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婚約者がきた


 白ちゃん黒ちゃんと使い獣契約がちゃんと完了したので、もう二匹は森の中以外にも出歩けるようになった。


 私の近く、魔力が感じ取れる場所ならということらしい。


 てなわけで、私は2匹を屋敷に連れて来ている。

 聖獣なので姿は自ら見える様にしない限り、私以外には見えないらしい。


 知らなかった。


 二匹は私の魔力と繋がっているので、何処にいても私の所に飛んでこれるらしい。


 すごく便利!!


 しかもご飯は私の魔力だから、食べ物は必要ないらしい! でも美味しいとかの味は分かるんだとか。

 必要ないのに私がニコニコしながら食べ物を運んでくるから、食べてくれてたみたい。


 気を遣わせてゴメンね。


 二匹の事がバレずにずっと一緒にいれるのが1番嬉しい。


 今日は早くに掃除などをすませて、図書館に行きたかったのに、いつもよりは綺麗な服を着せられ、応接室でソファに座りある人物を待っている。


 月に二回、二時間お茶を飲みどうでも良い話をする会だと私は思っている。

 お相手は3歳から決まっている私の婚約者様。


 はぁーっ。ハッキリ言ってこの時間が苦手……会話も楽しくないし、めんどくさい。


 そんな事を一人考えていると応接室の扉が開き婚約者様が入ってきた。


 私は急いで頭を下げる。


 私の婚約者様ゲイリー王国の第二皇子レオンハルト・イル・ゲイリー様だ。


「元気な様だなルチア」


 このガリガリで、肌も手も荒れ放題、どう見たって侯爵令嬢に見え無いこの姿を見て、それを言いますか? 相変わらず私の事など見てませんね。興味がないのよね。それは私も同感ですが。


「!!!!?」


 私は下げていた頭を上げた時、

一瞬目を疑った。


「はっ?」


 殿下の腕に引っ付いているのは……義姉??

「どーしたの? ルチアそんな目を白黒させてビックリした顔して……ウフフッ」


 私が驚いているのが嬉しいのか、義姉はしたり笑いが止まらない。


「リディアお義姉様。あの?

どうして殿下にその様に……?」


「あら? 何かおかしいかしら? 

レオンハルト様の婚約者には、貴女のような鶏ガラで魅力がない女性より、私のような魅力的な女性の方がお似合いだと思うの」


 いやいやいや……ええとですね?

 頭大丈夫ですかお姉様?

 レオンハルト様と私の婚約は私が三歳、レオンハルト様が五歳の時に国王様が決めた婚約。

 お母様もお父様もこの婚約には乗り気ではなく、断りたかったけど国王様直々に申し出があった事で、断れなくなったと言っていた。

 これは有名な話なので義姉も知っていると思っていたのだか、こんな行動にでるとはバカなんだね。


「そう言う事なのでな! ルチアのとの婚約は解消し、リディアと婚約し直そうと思う」


「そうですか、わかりました」


「さすが、ルチアだな。物分かりが良い。では、その様に話を進めるとしよう」


 義姉が物凄いドヤ顔でこっちを見てくる。

 いやいや羨ましくなんかないよ。

 レオンハルト様は皇子設定のくせに、小説とかでよくあるイケメンじゃないんだよね。

 性格もちょっとアレだし。

 私も婚約は解消してくれると助かるけど……無理だろうなぁ。


 だって国王様がきっと許す訳ない。


 国王様は私のお母様と結婚したかったのだけど、その夢叶わず。

 息子達にその夢を託したのだ。  

 国王様のお母様に対する執着が怖い。お母様は美しいからその気持ち分からないでも……いや無いな。


 だから義姉はお母様の血が入ってないから、国王様は許すはずがない。


 はぁー、ほんとに婚約解消したい。


 二時間は一緒にいないといけないので〔これも国王様が決めた〕

私は目の前でイチャイチャする二人をボーっと見ている。

何を見せられてるんだ! 私!

 義姉よ? どうよ?  羨ましいでしょって目で見てくるけれど、全く羨ましくないですよ?


ーーねぇねぇルチィ、皇子から変な匂いがするよ!

ーーうん! 臭えしこの匂い何か変だ!


 えっどう言うこと?


ーー魅了魔法の匂いみたい何だけど、臭いし……この匂いは魔法と違う。


 魅了って!? ヤバイ名前が出てきた!

 魅了の魔法は国で五年前に禁止されたからだ! まぁ使える人もほとんどいないって話だけど。


 魅了魔法みたいな何かを、皇子は使われている? 急に義姉とイチャイチャしだすのも良く考えたらおかしい。

 だって今まで、あの皇子は義姉を見る時、汚物を見るかのように蔑んで見ていた。


 それが、今日いきなりイチャイチャしてるのだ。どう考えても変だ。

 でも魔法ではないと二匹は言っているし……じゃあ何?


「では、もう会う事もないであろう。婚約解消の準備をしておくのだぞ」


 そう言って二人は腕を組み、部屋を出て行った。義姉はもちろん私にマウントをとるのを忘れずに捨て台詞を残して。

「皇子様に捨てられちゃって惨めだわねーぷぷぷ。まぁアンタにはもったいない相手だったのよ。私みたいに良い女じゃないとね釣り合わないでしょ」


 そうですか、私はその皇子と釣り合いたくないので、有り難く引き下がります。なんて事は口が裂けても言えないけど。



 それにしても……なんだかやばそうな匂いがする。


ーーあー臭かった!

ーーだな!



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