竜心が?
ーーんっ? ルチィ?
ーーおっ! コレは!?
えっ? 何!
急に白ちゃん黒ちゃんが私の胸をジッと見つめる。
「なっ何⁈ 何かついてる?」
ーールチィ? 気付かないの? 胸の真ん中に虹色に光る石が……。
え? 虹色の石?
私は虹色の石と聞くと、大切な場所で見せて貰った、シェラ様の竜心を思いだす。
ーールチィ! 鏡で自分を見てみろ!
黒ちゃんに言われ鏡を見ると。
「えっ!?」
私の鎖骨下に、5センチ程の虹色に光る石が現れていた。
「えっ? コレは何?」
『ふふっ……この石はの? 我の竜心だ!』
「竜心!?」
シェラ様の顔がドヤァと言わんばかりニマニマとニヤついている。
『この石は蜜月を終える事で現れる。これは我とルチィが完全なる番の契りが終えた証なのだ』
あかしって……それは私たちは蜜月を……あんな事をしましたよと、見た人にバレるわけで……。
なっ………何か恥ずかしい。
シェラ様そんな事を恥ずかしげもなく言わないで。
ーーこれが竜心か。
ーー中々綺麗だな。
★★★
今日は気合を入れないと!
久々に学園に登校だ。
なんだかんだで、学園を二か月も休んでしまった……。
せっかくお友達になってくれたミシェルさん達心配してないかな?
「失礼致します! ルチア様の準備にまいりました」
マリーさんが来た!
もうそんな時間なの? 準備急がないと。
マリーさんが一瞬で仕上げてくれ私は学園仕様に。
『ルチィ? 我も一緒に行きたいのう』
「今日は一人で行くっ! 約束したでしょ?」
『うぬう…』
久々だし、ミシェルさん達とお話とかしたいし! シェラ様と一緒だと誰とも話出来ないからね……(シェラ様がずっとべったりだから)
ーールチィ! 馬車に乗るよ!
「はーい。シェラ様行って来まーす」
学園に着くと、ちょっとザワザワしたけど前と同じ感じでホッとした。
流石に教室に入ると、二か月ぶりに登校して来た私を遠巻きに皆が見てる……。
あんまり注目して欲しくないなぁ。
「ルチア様! お久しぶりです」
「ミシェルさん!」
ミシェルさん達が話しかけてくれて、少しホッとする。
「急に長期のお休みをするって聞いて、何かあったのかと…心配してましたのよ。元気そうで安心しました。」
「カタリナさん……心配かけてゴメンね」
「何があったのですか? 二か月もお休みするなんて……」
「あっいやそのう……?」
獣人国の話も出来ないし、蜜月なんて……とてもじゃないけど、恥ずかしくて言える訳ない。
何て説明するか考えといたら良かった。
「ちょっとリンリン様? 無闇に何でも聞いたらダメですわ。ルチア様は竜王様の番様ですのよ? 話せない内容も沢山ありますわ」
「あっそうだね……ゴメン」
困っている私を見かねたミシェルさんが、質問攻めのカタリナさんとリンリンさんに注意してくれる。
「うっ、ううん。大丈夫!」
ミシェルさんのおかげで助かった~! 言い訳なにも思いつかなかったから。
「あら? ルチア様。今日は素敵なネックレスをされてますのね! いつもアクセサリーなんて付けてないのに、心境の変化ですか?」
えっ? ネックレス? 何もアクセサリーとか付けて来てないよ?
不思議に思って胸元を見ると、制服のシャツの間から竜心が虹色に輝いている。
スッゴク目立ってる。
「まぁ! 虹色に輝いて……シャツの上からでも分かりますわね。綺麗……」
「宜しければ服の上に出して、見せてもらえませんか?」
三人の目が竜心に注目している。
ネックレスじゃないから出せないし……何て説明したら。
「あら! まぁぁ! ルチア様……コレは竜心では?」
竜人族の女の子が、突然話かけて来た。
「えっ! エリー様これが……あの」
それを聞いたミシェルさんが生唾をゴクリッと飲み込む、
「そうですわ! この前貸したロマンス小説に書いてあった……」
「はぁぁ……♡」
エリーさんとミシェルさんが頬をピンクに染め、熱い眼差しで私を見つめてきた。
はぁ……これは言うしかないよね。
「はい……竜心です」
「まっまぁぁ! まぁまぁ! これが竜心…」
ホウ……
ミシェルさんとエリーさんは竜心の意味が分かるのか、顔をピンク色してキャッキャしている。
竜人族じゃないカタリナさんとリンリンさんは、なにが何だか分かってない感じだ。
そんな中、私はもう恥ずかしいのと、どう対応したら良いのか正解が分からなくて困ってしまう。
「ロマンス小説で読んだとうりですのね! 竜人族の番のお話! 素敵でしたわ」
「本当に! はぁぁっ。この目で実際に竜心が見れるなんて!」
ロマンス小説!? 二人の会話に入れない。
「ルチア様! 竜心についてはもっとじっくり! お話が聞きたいですわ! 私のお屋敷にお泊まりに来て話ませんこと!」
いつになくミシェルさんが、鼻息荒くグイグイと迫る。
「まっ……まあ! その時は私もぜひ、ご一緒したいですわ!」
(もちろんロマンス小説持参ですわね!)ぐふふっ
「何? 楽しそー! それなら私も泊まりますわ!」
「もちろん私も行きますわ!」
こうして……嫌な予感しかしないお泊まり会が決定した。
大丈夫よね? 楽しい女子会よね?
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