蜜月
竜人国に転移して、シェラ様は私を部屋において直ぐに獣人国に転移した。
部屋に置いて行かれた私はというと……一人モンモンとしていた。
どーするの!
この後に私はシェラ様と?
キッキスより先の……?
はうっ
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ
想像するとヤバイ
前世だって……ずっとキックボクシングばかりして、恋愛なんてしてこなかった。彼氏もいなかったし……ぐぬぬ。
女友達から話は聞いた事があるけど、自分がそうなるとか……考えた事なんてない。
好きな人だってシェラ様が初めて。
こんな私でシェラ様の相手とか出来るの。
私も何かシェラ様にしたら良いの? あの綺麗なシェラ様に?私がなにを?
んーー!!
シェラ様の前で裸になるとか!
想像するだけで………!
も……ダメだ。
世の中の女の子は皆コレを乗り越えてるの?
マリーさんだって、蕩ける程に甘美って、うっとりしながら話してた。
番の事がもっともっと欲しくなるって。
私も? 同じ様にシェラ様が欲しくなるの?
はわわわっ
悶々としてたら。
ドアをノックし、マリーさんが入ってきた!
「やっとですわね!ルチィ様!」
瞳をキラキラとさせながらマリーさんは話してくれるんだけど、私はそれどころじゃない。
ジッとしてられないよ。
「先程竜王様がお帰りになり!【#蜜月__みつげつ__#】の準備をされよとの通達がありました。
竜王様も今準備されております」
【蜜月】!? みつげつ? 初めて聞く言葉だ。
「あのう。マリーさん蜜月って何?」
「ウフフッ。それは竜王様にたっぷりと詳しく教えて貰って下さいませ……♡」
マリーさんが、頬をピンクに染めて腰をくねらせ話す様子から……何となくだけど、想像がついて……すっごく恥ずかしくなってきた。
自分の顔が……とんでもなく赤くなっているのがわかる。
「さぁ! ルチィ様も準備しますわよ!」
そう言って着せて貰った服は、ほとんど透けてる様な薄い素材で作られた、着心地の良いピンク色のワンピース一枚だけ! 下着は一切無し!
胸とか……大事な所が若干透けてる。
「あっあの! マリーさん! この服はちょっと……そのぅ……下着とかないのかな?」
「まぁそんな! 直ぐに脱いでしまいますのに。下着などいりませんわ!」
「ぐはっ!」
直ぐに脱いでって……そんな露骨に……あぐぅっ
どうにか違う服にしてくれないかと、マリーさんに交渉していたら、扉がノックされシェラ様が部屋に入って来た。
『ルチィ、準備は出来たかの?』
その姿はとんでもなくエロい。シェラ様破壊力抜群です。
「あわっっ……シェラ様!」
恥ずかしさのあまり、両手で慌て胸を隠す。下が丸見えになってる事に気付かずに。
『ルッルチィ……!』
(何だ! この可愛さは!? 破壊力がヤバイ……我はどーしたら。まともに見れぬ)
シェラ様が口元に手を当てて、上を向いたまま固まってしまった。
「あらあら。お二人とも初々しいこと! ウフフ。では私は失礼しますね」
マリーさんがそう言って部屋を出て行く。
シェラ様とこんな姿で二人っきり。ドキドキして頭が状況に追いつかない。
シェラ様だって、裸に黒い足首まである薄手のローブを羽織ってるだけ……鎖骨とか……胸とか若干見えている。
チラリと見える胸にドキドキする。
『ルチィ……蜜月の部屋に行こうぞ』
「えっあっ」
動揺している私をお構いなしに、シェラ様はお姫様抱っこし歩いて行く。
シェラ様が近い! 目のやり場に困るし! 自分も何処を隠していいのかと少しパニックになる。
案内された部屋は、二人で使うには大きすぎる大理石のお風呂と大きなベッドがあった。
これが蜜月を過ごす部屋……。
『この部屋はな? 我が番と蜜月を過ごすために作られた部屋なのだ。何百年も使わないままで、ルチィに出会うまで、もう使わないと思っていた部屋』
シェラ様はそう言って、ヘニャリと眉尻を下げた。
『我ら竜人族はな、番が見つかると蜜月に入り。一ヵ月ずっと二人で愛し合うのだよ。此処はその為にある部屋』
「いっ……一ヵ月‼︎」
あっあわわっ!
一ヵ月も愛し合う!? あれ? 私の知ってる次元を超えた! もうキャパオーバーです。
一人わたわた悶えていると
そんな私を見て、シェラ様は優しく笑う。
『我は一年でも構わないがの。今から一ヵ月は、我と二人っきりだ。たっぷりと愛してあげるからのう』
「ひゃっ……い」




