閑話 エレヴァン王国
「国王様! 偽造の森が突如消えました!」
「偽造の森に放っていた#妖精魔獣__フェアリーウェポン__#も森と共に消えました!」
「なっ森が消えた︎?! そんな事があるのか!」
「はい! 城の外を見て貰えば分かると思います。」
そんなっ!?
王は急いでバルコニーに向かう。
バタババタバタバタッ
「これは一体……!?」
城のバルコニーから見えた景色は、王国を隠すように作られた偽造の森が綺麗になくなり。
森であった所は、更地が広がっていた。
何十年もかけて増やしていった森が、こんな一瞬で消えるなんて……我が国に何がおこっているのだ!?
国王は青ざめ、その場に崩れ落ちる。
魔道具を駆使して、やっとここまで国が発展し、これからエレヴァン王国の時代が来ると言う時に!
我が国は人族の国を侵略していく為に、魔道具を研究し妖精魔獣を作り上げた。
魔道具と魔獣を武器に、戦争を起こし他国を我が国の配下にしようと、着々と準備を進めていた所にこの騒動。
六年程前、ゲイリー王国を手に入れる目前で、全て駄目になった事を思い出す。
あの時は急に竜王が現れたのだ!
人族の国なんかに居る筈のない竜王が。
絶対に関わってはいけない竜人族最強の王
急いで撤退したのを覚えている。
今回もあの時の様な嫌な予感がして仕方ない。何故なら震えと汗がずっと止まらないのだ。
「国王様! どうしますか!?」
「至急偽造の森の調査だ! 妖精魔獣が生き残っているかもしれん!」
「はっ! 今すぐ調査に参ります!」
森が消えたのは何かの自然現象かも知れない、妖精魔獣はまた妖精を集めたら良いのだ。
森もまた作れば良い。
大丈夫だ。
私はそう自分に言い聞かせた。




