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閑話 竜王シェラ


 どれだけ、退屈な時を無駄に過ごしたのだろう……


 俺は歴代の竜王の中でも、ズバ抜けて能力が高い。何をしても俺を超える者など現れない。


 初めは全てが楽しかった。何をしても誰よりも上手くいく。


 魔法であれ剣術であれ

 誰も俺には勝てぬ


 でも……何処か虚しい。


 俺は神から全ての力は与えてもらったが、番は貰えなかった。


 番とは唯一無二の存在、運命の愛しき人。番のいる者は皆声をそろえ、幸せな顔で番の事を語る。


 会えば絶対に番だとわかる! っと。


 それくらい胸が苦しくて高鳴るのだと。


 そう聞き色んな女子に会った。 

 だが何も感じぬ。

 愛しい感情などわからぬ。

 胸など高まりもしない。

 番は遅くとも五百年迄には見つかりますよと皆に言われ、信じいつか出会えると期待した

 だが……現れぬ。


 気がつけば、もう八百年もたってしまった。

 皆も、番について我に触れぬようになった。


 もう出会えないのだな。

 俺の唯一無二。

 力なんて要らないから、番と出逢わせて欲しかった。


 ある日、暇潰しに獣人国に遊びに行き、その帰りに人族の国をまわって見た。

 すると聖女が誕生したと、民衆が騒いでおる。

 これは、どのような魔力の持ち主であろう?

 前に現れた人族の聖女は、とても魔力の綺麗な女子じゃった。


 今度はどうであろうの?

 ククッ

 暇潰しになるかの?


 転移魔法で、王城にに入りコッソリ覗いてみる。


『ぐっ!?』


 何だ! あの臭さは、人族は頭が可笑しくなったのか? あれが聖女だと? 

 妖精に嫌われ魔力など無いではないか!! 

 それも分からずにまがい物を聖女とするとは……見に来て損した。


 はぁーっ


 なにも面白くなかったなと、転移魔法で帰ろうとした時だった……


「!?」


 ドクンッ! っと胸が跳ね上がる。


「なっ……なんだこれはっ!?」


 胸が張り裂ける様な、芳香がする。何て良い香りなんだ……ずっと嗅いでいたい。


 この匂いを嗅ぐたびに、胸が苦しくて締め付けられる。


 俺は慌ててこの匂いの元を探した!



 何処だ!?何処に……?!



『!!』


 ……………………いた。



『あれだ……沢山の妖精達に包まれている女子……』


 エルフの男が側にいるのか?


『ううっ』


 ……胸が苦しい。締め付けられそうだ。あの女子が他の男と一緒に居るのは嫌だ!

 その目は我だけを映して欲しい。

 笑いかけるその笑顔も、俺だけにして。


 全て俺だけ。


 そうか見つけた。


 我の唯一無二の愛しい番……

 もう離さぬ。

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