表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄から始まる迷宮都市での錬金術師生活 ~得意の古代語翻訳で裏技錬金術を駆使して平穏に暮らします~  作者: イ尹口欠
エリクサーと賢者の石

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/81

うわあ、これは酷い。

「暑すぎです! 耐えられません!」

 

「どうどう。乾きの石は見つかりましたか?」

 

「それどころじゃありませんよ! 見てください、この腕の日焼け跡を!」

 

「うわあ、これは酷い」

 

 真っ赤に腫れた腕を見て呟きました。

 砂漠の日差しにやられないようにマントを被って移動しているようですが、それでも日焼けするのですから手に負えませんね。

 

「本体、サバイバルコートの錬成を頼みます」

 

「……本体、私にもサバイバルコートを! 寒すぎて探索どころじゃありませんよ!」

 

 北の大地に到着したドッペルレリアも訴えかけてきます。

 

 サバイバルコートとは、耐暑・耐寒の形質を持ったコートのことです。

 〈原質分解〉できる私にとって形質の付与は楽勝なのですが、そもそも耐暑と耐寒のふたつの形質は希少なものです。

 作ってあげたいのは山々ですが、果たして入手できるでしょうか……?

 

 * * *

 

 丸一日かけて冒険者ギルドで素材を〈アナライズ〉したところ、耐暑も耐寒も見つかりませんでした。

 希少な形質だとは知っていましたが、ここまで見つからないとは。

 とはいえサバイバルコートなしでは探索に集中できないのは明白です。

 方や日焼け、方や霜焼け、どちらも深刻なのでポーションで治療しましたが、痛い思いをするのは嫌ですものね。

 

 ここはダンジョンに潜っているドッペルゲンガーたちに頑張ってもらいましょう。

 

 * * *

 

 一号、二号、三号には一旦、ダンジョン探索を止めてもらって、耐暑と耐寒の形質をもつ素材集めをしてもらうことにしました。

 ダンジョンの第十三階層に生息しているフロストパンサーを狩りまくって、白い毛皮を集めてもらいます。

 白い毛皮は敷物にピッタリなので、形質に関わらず需要があります。

 ですが稀に耐寒の形質がついているので、今回はそれ狙いですね。

 お金稼ぎにもなるので、狩り尽くす勢いでフロストパンサーを狩ってもらいます。

 

 一日かけて狩った結果、耐寒の形質をもつ白い毛皮二枚を入手することができました。

 

 さあ次は耐暑の形質です。

 ダンジョンの第22階層に生息している極楽鳥の羽根に稀に耐暑の形質がついていることがあります。

 しかし極楽鳥は基本的に逃げ回るタイプの魔物で、襲いかかってくることはありません。

 その羽根は美しく貴族たちに愛されているため、常に需要があります。

 だから冒険者ギルドでも数が少なくて、耐暑の形質をもった羽根は見つからなかったのですが。

 

 ドッペルゲンガーたちには頑張って極楽鳥を狩りまくってもらいましょう。

 見つけたらケルベロスではなく〈マジックアロー〉の連射で仕留めることになります。

 なんと言っても、こちらに気づいた途端に逃げるため、追尾効果のある〈マジックアロー〉でもなければ逃げられてしまうのです。

 極楽鳥狩りはこのように魔力を消耗しながらの戦いなんですね。

 

 とはいえ丸一日、極楽鳥に的を絞って狩りまくった結果、耐暑の形質をもつ羽根がふたつ入手できました。

 

 これでサバイバルコートを作ることが出来ます。

 

 素材から〈原質分解〉して得られた形質を丈夫なコートに付与します。

 これで耐暑・耐寒の効果をもつサバイバルコートが完成ですよ。

 

「じゃあ探索の方は頑張ってくださいね」

 

「「ありがとうございます、本体!」」

 

 ドッペルレリアのふたりは、意気揚々と砂漠と氷の大地に向かって旅立っていきました。

作品を応援したい、続きが気になる、そんな方はブックマークと評価(☆☆☆☆☆)を是非ともお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ