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婚約破棄から始まる迷宮都市での錬金術師生活 ~得意の古代語翻訳で裏技錬金術を駆使して平穏に暮らします~  作者: イ尹口欠
迷宮都市の錬金術師

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痛そう、では済まないのですけどね。

 冒険者ギルドを通じて、セバスチャンに指名依頼を出しました。

 依頼内容は、ホルトルーデに魔法の指南をして欲しいという依頼です。

 

 依頼は承諾され、今日、セバスチャンがウチの工房にやって来る日となりました。

 

 先日から無属性魔法と時空魔法について教え込んでいますが、どうも無属性魔法の適性も低いらしく、〈アナライズ〉は使えても〈マジックアロー〉や〈マナジャベリン〉は上手く使えませんでした。

 どうも本当に私とは適性が異なるみたいですね。

 

「ごめんください、お嬢様」

 

「セバスチャン! 待っていたの。依頼を受けてくれてありがとう」

 

「いえいえ。お嬢様の依頼ですからな。しかしホルトルーデに魔法を教えるのならば、お嬢様でも出来るのでは?」

 

「それが……どうやら私と適性が異なるみたいなの」

 

「ほほう。なるほど、それで私にお鉢が回ってきたと」

 

「ええ。属性を一度ちゃんと調べてから、地属性と炎属性の魔法も習得させてみた方がいいかな、と」

 

 私は地属性と炎属性の魔法は習得していますが、残念ながら魔導書の内容までは知らないのです。

 

 セバスチャンは背負っていた鞄から、属性判別の水晶玉を取り出しました。

 

「ではホルトルーデ、これに魔力を流してもらえますかな」

 

「はい、セバスチャン様」

 

「私のことはどうかセバスチャンと、呼び捨てにして構いませんぞ」

 

「ええと……ではセバスチャンさん」

 

「まあいいでしょう。お嬢様と良く似た面差しですが、やはり別人なのですな」

 

 そう、姉妹のようによく似ているのですが、れっきとした別人なのですよね。

 それを認識したのが魔法の習得の段階なのですから、私も鈍いものです。

 

「ふむ、属性はお嬢様と同じく地属性、炎属性、闇属性があるようですな。ホルトルーデが習得している魔法はどのようなものがありますかな?」

 

「ええと、〈マナライト〉、〈マジックアロー〉、〈マナジャベリン〉、〈ダークミスト〉です。ただし私がちゃんと使えたのは〈マナライト〉のみでした」

 

 古代語の書物から得た魔法については秘匿するよう厳命してあります。

 闇属性は念の為、視界を奪う黒い霧を発生させる〈ダークミスト〉も習得させてみましたが、これも上手に使えませんでした。

 具体的には範囲指定の調整が上手くいかず、常にまちまちの霧が発生してしまうのです。

 私が地属性や炎属性が使えないのと同じ理由ですね。

 私も〈ファイアボール〉の大きさが何度やっても一定にできなくて、匙を投げましたから。

 

「ふうむ。お嬢様とは完全に適性が異なるというわけですな。では逆に地属性と炎属性が上手く使える可能性もあるというわけですか」

 

「そう。それでセバスチャンを呼んだの」

 

「なるほどのう。儂はホムンクルスについて詳しくはないのですが、お嬢様の一部から生まれた、と解釈してよろしいのですかな?」

 

「ええ、そうよ。私の情報から生まれたの。だからてっきり魔法の適性も同じかと思いこんでいたのだけど、違ったのよね」

 

「なるほど。ではまず〈ストーンブラスト〉の魔法を習得してみましょうか。これが上手く使えたら、地属性に適性がありますぞ」

 

 セバスチャンはいきなり適性を調べるために〈ストーンブラスト〉を習得させました。

 そして工房の裏庭で試射します。

 結果は?

 

「上手くいきましたな」

 

「羨ましいわね。地属性の〈ストーンブラスト〉は十分な殺傷力をもった攻撃魔法。私も習得しているけど、石つぶての収束が上手くいかずに封印しちゃったのよね」

 

「これ……当たると相当、痛そうですね」

 

 痛そう、では済まないのですけどね。

 ともかく私と違って地属性に適性があることが分かったのは大きいです。

 

 次に炎属性の〈ファイアボール〉を試しますが、これも上手く使えました。

 どうやらホルトルーデの適性は私とは真逆で、地属性と炎属性が得意らしいです。

 

「ふむふむ。では地属性の魔導書と炎属性の魔導書を片っ端から習得していきましょう。魔法の内容はお嬢様に聞いていただきましょうか」

 

「そうね。ありったけ持ってきているのよね?」

 

「無論です。基本どころは抑えておりますから、不足はないでしょう」

 

 そこからはホルトルーデが魔導書に手を当てて魔法の習得を繰り返します。

 実際に使ったり効果を確かめるのは私が傍にいるときにすればいいでしょう。

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