(19)地下探索⑲
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「まあ、確かに東国で拉致られた時は、最高に性格が悪かったわね」
「イーレの服を、剥ぐしな」
そばにいるハーレイが、ぼそりという。アードゥルが眉をひそめ、それを聞き咎めだ。
「………………服を剥ぐ?」
「ハーレイ、誤解を招く証言と表現はやめてちょうだいっ!」
「事実だろう」
イーレは頬を少し染め、ハーレイに対して猛烈に抗議したが、ハーレイはひかなかった。
「………………服を剥ぐとは?」
「イーレは辺境伯に拉致されたあと、服を脱がされた痕跡があった。カイルが暴行をされたわけではないと、取りなしたが、初代のメレ・アイフェスは、女性に対してそんな奇行をするのか、問いただしたいものだ」
「エルネスト独自の性癖だろう」
「………………アードゥル!貴方も、わざと誤解を生む言い方をしているわねっ?!」
「エルネストもたまには西の民の追撃を受ければいいんだ」
くくっ、とアードゥルは笑いを漏らした。
「アードゥル!」
「なるほど、エルネストは幼女趣味か…………いい情報をもらった」
「……私は幼女じゃないし、エルネストは幼女趣味ではないわよ。その鬼の首をとったような顔はやめなさいよ」
イーレは顔をしかめた。
「エルネストも痛い目にあえばいい。日頃の言動の反省を促すのは同僚の責務だ」
「まあ、その気持ちはわからないでもないけど」
「皮肉だな。昔のエレンよりも、このことで意見の一致が見られるとは。昔は、よくエレンがエルネストをかばうようにとりなしていたから、面白くなかった」
「なんとなく、原体はエルネストにも貴方のことをとりなしていたような気がするわ……」
「そうなのか?」
「さあね」
イーレは息をついた。
「話を戻すけど、実際のところどうなの?」
「どうとは?」
「カイルの提案の内容についてよ。防御壁を複数同時展開することで、恒星間天体の被害を軽減できるものなの?」
「ロニオスあたりならできるかもな」
「ロニオスって、私達初代のリーダーよね?」
「……彼も覚えてないのか」
「顔も浮かばないわ」
アードゥルはイーレを見下ろした。彼の瞳には少し憐憫の色がよぎった。
「私の元支援追跡者だ」
「カイルから、そう聞いているわ。それで、貴方は?」
「私がどうした?」
「ロニオスと同じことができるの?」
「………………できる」
アードゥルはしぶしぶと、とても嫌そうに答えた。
「安心して。そんな危険なことをやれ、なんて要求しないわ」
「ありがたい」
「カイルは?」
「なんだって?」
「カイルには、できるの?思念力に関しては規格外なのは、認めるけど……あの子は、防御壁を空中に展開する技術を習得できるの?」
「念動力は思念の力で物体を動かす技術だ。思念力が規格外なら簡単に習得できるだろうし、今まで持っていないことが不思議だ。かなりの潜在能力値が保証されているようなものだ」
「支援追跡者がついているから?」
「そうだ。能力の暴走が危惧されるレベルだということだからな」
「エトゥールで起きた地震のように?」
「そうだ」
アードゥルはその危険性を肯定した。
「それについて、彼自身が何か言ってなかったか?」
「特になにも……カイルが今まで、念動力を使ったところは見たことないわ。エトゥールの地震も直接目撃したわけではない伝聞だし……。私の弟子は軽い念動力なら使うけど、貴方ほどの規格外じゃないわ。でも、貴方は私の攻撃を念動力ではじいていたわよね……」
「まあ、殺すつもりだったし」
「アードゥル」
会話に割って入ったのは、若長だった。
「イーレはもう私の妻で、西の地でそれなりの地位もある。物騒な言葉は控えろ」
「私も西の民の大集団に追撃されるのは趣味じゃない。それに君の妻の服を剥いだのは、私ではない」
「お願いだから、その話題は封印してちょうだい」
情けない表情で、イーレは珍しく二人に懇願した。
ミナリオはカイルに従いながら、謎の建物の中を歩いていた。
天井が明るく輝き、周囲をもれなく照らしている。それがずっと続いている。どういう技術なのだろうか?
壁は継ぎ目のない不思議な素材だった。表面がすべすべだが、金属とも思えなかった。
不用意にさわっていると、壁にいきなり読めない文字と矢印が表示され、ミナリオはひるんだ。
「僕の世界の文字だよ。行先が書いてある」
驚くミナリオにカイルが解説をする。




