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ボロアパートに届いたあの子からのラブレター

作者: 夏樹翼

お久しぶりです。長い間スランプで全然小説を書く気力も余裕もなかったので全然投稿出来てませんでした。なのでこうして新作を書いて投稿することができて内心結構はしゃいでます。

昼過ぎ、ポストを開けると、溢れんばかりの郵便物が入っていた。その中に、まるでそこにだけ色があるかのような、鮮やかな花の封筒があるのを見つけた。


俺は黒と灰色の新聞紙やチラシの間にあるそれを、無意識に手に取った。その拍子に他の郵便物が落ちたが、少しも気にならなかった。


差出人を確認するため裏っ返した瞬間、体に電流が流れた。滑って転びそうな勢いで、ハサミで自分の手まで切りそうな勢いで、封を切った。


 中から出てきたのは、1枚の便箋。

 そこには、癖のあるまるっこい字で、「麻樹君へ」という書き出しから始まっていた。


  麻樹君へ

 こんにちは。へへっ手紙なんて書くの久しぶりで、どんな感じで書き始めればいいのか分かんなかったから、もう私らしくいくことにしました!

 急な手紙でびっくりしたよね?

 だってほとんど同じ講義受けてるし、何か伝えたいならメールでもいいもんね。

 でもね。どうしても私の書いた文字で、伝えたい言葉があるんだ。


 私ね、麻樹君のことがずっと前から好きでした!


 ・・・び、びっくりしたよね! 手紙以上の驚きだよね!

 ・・・この手紙ね、ある日の前日に届くようになってるんだ。もしよかったら、これを読んだ次の日に、答えを聞かせて貰えないかな?

 そ、それじゃあね!

                                                       明音より



 全て読み終えた俺は、血が出るほど唇を噛んだ。そして、この世には神なんてものはいないのだと、おそらく人生でこれ以上のものはないほどの絶望を感じた。


暗い部屋の中、枯れ果てたと思ってた涙を流し続けながら、霞む視界の先、額縁の中の、花のように笑うかつての彼女の姿を見ながら、底なしの谷底に落ちるように意識が遠のいていくのを感じた。


せめて夢の中で返事を伝えられることを祈りながら。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

この話の内容、実は寝る直前にパッと頭に浮かんだんです。なんでアイディアってお風呂の中とか寝る直前とかに出るが多いんでしょうね。真剣に考えてる時は全然出て来ないのに(;'∀')

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