最強能力者
HR後俺たちは体育館に向かっていた。俺たちが体育館に入ると中には一人の女性が立っていた。その女性を見た瞬間鳥肌が立つ。女性はこちらに気づいたのかこっちに近づいてくる。
「初めまして。私が乱堂美咲。最強の能力者よ。」
(この人が最強の能力者!)
「今日は君たちを鍛えるために来たわ。まあ鍛えるって言ってもただの模擬戦だけどね。」
「よし、全員戦闘態勢に入れ。この模擬戦は美咲さん対Cクラス生徒全員だ。協力しろよ。」
担任がそう声をかけてくる。それを聞いた瞬間全員が戦闘態勢に入る。美咲さんは見た感じはただ立っているように見える。
「それでははじめ!」
その合図とともに全員が美咲さんに突っ込んで行く。その瞬間、半数以上が気絶した。
(何が起きたんだ!?)
「ふーん、結構残ったね。私の予想じゃもう少し減ると思ってたんだけどなぁ。」
「クソがぁ!」
クラスメイトの1人が木刀で殴りにかかる。美咲さんは軽々それを避け、カウンターで腹に一発入れる。そしてクラスメイトの男は気絶した。それを見たほとんどが戦意を喪失していた。
「ありゃりゃ、これじゃあ模擬戦にならないね。やめとく?」
その言葉に残ったクラスメイトは頷く。
「そっか。じゃあおわろ…」
美咲さんがそう言いかけた瞬間俺は一気に距離を詰めて蹴りを放つ。完璧に不意を突いたと思ったがそれを寸でのところで回避する。
「化け物ですか…」
「はは、凄いね。さっきの蹴りの速さ。」
「まだまだここからですよ…」
俺は木刀を構える。
(集中しろ…雪さんの教えを思い出せ)
……
「君ねぇ。これのままじゃ自分より格上に勝てないよ?」
「格上には普通勝てないんじゃないんですか?」
「格上でも勝つ。それぐらいの勢いで行かないと。勝つために手段を選べるのは最強だけ。弱者は勝ち方を選んでる暇はない。卑怯でも卑劣でも勝たないと意味がない。例えそれが…」
……
(例えそれが自分の望んだ倒し方じゃなくても…)
俺は地面を蹴り距離を詰める。それに合わせて美咲さんが蹴りを放つ。俺はそれを軽く避ける。
(速さだけなら雪さんの方が上だ。全然目で追えるレベルだ)
俺はその蹴りを避けてカウンタで木刀を振るう。美咲さんはそれを避ける。避けた瞬間、俺は後ろに隠していたナイフを投げる。殺傷能力はないので安全だ。だがその攻撃すら避ける。だがナイフは予想外だったらしく体勢が崩れる。俺はその隙を逃すまいと木刀を再び振るう。その瞬間、俺は蹴りを食らっていた。
「がはッ…」
(見えなかった…雪さんと同じレベルの速さ…下手したらそれ以上…)
「凄いね君は!まさかあそこまで追い込むなんてね。」
そう言いながら美咲さんは倒れこんでいる俺に近づいてくる。
「追い込まれてなんかいないでしょ…」
「まあそうだけど、ナイフを避けたときに体勢が崩れたのはわざとじゃないよ。本当に驚いて体勢が崩れた。体勢を崩されるとは思わなかったよ。」
「最強にそこまで言ってもらえるなんて光栄です…」
「その技術は誰に教わったの?」
「…」
「自分で身に着けたものじゃないでしょ?君のことはある程度調べてある。まあ君だけじゃなくこの学校の生徒すべてだけどね。そして君は最弱と言われていた。なのに何故あんなに強くなったんだい?」
「…師匠に教えてもらったので…」
「師匠か…名前は?」
(いってもいいのか?)
俺は一瞬迷ったが答える。
「柳雪…無能力者ですよ。」
その名前を聞いた瞬間美咲さんが固まる。
「柳…雪?本当なの?本当にそう名乗ったの?」
「…?はい。」
「その人はどこにいるの?」
「無能力者区域にいると思いますが…」
「ありがとう。それじゃあもう誰も戦えなさそうだし、もう終わろうか。いい経験になったでしょ?私と戦える機会なんて早々ないよ。」
(戦いというより蹂躙だったような気がするけど…)
俺はそう思いながら気絶する。




