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虐げ令嬢の復讐劇〜お姉様?聖女だと威張ってますが私は格上の妖精の愛し子です。さらに最強竜王様の番らしいです~  作者: 大福金
第一章 ルチア幼少期ザマァ編

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獣人国のもう一人の愛し子様


 私達は、あの変な勝負の後。あのまま公園にいたら、目立って収拾がつかないので、一旦獣王様の宿泊先にシェラ様の魔法で転移して来た。


 獣王様は愛し子さんが「公園の花が見たい」とワガママを言うので、チャハロの街に愛し子さん達を連れて来ていたらしい。


「先ほどは獣人国の愛し子が迷惑をかけた、すまない。ルチア殿」


 獣王様が大きな体躯を縮めて頭を下げる。


「あっやっ大丈夫ですから! 頭を上げて下さい!!」


 獣王様だってどちらかというと、愛し子ファミさんに振り回され、一番の被害者なのに!


『うむ。迷惑だの! せっかくルチィと花を見ておったのに……最悪だ!』


「だからスマンって!」


 私を膝の上に抱っこしたシェラ様が、プリプリと文句を言いながら、私の頭を撫でる。


 そんなシェラ様の様子を、獣王様が少し困惑したように見ている。


「シェラザードよ? ルチア殿に余りにもくっつき過ぎではないか? 何に対しても冷静沈着なお前が、今日は一体どうしたと言うのだ? 変だぞ?」


 幼女を愛でるシェラ様の姿が、余りにも知っている姿と違い過ぎて、ビックリしているようだ。


 そりゃそうですよね。

 私も思います。

 人前では恥ずかしいので、抱っこはやめて欲しいですよ。


『何がおかしいと言うのだ? ジュドールよ?』


「何がってお前の態度全てだよ! 何百年もの付き合いだが、お前のそんな姿は初めて見たぞ!」


『ふぅむ? ジュドールよ。確かお主はまだ番と出会えておらんかったの? ククッ……』


 シェラ様がニヤリと口角を上げて笑う。獣王様に対してマウントをとるかのように。


「なっ……!? なんだよ、それが何だって言うんだよ? それはお前もだろうが」


 番が見つかっていないと言われ、不服そうに返事を返す獣王様。


『ふふふ、このルチアは我の番! 唯一無二だ!』


 ドャァーって効果音が聞こえそう。

 シェラ様が、もの凄いドヤ顔で自慢してる。

 何ですかこの恥ずかしい状況。


「なっ!? お前! 番が見つかったのか? クソっ何だと!」


 悔しがる獣王様を見て、ニヤニヤとシェラ様のドヤ顔が止まらない。


「くそう……! 番が見つからない同士だと思ってたのに。俺より先に……しかも、その相手が愛し子殿とは、どこまでも羨ましい奴め!」


 獣王様が悔しそうに机を叩く。


『そうであろう。そうであろう……ククッ』


 悔しがる獣王様の姿を見て、シェラ様のニヤニヤが止まらない。

 何の茶番劇を見せられてるんですか私たち。


 白ちゃん黒ちゃんは飽きたのか、別の部屋に昼寝しに行っちゃった。


 あれ? さっきから獣王様の隣に座っている獣人の女の人、周りに妖精がいっぱい集まってる……もしかして?


 獣人国には二人愛し子さんが居るって言ってた。


 もしかして……もう一人の愛し子さん?


 ピンク色したウサギの耳がついて、うわぁ胸も大きくって……何かエロ可愛いい。


「あの獣王様、横に居る方はもしかして愛し子さんですか?」

「ん? ルチア殿、ジュドールと呼んでくれ!」


「愛し子様に獣王様と言われると、なんだかむず痒くてな」


 獣王様はガハハと笑うと、横に座っていた獣人族の女の人を抱きしめた。


「そうさ! 愛し子のミミルだ。俺の嫁でもあるぞ!」


 なっ!? お嫁さん! このエロ可愛い人が?


「ルチア様、よろしくお願いします。ミミルです。仲良くして貰えたら嬉しいです」


 愛し子ミミルさんは、ウサミミをぴこぴこと動かし、頬をピンク色にそめてくしゃりと笑う。


 えーっ! なにこの可愛い人! やばい、可愛い過ぎる……ぴこぴこ動くウサミミ触りたい。


「よろしくお願いします。ミミル様! 私の事はルチアでもルチィとでも呼んでくださいね」


 ウサミミがぴこぴこが激しく動いて、ミミルさんがモジモジしてる……。

 なんですかその仕草、誘ってるんですか私を! その耳触っちゃいますよ!


「ではルチィ様とお呼びしても? 私の事はミミィと呼んで下さいね」

「はい。ミミィさん仲良くして下さい」


 私たちはギュッと握手を交わす。


 可愛いお友達が初めて出来そうで、私はワクワクしていた。


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