつかむ。決着がついたと思った瞬間…雪さんが急に吹っ飛ぶ。雪さんは空中で一回転して着地する。だがさっきの衝撃でつかんでいた腕を離してしまっていた。
「うーん。能力を使うつもりはなかったんだけどね。このままじゃ負けそうだしね。本気で行かせてもらうよ。」
「こっちも本気で行くよ。」
両者が近づくために足に力を入れた瞬間…ドーンと遠くで何かが爆発した音が響き渡る。かなりの音だった。二人は戦いをやめる。
「この爆発音は?」
「十中八九能力者によるものだろうね。しかも爆発音の方角的に聖堂学園の近く…」
「どうしようかな…僕は能力者の区域には入れないし…」
「何言ってるんだい?本気じゃないとは言え私と張り合ったんだ。能力者と言ってもみんな信じるよ。というか急ごうか。」
「東也君も行くよ。実践と行こうか。」
「はい!」
そして俺と雪さんと美咲さんは爆発音のした方向に向かって走っていった。




