シェラ様と大切なお話
学園長室でご飯を食べた後に、シェラ様に白ちゃん黒ちゃんと決めた話をしようと、今タイミングを測ってるのだけど……。
難しい、どーやって話を切り出したら良いの?
せっかく白ちゃん黒ちゃんが気を効かせてくれて、シェラ様と二人っきりだと言うのに……。
『ルチィ? どうしたのだ? まだお腹が空いておるのか?』
えっ? 私そんな顔してた?!
「いやっ大丈夫!」
『ふうむ? して何で其処に座ってるのだ? 俺の横においで?』
私とシェラ様は、ソファに向かい合って座っている。
いつもは隣に座っているので、シェラ様は不思議に思っている。
だって話をするなら、横より前から顔を見て話がしたいんだもん。
よし! 言う!
「あのう……シェラ様。昨日私に近づいて来たエルフの人に怒ってたでしょ?」
『当たり前だ。可愛いルチィが嫌がっておったのに。うむ? やはりあれくらいでは物足りぬか』
「いやっそうじゃなくて! またあんな事があった時に私の為に人を殺めて欲しくないの」
『ふうむ……? それは出来ぬ約束だな。ごめんね? 俺の番に手を出す奴等は許さぬ』
……白ちゃんたちが言ってた通りだ。
「うん。だから竜王国のみんなに、私の事をシェラ様の番だって、発表しても良いって……決めたの」
『!!』
シェラ様がビックリした顔して固まってる。
『ーー良いのか? あれ程に嫌がっておったのに』
「うん! 良いの決めたの」
『ルチィ……ありがとう。嬉しい……』
シェラ様は手で顔を覆ってるので表情は良く見えないけど、もしかして泣いてる?
私はこんなにも、シェラ様に我慢させていたんだと改めて知った。
『ルチィ』
シェラ様はスっと立ち上がり、私の隣に座るとギュッっと私を抱きしめた。
頭に口付けし、優しく髪をずっと撫でてくれる。
『皆にやっと番だと堂々と言えるのだな……』
シェラ様の綺麗な髪が私の頬に触れたと思ったら……。
えっ!?
いつものオデコじゃ無くて、唇にキスが落ちてきた。
『愛しい我の唯一の番』
そう言うと再び唇に触れ、シェラ様の舌が私の中に入ってきた。
「んっふっ」
恥ずかしい声が漏れる
「やっあっ……」
シェラ様のキスから逃れようとするも、体をガッチリと抱きしめられ逃げる事ができない。
私はシェラ様が与える快楽から逃れられないのだ。
★ ★★
ーーはっ……恥ずかしい。
私は前世を含めて、キスをした事がない!
キスがこんなにドキドキするなんて知らない。
もうずっとシェラ様の顔がまともに見れないでいる。
あの後……恥ずかしすぎて、私はシェラ様の胸に顔を埋めて、どうする事も出来ないでいる。
シェラ様はずっと愛おしいそうに、頭を撫でてくれてるのだけど。顔を見れない。
『フフッ……ルチィの気が変わらぬよう。急いで我の番を皆に発表しないとな? アレク、ヴィク! 俺の番を皆に発表する準備をしろ』
急に目の前に、アレクさんとヴィクさんが現れた。
えっ!? まさか。
ずっと#学園長室__ここ__#にいたの? さっきのキス見られた?
うわー! 恥ずかしいよう。
思い出して、また顔が熱い。
『分かりました! 明日発表出来る様至急準備致します!』
もうパレードとかは嫌だよ? あんまり凄い発表はやめてね?
『さぁ、準備が忙しくなるのう』




