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安くて美味しいのですが、上流階級は食しません。

「こんにちは」

 

「いらっしゃいませ」

 

 薬屋のおばあちゃんが工房にやって来ました。

 

「おや、ひとり増えているじゃないか。弟子……いや姉妹かい?」

 

「はい。私の妹分のホルトルーデです。私によく似ていますが血の繋がりはありませんよ」

 

「そうなのかい。そっくりだよあんたたち」

 

「そうなんですよね。私もびっくりしました。冒険者ギルドにホルトルーデの捜索願いを出してあります。身内が見つけてくれるといいのですが……」

 

「ふむ、そうさねえ。……おっと、仕事の依頼に来たんだった。前に頼んだアンチドーテポーションを頼むよ。30本を用意して欲しい。報酬は後払い素材代込みで金貨35枚でどうだい?」

 

「分かりました、その条件で構いません。アンチドーテポーションの等級は七級でよろしかったですか?」

 

「ああ。等級は七級で頼むよ。この街のダンジョンの比較的浅い階層に出てくるポイズンスネイクの毒がちょうど七級でね。一番、需要があるんだよ」

 

「なるほど」

 

「それじゃあ頼んだよ」

 

 薬屋のおばあちゃんは立ち去っていきました。

 

 さて、アンチドーテポーションの素材を購入してこなければ。

 ホルトルーデにひとりで留守番をさせるにはまだ早いので、工房を閉めて一緒に出かけることにしました。

 

「ホルトルーデ、キリのいいところになったら教えて下さい。素材の買い出しに行きましょう」

 

「分かりました、お姉さま」

 

 ホルトルーデが錬成を終えたところで、外出の準備をします。

 

 * * *

 

 ホルトルーデは毎朝、一緒に市場に仕入れに行くので外出はこれが初めてというわけではありません。

 しかし物珍しそうにキョロキョロと落ち着きがないため、手をつないでの買い物です。

 

 まずは薬師ギルドですね。

 

 アンチドーテポーションの素材は等級によって異なります。

 七級の素材は解毒草と青ダケ、蒸留水と安定剤です。

 基本となる素材である解毒草と青ダケを購入します。

 解毒草そのままでも九級の毒を解除できますが、青ダケというキノコを組み合わせることで薬効が増し、より強い七級の毒を解除できる薬を作成できるようになるのです。

 

 ホルトルーデに持たせた鞄に素材を詰めて、然る後にこっそり〈ストレージ〉に仕舞います。

 〈ストレージ〉内は時間による劣化もないため、素材は基本的に〈ストレージ〉に仕舞うべきですね。

 

 次に冒険者ギルドに寄ってコボルドの実という素材を購入します。

 コボルドの実は土に植えて育てると、繊維質の多い草が育ちます。

 その草は紙の原材料になるのですが、実はコボルドの実には他に使い道があります。

 生命力旺盛なコボルドの実は、アンチドーテポーションの安定剤の素材として有用なのです。

 

 ホルトルーデに持たせた鞄には余裕があるので、ついでに今晩の食材を購入して行くことにしました。

 

 肉屋さんに寄って魔物の肉を購入します。

 安くて美味しいのですが、上流階級は食しません。

 もったいないですね。

 

 ハーブもいくつか購入しておきます。

 今日の晩餐はハンバーグにしましょうかね。

 つなぎの卵や小麦粉を購入しておきましょう。

 

 さて、アンチドーテポーションを錬成しに工房に戻りましょうか。

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