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婚約破棄から始まる迷宮都市での錬金術師生活 ~得意の古代語翻訳で裏技錬金術を駆使して平穏に暮らします~  作者: イ尹口欠
エリクサーと賢者の石

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石鹸なんて作っている場合じゃないですよ?

 さて保存食の量産のための工場が本格稼働するまでは、私たちで保存食を量産するのは変わりません。

 つまり私たちの日常に変化はなく、今日も忙しくしていました。

 

 次にカミーリアが来たときのために、石鹸を一度だけ試作しておく必要がありますね。

 私は石鹸の材料を買い求めに市場に出かけることにしました。

 

 * * *

 

 安物のワイン、南方から輸入されたココナッツオイルを今回の素材にすることにしました。

 ココナッツオイルは高級品ですが、カミーリアと私たちが作る石鹸なので、売り物ではありませんので高級路線でも問題ないでしょう。

 なお石鹸は市場で普通に売られているものが庶民にも行き渡っており、しかし貴族用のものと違い品質がイマイチです。

 私とホルトルーデは庶民用の石鹸を使っていますが、よく洗い落とせば皮膚への刺激も最小限に抑えられるため、特に貴族用の石鹸を用意する必要性は感じません。

 

 さてかまどの灰と井戸水を錬金釜に投入し、〈原質分解〉用の混ぜ棒でかき混ぜます。

 余分な形質を除去して、得られた灰汁を取り置きます。

 

 次に安物のワインを〈原質分解〉してアルコールを取り出します。

 水分を除去した純粋なアルコールですので、味も素っ気もありませんが、石鹸の材料なのでそれで構わないのです。

 

 カミーリアが石鹸を作成するときには、灰汁とアルコールは予め用意しておくのがいいでしょう。

 〈原質分解〉の様子を見せる必要はありません。

 

 さあいよいよ石鹸の錬成です。

 ココナッツオイル、灰汁、アルコールを投入してよくかき混ぜます。

 魔力さえ注げば割と簡単に固形石鹸が出来上がります。

 今回はお試しに二個だけ作成できる分量を計って作りましたので、錬金釜の中には四角い石鹸がふたつ残りました。

 

 おお、ココナッツのいい香りがしますよ。

 

 今日からこの石鹸を使ってみて、肌への刺激を確かめたらこの製法でカミーリアと錬成をしましょう。

 

 * * *

 

 ホルトルーデと身体の洗いっこをして、石鹸の使い心地を試しました。

 貴族用と言っても過言ではない出来栄えですね。

 これならばカミーリアが使っても大丈夫でしょう。

 

 ホルトルーデを先に休ませて、私はひとり灯りの魔法具をつけて読書に勤しみます。

 スロイスの復元した〈テレポート〉は確かに有用ですが、使うと目立つのが難点で未だに有効活用できていません。

 ダンジョン産の古代語の書物から得られる知識はやはり断片的なものばかりで、実用化するには足りないピースが多すぎます。

 

 なので久々に学院から持ち出した分厚い書物を開き、解読できていない部分を読み込むことにしました。

 学院にいた頃は分からなかった言葉の意味も、ダンジョン産の書物で得た知識でいくつか分かるようになりましたしね。

 意味が分かるようになった文章を通しで読み込んでいきます。

 

 ふむ、――あれこれって。

 

 内心で期待を膨らませながら、私は今まで解読できなかった箇所を何度も読み返します。

 

 間違いありません、これはエリクサーの錬成方法!

 

 石鹸なんて作っている場合じゃないですよ?

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