最強
「は?」
目の前の女性?はそう言う。
「何言ってんの?」
「俺は能力者の中でも最弱です。あなたは今まで沢山の能力者を殺してきたはず。俺はそんなことできない…お願いです。俺を鍛えてください。」
「…」
少しの静寂が訪れる。その後女性?が質問してくる。
「君は何を目的として強くなるんだい?復讐?有名になるため?」
俺はその質問に対して
「俺には大切な友達がいます。でも俺が弱いせいであいつにずっと心配をかけさせている。俺はそれが嫌です。だがら俺が強くなりたい理由はあいつに心配をかけさせないためです。」
「友達のためか…いいね。気に入ったよ。僕が君を鍛えてあげるよ。」
「!ありがとうございます!」
……
それから俺は女性?から連れられながら歩いていた。その間にいろいろ聞いた。彼女…ではなく彼は男性で名前は柳雪、年齢は俺と同い年の17歳だった。無能力者の中では最強と言われているらしい。そんな質問をしながら歩いていると空き地のような場所に着いた。
「さて、ここで修行を始めるよ。」
「はい!」
「まず、君の能力は何かな?」
「俺の能力はありとあらゆる結果を見る能力です。」
「そうかい…どんな能力なんだい?」
そして俺は自分の能力を雪さんに言う。
「…って感じです。」
「ふーん。聞くだけだとかなり強いけどね。君に足りないのはその結果を変えられるほどの身体能力ってことだね。」
「はい…」
そう。俺が一番手に入れたいのは未来を変えられるほどの身体能力だ。
「それじゃあ修行を始めようか。まずはこの木刀持って。」
そして雪さんは俺に木刀を渡してくる。普通の木刀だ。俺がそれを持つと雪さんは戦闘態勢に入る。
「まずは君の現在地点を測ろうか。」
「!はい…」
俺も戦闘態勢に入る。俺は剣術を習ったこともない。だが周りの奴らの見様見真似で構える。
「じゃあ行くよ。」
雪さんがそう言った瞬間俺の視界から雪さんの姿が消え俺の腹に痛みが走り目の前が暗転する。
……
その後俺は目を覚ました。
「お、やっと起きたね。」
「はい…力の差があることは知っていましたがここまでとは…で結果はどうですか?」
「そうだね…僕基準だと雑魚だね。」
「うっ…」
その言葉が俺に突き刺さる。
「最低でもさっきの僕の動きは見えるようにならないと。」
「そうは言われても…」
「言い訳はなしだよ。もし僕が君を殺す気なら殺せた。殺された後なら言い訳なんてできないよ。」
「わかりました。」
「うん。それじゃあまずは軽く木刀を触れるようになろうか。」
「はい!」
そして地獄の日々が始まった。毎日ランニング30キロ、腹筋30回スクワット30回腕立て伏せ30回を5セット、素振り5000回、そして雪さんとの模擬戦、初日は30キロ走った時点で限界だったが初めて2か月経ったときにはある程度は出来るようになっていた。だがこの中で一番の地獄は模擬戦だ。雪さんは手加減をしてくれているがそれでも一回も攻撃を当てられていないのだ。逆に雪さんの攻撃は毎日50回以上は食らっている。そんな修行を始めて半年が経っていた。この半年俺は学校に行っていない。学校には半年来れないことは伝えていたため普通に休めた。それに聖堂学園は登校日数はそこまで卒業に関係していない。一番必要なのは強さ。昔起きた事件によりこの国の人口は世界でも一位二位を争うレベルで少ないのだ。そのため周りの国から目をつけられている。その対策のためにこの国は強い人間を鍛えていく方針を取っているのだ。だから無能力者は端に追いやられ、弱い能力者を助ける人間はほとんどいない。
(久々の学校だな)
俺は久しぶりに自分のクラスの教室に入る。すると周りの奴らに見られ教室が少し騒がしくなる。
(うるさいな…)
俺がそう思っていると1人俺に近づいてきた。
「おい、ごみクズ。」
声をかけてきたのはいつも俺をいじめていた奴だった。
「あ?」
俺がそう返事すると相手はイラつきだす。
「なんだ?その返事は?見ない間に偉そうになったなぁ?もう一回痛い目に合わせてやるよ!」
そう言って俺に殴りかかってくる。俺はそれを軽く避け相手のみぞおちを殴る。相手は腹を抑えながらその場に倒れこむ。そしてHRのチャイムがなり担任が入ってくる。
「おい、全員席に着け。」
担任がそう言うと全員席に座る。俺が殴ったやつも腹を抑えながら席に座る。
「今日は最強能力者で有名な乱堂美咲さんが来られる。全員失礼のないようにな!それじゃあHRを始める。」
乱堂美咲。この国最強の能力者だ。年齢はすでに130を超えているがそれを感じさせない。なんでも不老不死なんだとか。100年程度前には美咲さんと同じく最強と言われた人物が2人居たらしい。一人は王となり寿命で死に、もう一人はこの国で起きた事件の解決時に美咲さんを庇って死んだらしい。
(そんな最強が来るなんて…なんでだ?)




