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プロローグ



プロローグ



建国当初からある、歴史ある大教会。

普段は神に祈りを捧げる厳かな空気が流れるこの場所も、本日ばかりは浮ついた空気が流れていた。


普段ならば聖職者や信者たちが行き交う、ステンドグラスの下で

見目麗しいこの国の王太子殿下が、この日のために仕立てられた美しいウェディングドレスに身を包んだ自らの花嫁の両手を包み笑顔を浮かべていたからだ。


そう、花嫁が逃げ出さないように、ガッツリと両手を握りしめて。


「さぁ、フィオナ。愛を誓うと言って?」


フィオナと呼ばれた花嫁である私は、ヒクヒクと引き攣る口元と血の気がひいた顔色を隠すことも出来ないまま何度自問自答したか分からない問いかけを繰り返し現実逃避を始めてしまった。


ぁあ、

どうしてこうなってしまったんだろうー・・・と。



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