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虐げ令嬢の復讐劇〜お姉様?聖女だと威張ってますが私は格上の妖精の愛し子です。さらに最強竜王様の番らしいです~  作者: 大福金
第一章 ルチア幼少期ザマァ編

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獣人の街チャハロ

私の腕の中にはニコニコ顔のシェラ様がいる。

 どうやらこの抱っこがお気に召したようだ。


『幸せだ……ルチィに抱きしめられるなんて。抱きしめるのも良いが、これも悪くない。竜に変身して良かったな……』


 と嬉しそうに話すシェラ様。


 抱きしめるとか、変な言い方しないで欲しい。これは犬や猫を抱っこしてるのと同じなんだから。


 今度は胸のあたりをスリスリし、匂いを嗅ぐシェラ様。


 キャッ


「何するの!」


 思わずシェラ様を落とす。


『何ってルチィの匂いを嗅いだだけだよ?』


「ダメです! それも禁止」


 そう言うと、寂しそうに私を見るチビ竜姿のシェラ様。


 そんな顔してもダメ! 恥ずかしいからね。あんまり変な事すると抱っこしないんだから。


 チビ竜の可愛い姿をしてるから、騙されそうになるけど、本当は二M以上身長もある、八百歳の竜王様なんだから!


 あーだこーだと言いながら、私達は何もない街道一本道をのんびり歩いて行く。


 半日ほど歩くと、獣人族の大きな国境の赤い旗が見えて来た!



ーールチィ、国境に入る前に妖精達に離れる様に言わないと、愛し子ってバレバレだよ? バレたら色々と大変だよ?


 あっそうだった!


「妖精さん、ゴメンね? 街に居る間は三人くらいしか私の周りには連れとけない」


ーーじゃあ私がいる

ーーダメっ僕!

ーーいや

ーーえっ

ーー!やだよー!ルチィの側が良いー。


 妖精たちから口々に文句がでる。

 困ったな。


「じゃあ……じゃんけんで決めて代わりばんこでどうかな? 賢く待ってる子には魔力がたっぷり入ったクッキーもあげるから?」


ーークッキー

ーーやたー

ーーじゃあ賢く待つ

ーージャンケンポーンーあーいこでー


 あー……良かった良かった。どーにかなった。何処かでキッチン借りてクッキー沢山作らなきゃ……約束やぶりになってしまう。


「ところでルチア様? 身分証はお持ちですか?」


 ガウディさんが身分証の事を聞いてきた。昨日ちゃんと準備したからね。って……あっ! しまった。白ちゃんと黒ちゃんのがない!


「私のはあります……でも白ちゃんと黒ちゃんのがない……」


ーーあっそれなら大丈夫だよ! 適当な身分証を作ったから。


 そう言って白ちゃんが身分証を見せてくれた。しっかりした聖獣様だ。


「では大丈夫ですね。身分証と入国税を渡して、受付を済ませて終いましょう」


 色々と旅をしているだけあって、ガウディさん頼りになる。何も知らないから助かるなあ


 獣人の街かぁ……ドキドキする!


 国境を抜け街に入る。


「ルチアーノ様、ここは国境の獣人族の街チャハロです! ここは国境の街と言う事もあり色々な種族が居ますよ!」


 ガウディさんが教えてくれた。

本当だ! 獣人族も居れば人族やエルフ族も……色んな人が歩いている。凄い!


ーーぷぷっ! ルチィったらキョロキョロしすぎ!

 白ちゃんがバカにしたように笑う。


 だって余りの光景に圧巻されてしまって。


 街並みはポルトガルの首都リスボンみたいな感じかな。

 日本人だった時に、行って観たかった国のひとつ!


「わぁっ!」


 獣人族は、ウサミミが付いてるだけのコスプイヤーみたいな獣人もいたら、そのままライオンの顔の獣人もいて、多種多様だ。


ーールチィ! あんまりジロジロ見ない!!


「ごめん。人族の国と余りにも違いすぎて……」


ーーふふ。まぁ興奮するのは分かるけどね?


 獣人姿の白ちゃんがイタズラに笑う。人の姿をしているせいか、表情が豊かで分かりやすい。



「皆さんそれで提案なのですが、もし良かったら冒険者登録などしませんか?」


「冒険者?」


「はい! このまま色々な街を旅していくのであれば、冒険者登録すると、魔獣討伐や薬草採取などでお金を稼ぐことが出来ますし、色々な最新の情報も冒険者ギルドから得やすいです」


 なるほど。

 さすがガウディさん、色々と知っているなぁ。


 感心していると、私に抱っこされているシェラ様が口をはさむ。


『お金など稼ぐ必要なかろう? 金など腐るほど持っている。可愛いルチィに無理などさせれぬ!』


 ひょっ! お金持ち宣言!


「でも……それは竜王様のお金で、私のお金では無いし。自分でお金が稼げるなら稼いでみたい」


『シェラだ!』

『ん?』

『シェラ』


 つい竜王様って言ったのが、気に要らないらしい。


 上手く出来るか分からないけれど、ここは可愛いくおねだり作戦だ。


「シェラ様お願い! 自分の力でお金を稼いでみたい」


 私の目線までシェラ様を抱き上げ、これでもかとオネダリ目線を送る。


『うぬぅ……』



「お願い!」



『はぁ、分かったのだ……少しだけだぞ。無理はせぬ事!』


「はい!」


 やたー。オネダリ作戦成功だ。


 ガウディさんが言うには、獣人国は十歳から冒険者登録が出来る見たい。

 獣人は十歳から成人扱いなんだそう。

 種族で成人年齢がこんなにも違うんだ。勉強になる。


「では冒険者ギルドに行って見ますか!」


「はい!」


 冒険者ギルドかぁ、どんな所なんだろう。

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