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虐げ令嬢の復讐劇〜お姉様?聖女だと威張ってますが私は格上の妖精の愛し子です。さらに最強竜王様の番らしいです~  作者: 大福金
第二章 ルチア16歳魔法学園編

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閑話 シェラザード


 ルチィが俺の番だと皆に発表して良いと言ってくれた。

 聞いた時は、まことなのかと耳を疑った。


 嬉しい……。


 胸が高鳴り苦しい。

 気がつくと涙を流していた…… 


 そうか、俺はそれ程までに番の発表を望んでいたのか。

 ルチィに気付かれぬよう瞳を手で隠す。

 俺は涙が出るほどに、この言葉を待っていたのだな。







 ルチィは初めて竜人国に来た時に、番だと皆に知られて嫌がっていた。

 人族と竜人族は、少し感覚が違うのだと教えられたが、やはり俺の番である事が嫌なのかと……悪い方に考え眠れぬ夜もあった。


 こんな情け無い気持ち全てを、ルチィに気付かれないよう、いつも気丈に振る舞っていた。


 そんな俺の気持ちとは裏腹に、成長するにつれルチィはどんどん綺麗になる。


 誰にも触れさせたくない。

 見せたくもない。

 出来る事なら部屋に閉じ込め、俺だけを見ていて欲しい。

 ルチィの美しい瞳が映すのは俺だけでありたい。

 ドロドロした独占欲が、俺の脳を支配するする。


 だがそれは到底無理な話。さすがに俺もちゃんと理解している。


 だが俺の番と知れば、皆は恐れルチィに触れることなどないだろう。

 ああ……せめて皆に我の番であると知らしめたい。


 ある日とうとう不安が的中した。

 エルフの男が可愛いルチィの手を握りしめている。あれに触れて良いのは我だけだ!

 殺してやりたかったが、ルチィが急に可愛いおねだりを言うから、エルフの男などどうでも良くなり、殺すのはやめた。


 ああ……ルチィの可愛い口から抱っこしてと言われるだけで、胸が高鳴る。

 ルチィと出会え無ければ知らなかった高鳴りだ。嬉しい。


 そして今日、ルチィが番である事を皆に言って良いとやっと言うてくれた。


 嬉しさの余り、俺は気がつくとルチィに口付けをしていた。


 甘い……ビックリした。

 ふと、皆が言っていた事を思いだした。番は甘いと。

 一度味わってしまうと、その甘美な甘さに虜になると。


 その時は、半信半疑で話を聞いておったが、本当にこんなにも甘く愛しいのか、ずっとキスしていたい。


 だがこれ以上調子に乗って、ルチィに嫌がられたら困る。


 少しずつ。少しずつ。


 一度番の甘美なキスを知ってしまったら、この先も知りたい。

 ああルチィの全てが早く欲しい……。


 明日は番の発表だ。嬉しくて眠れない。皆にやっと俺の愛しい番だと表明できる。


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