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虐げ令嬢の復讐劇〜お姉様?聖女だと威張ってますが私は格上の妖精の愛し子です。さらに最強竜王様の番らしいです~  作者: 大福金
第一章 ルチア幼少期ザマァ編

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聖獣様!?


「ルチア殿、今回勝負した愛し子ファミールについてだが……感謝する! あやつは我が儘が酷く、我らは手に負えなかったのだ」


「いやっそんな……私は特に何も、お礼なら妖精さんたちに」


 だって妖精さんのおかげで、勝負に勝てた訳で……実際私は何もしてないしね。


「愛し子ゆえに誰も注意出来ない。それがルチア殿が勝負に勝った事により、調子にのったファミを少し抑える事が出来るようになった。なんだか獣人国の揉め事に付き合わせたようで、申し訳ないのだか……」


 獣王様がもう1人の愛し子さんについて話してくれる。

 あの愛し子さんは、確かにムカついたけど……


「すみません……ルチィ様。私から少し話をさせて貰っても良いですか?」


「はい、なんですか?」


 可愛いミミィさんが、ウサ耳を左右に揺らして話しだす。


「今回の事は、私の責任でもあるのです……。愛し子ファミール様はとても我が儘で、何かある度妖精を使って我が儘を通す。私は妖精の力を私欲に利用してはいけない! といつも注意していたのですが……」


 あー……っ。

 確かにそんな感じだよね。

 今回だって私欲に妖精の力を使おうとしていたし。


「でも……それが気に入らなかったみたいで、私は勝負を挑まれ負けたのです」


 なるほど、ミミィさんと先に対決してたのね。


「私が勝負に負けたせいで……ファミール様は調子にのり、我が儘が増長し……誰も注意出来ないので、とうとう手に負えなくなったのです」


「それをルチィ様が勝負に勝ち、ファミール様の調子のった鼻を折って頂き……! 本当にありがとうございます!」


 ミミィさんと獣王様が揃って頭を下げた。


『うむ。ルチィは素晴らしい女神の様な愛し子だからな! その気持ちわかる、わかるぞ』


 シェラ様? なんでそんな自分の事の様に嬉しそうなんですか。ちょっと恥ずかしいです。

 


 でもまぁ、これもクッキー好きの妖精さん達のおかげ。


 あの我が儘な愛し子を大人しくさせる事が出来たんなら、勝負して良かった。


 愛し子の勝負で負けた者は、勝った愛し子に絶対に逆らえないんだとか……。


 こわっ!


 後から知って、本当勝ってよかったと思ったよ。


「だが、ルチア殿の力は凄いのだな。あんな圧倒的に勝つなんて!」


「本当に! 私が勝負に負けた時も、妖精の数にそんな差はなかったのです。それが殆どの妖精達がルチィ様の所に集まって本当凄かったです!」


 興奮気味に二人は私の事をスゴいと話してるけど、きっと食いしん坊な妖精さんたちを、クッキーで餌付けしちゃったからなんじゃないのかな?


 これはミミィさんにも教えてあげよう。


 なんて考えていると。


『それは当たり前なのだ! ルチィは聖獣様と契約しておるのだから、その時点でどの愛し子よりも格上だ』


「えっ? 聖獣様?! シェラザード! どう言う事だ!」


 ジュドール様とミミィさんがソファから立ち上がり驚愕している。二人ともプルプルと体を震わせて。


『ふぅむ? ずっとルチィの側に聖獣様が居たであろう?』


「??」


 あっ二人がキョトンって顔してる……


 そりゃそうだ! 白ちゃんと黒ちゃんは聖獣って事を隠す為に、獣人の姿になってるんだから。


 シェラ様! 説明が少ないよ。


「あのう……私の横に白い髪と黒い髪の獣人が居たでしょう?

その二人が聖獣様です。」


「なっ、?! あの二人が! 何と!? 聖獣様……!」


 ん? 獣王様顔が真っ青だ。


「シェラザード! 何で其れを早く言わん! 私達は聖獣様を放ったらかして……! ああ何て無礼な事を……くうっ」


 獣王様とミミィさんは今にも泣きそうだ。


 そんな大袈裟な、白ちゃん黒ちゃんは挨拶とかそんな事は、全く気にしないと思うけどなぁ……。

 あの愛し子ファミールさんには、かなり怒ってたけどね。


「それで今、聖獣様達は何処に?」


「あっ! 隣の部屋に行った見たいです」


「挨拶に行かないと! ミミィ行くぞ!」

「はい!」


 二人はバタバタと、白ちゃん黒ちゃんが寝ている部屋に走って行った。


 慌てる二人を不思議そうな顔で見ていたら、シェラ様が教えてくれた。


『獣人やエルフは、我ら竜人と違い、信仰心がもの凄く強いのだ。神にもっとも近いとされる聖獣様に会えると言う事は、奴等にはもの凄く貴重で有難い事なのだよ』


 なるほど……。


 白ちゃん黒ちゃんって、神に近い存在なんだ……私は改めて二匹の凄さを実感する。


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