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婚約破棄から始まる迷宮都市での錬金術師生活 ~得意の古代語翻訳で裏技錬金術を駆使して平穏に暮らします~  作者: イ尹口欠
エリクサーと賢者の石

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颯爽と立ち去るシルビーナさん。

「お姉さま、シルビーナさんが来ていますよ」

 

「ああ、久しぶりですね。いま出ます」

 

 奥の工房でインプとスロイス先生と古代語の書物を回し読みしていたところです。

 私は書物を置いて、表の工房に出ていきます。

 

「新しいお菓子はどら焼きだそうね。こちらもどら焼きを作ったから、勝負よ!」

 

「勝負はいいのですが……シルビーナさん、わざわざどら焼きを作ってきたのですか?」

 

 どら焼きはシルビーナさんの店で扱っていないはずですから、今日のために彼女が独自に作ったのでしょう。

 こちらはシンプルなどら焼きです。

 シルビーナさんの用意したどら焼きは?

 

 中に栗が入った栗のどら焼きでした。

 

「おいしいですね、シルビーナさんのどら焼き」

 

「く……っ、シンプルなどら焼きなのに完成度が高いわ。一体、何が違うのかしら」

 

 多分、シルビーナさんは井戸水をそのまま使っているのだと思います。

 私は雑味を消したミネラル水をわざわざ錬成しているため、その差でしょう。

 

 とはいえそれを教えると、ミネラル水を売ってくれと言われそうなので黙っておきます。

 このアドバンテージさえ失ったら、シルビーナさんとは勝負にならなくなりますからね。

 

「今日も引き分けね。次こそアっと言わせてみせるんだから! 新しいお菓子を用意して待っていなさい!」

 

 颯爽と立ち去るシルビーナさん。

 だから私たちに新しいお菓子を要求するのは止めて欲しいのですが……。

 

 仕方ありません、こっちもなんだかんだで楽しんでいるのは否めません。

 商品のラインナップを増やす動機にもなります。

 

 新しいお菓子は、何にしましょうかね。

 

 * * *

 

 ウチの工房のラインナップにチョコレート菓子がないので、ガトーショコラを作ろうかと思います。

 

 用意するものはチョコレート、バター、卵、砂糖、塩、生クリーム、小麦粉、ココア、粉砂糖です。

 

 まず卵を割って、卵黄と卵白に分けます。

 

 卵黄と砂糖を錬金釜に投入し、白っぽくなるまでかき混ぜます。

 その後、チョコレートとバターを錬金釜に投入して、更にかき混ぜます。

 かき混ぜながら小麦粉とココアを投入。

 混ざったら、一旦これを引き上げて、錬金釜を洗浄します。

 

 次に卵白と塩少々を錬金釜に投入してかき混ぜて、メレンゲを作ります。

 角が立つまでかき混ぜますが、かき混ぜすぎには注意ですね。

 

 メレンゲが出来上がったら、先程引き上げたチョコレート生地を加えて、よくかき混ぜます。

 ガトーショコラが焼き上がったら、粉砂糖を加えて軽く混ぜます。

 すると粉砂糖で装飾されたガトーショコラの完成ですね。

 

 〈加速の魔法陣〉が不要ですが、手順がやや複雑です。

 とはいえ物覚えの良いホルトルーデならすぐに上手く作れるようになるでしょうけど。

 

 このガトーショコラは食後のデザートにしましょう。

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