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第4話 王都へ行こう!2日目

 エイドとマリーが王都を目指して歩いているとエイドが

 エイド「ねぇマリーお姉ちゃん、何で僕達王都に行くの?」

 マリー「あれぇ? 説明してなかったっけ……?」

 マリーはエイドになぜ王都に行くのか説明していなかった。この抜けているところが、マリーが未熟者と言われる一つの理由である。

 マリー「えっと、私達が王都に行くのは、王都には仕事や情報、人や物がたくさん集まる場所だからだよ! だから王都を拠点にしてる冒険者はたくさんいるし中には有名な冒険者も……私もその1人! になる予定……」

 マリー「私昔から一流の冒険者になりたかったんだぁ……だからいつの日か必ず王都に行こうと思ってたの」

 エイド「へぇ……」

 エイドは考えていた、王都に行けば博士に会う方法が見つかるのかどうか。それを悟られたのかマリーが

 マリー「王都には情報が集まるって言ったでしょ? だから博士に会う方法見つかるかもよ?」

 エイド「本当?」

 マリー「うん!それに、王都で方法が見つからなかったとしても、冒険者としての仕事をして行く中で世界のあちこちに行くことになるし、ゆっくり探せばいいと思うよ」

 エイド「うん、そうだね……」

 正直なところ、エイドは出来るだけ早く博士に会いたかった。だが、マリーの言うことにも一理あると思い、その思いを心の奥に押し込めた。

 エイド(マリーお姉ちゃんに心配させちゃ駄目だもん……)

 

 そんな話をしながら歩き、太陽が丁度真上に見える時間になるころ

 マリー「そろそろお昼時だし、ご飯にしましょうか」

 エイド「うん!」

 2人は道のそばに生えていた木の根元に座り、昨日と同じ豚の干し肉を食べ始めた。

 エイド「美味しい〜♪」

 マリー「本当に美味しそうに食べるわね……」

 マリー「私は別の物も食べたいなぁ……」

 そうして干し肉を食べていると

 マリー「喉が渇いた……水筒の中身は……空っぽ……」

 そう、干し肉水分が無いので食べると喉が渇く。だがマリーの持っている水筒の中身は空っぽ、どこか近くに水はないかと考えていると

 エイド「お水が欲しいの?」

 マリー「うん、喉が渇いちゃって……」

 エイド「それならあっちにあるよ」

 マリー「えっ!?」

 マリーはどこに水が!?と思いエイドの指差す方向を見るが、林が見えるだけで水はどこにもなかった。

 マリー「水なんてないじゃない……ちょっと期待してたのに……」

 エイド「本当にあるよ!水が流れる音が聞こえるもん!」

 マリー「水が流れる音……?」

 マリーは耳を澄ませて聞いてみるが、何も聞こえない。

 マリー「何も聞こえないけど……」

 エイド「こっちに来て

 マリー「あっ、ちょっと!」

 マリーは急いでエイドを追った。エイドはそのまま林の中へ進んでいき、その奥には

 

 ザァーーー!


 そこには確かに滝があった

 マリー「本当にあるなんて……」

 エイド「お水飲まないの?」

 マリー「あぁ、飲むよ」

 マリーは滝の水を手で掬うとそのまま飲んだ。

 マリー「ぷはぁ、生き返るぅ」

 その後水筒にも水を汲み、また道沿いに歩き出した。

 

 暫く歩き、日が沈みそうになってきた。

 マリー「そろそろ休みましょうか?」

 エイド「うん」

 そうして昨日と同じようにキャンプファイヤーを作ろうとしたのだが、そこで問題が起こった。ほぐした麻紐と火打ち石とうちがねが濡れてしまっていたのだ。

 マリー「まさか滝に近づいた時に跳ねた水がバックパックにかかって……どうしよう……」

 エイド「マリーお姉ちゃん、火つけられないの……?」

 マリー「うん……」

 マリーが項垂れているのを見て、エイドはどうしたらいいのか幼いながら考えていた。すると、視界の端の方に何か文字が出てきた。

 エイド「フレイムスロワー……?」

 エイドの目は普通の人間とは違う。視界に自身の身体の状態などが映し出されており、その中に『フレイムスロワー』という単語が出てきた。エイドは何となく頭の中でその単語をイメージすると

 

 カチャカチャ


 エイド「!」

 エイドの人差し指の先端部分が変形し、何かの噴射口のような形になった。

 マリー「ハァ……どうしたもんか……って何その指! どうなってんの!?」

 マリーが顔を上げると丁度エイドの指が変形している最中だった。

 エイド「僕にもよくわかんない……何だろうこれ……」

 エイドは自分の指を見つめ、指に少し力を入れた。すると

 

 ボッ!


 エイド&マリー「!」

 噴射口のような部分から小さな火が出てきた。

 マリー「何それ何それ!? エイドって魔法使えたの!?」

 エイド「魔法……じゃないような……」

 エイド(何でこんなものが僕の身体についてるんだろう……)

 マリー「まぁ何はともあれ、それ使えばキャンプファイヤー作れるし、それが何なのかはまた考えよ? エイドにわからないんじゃ、いくら考えたってわからないだろうからさ」

 エイド「うん……」

 そうしてキャンプファイヤーを作り、昨日のようにエイドが見張りを一晩中して(マリーは反対したがエイドに言いくるめられた)次の日の朝を迎えた。


 マリー「ふわぁ、よく寝た……」

 エイド「おはよう、マリーお姉ちゃん!」

 マリー「おはようエイド……うーん……」

 エイド「どうしたの?」

 マリー「いや、2日連続でずっと起きてるエイドを見ると、やっぱり人間じゃないんだなぁ……て思って」

 エイド「博士と一緒の時は一緒に寝てたよ?」

 マリー「えっ、エイドも寝るの!? なら私を起こして眠ればよかったのに……」

 エイド「寝ることは出来るけど、眠たくなったりする訳じゃ無いから、今はいいかなぁ……て思って」

 マリー「ふーん……博士のこと、大好きなんだね」

 エイド「うん!僕を作ってくれた……お母さんだもん!」

 マリー「うふふ、いいなぁ……エイドみたいな可愛い子だったら私もお母さんになりたい♪」

 そんな話をして、2人はまた王都に向けて歩き出した。

気軽にコメントしてねー♪

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