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3人の理想郷  作者: ルシア&赤いモフモフ&提供者まりぃ
3/31

if story 惨めな英雄 01

急遽書けってルシアさんに言われた......

文章荒くてごめんなさい。

文句はルシアさんにどうぞ......


IFストーリーです!

番外編なのでメインストーリーと関係ないんでw

メイスト早くしろよって方はレスター視点待ちだからもうちょっとまっててね?


いちよー今回も3000文字ちょいあります。

俺は一体何をしているのだろうか。

目の前で殺されているのはただのパーティーメンバーじゃない。

目の前で殺されているのは、シャルとレスター。2人は大切な幼馴染のはずだ。

パーティーリーダーとして、幼馴染としても俺はあいつらを守らなければいけないはずだ。

俺なら出来る。アイツらを背負っても逃げ出せる。

それは確実だ。


それなのに俺の体は動かない。

涙が頬を伝っていく。


「殺せ、そいつらのせいでこんな事になったんだよぉ!」

「ぶっ殺せ!!」


1回目......2回目........3回目。

最後まで俺の体は動かなかった。

これはデスゲーム。

その事実が俺に重くのしかかっていた。


俺は目の前の惨状に思わず胃液を吐き出す。

シャルの甲高い悲鳴。

とても仮想世界とは思えないほど現実味のある傷。

傷から飛び散る鮮血。

俺は目を背け、その全てから逃げ出した。


2回目までは死体が痙攣を繰り返してはリスポーン。

それだけだった。

でももう違う。なんとなくでも誰の目にも明らかだった。

シャル、レスターは死んだ。本当に死んだ。


俺が無事だったのはここ『始まりの街』に転移した直後、明らかな違和感を感じ咄嗟に路地裏に入ったからだ。

そしてその一瞬の判断が俺の命救った。

コンマ何秒か遅かったら俺も血祭りに挙げられていただろう。

それはシャルとレスターに対する仕打ちから容易に想像できる。


デスゲーム開始告知から小一時間。

俺はパーティーメンバーを見殺しにし、一人だけ始まりの街から逃げ出していた。


___________



半年後、第50エリア・ボス部屋前。


「固有スキル【魔剣具現化】発動.....」


俺の発したその声に伴って体から何かが抜け出る。

すると突然、俺の両手に持つ魔剣は光り輝き始めた。


俺の右手には今、ラスボス戦の頃から愛用している神魔の剣ティルファング。

左手には第18エリアのボス初討伐報酬だった呪縛の剣ヘルヴォルを装備している。


俺が瞬きをすると、いつの間にか魔剣は消え、代わりに2人の女の子が立っている。


「ティア、ヒル。今回もよろしく頼む」

「任せてください...」

「お任せを、なのだー!」


俺はボスに続く大きな扉を力いっぱい押した。

ギギギギ、軋みながら扉は開いていく。

俺が中を覗き込むと同時に、壁に付いていた松明は突如青い火を灯し始めた。

ボスの全体像が明らかになった。


漆黒の翼、大きな目立つ角。

何より纏っているオーラが圧倒的だ。

明らかに今までの敵とは別種だというのが分かる。


「.......ここはβテストの時と同じようだな。魔人がこのエリアのボスか」


ここは第50エリア・ボス部屋前。

第100エリアまである『ブレード&マジック』中、ここはちょうど半分。

つまりここのボスは中ボス的な存在であり、これまでのボスとは格が違う。


・・・そして俺とあいつらは、βテストでトップランカー3人がかりで戦い、一度負けた事がある。


つまりそれだけ危険なのだ。

最前線で恐れられているプレイヤー『心無者』シュウは恐怖を感じないと言われている。

でもそれは間違ってる。

俺は恐怖を感じないわけでは無い。


俺はただ、罪滅ぼしをしているのだ。

・・・いや、()()()()()()()と言った方が正しい。


罪滅ぼしをして俺はあの時あいつらを助けなかった事を忘れようとしている。

あそこで逃げ出した事をいつまでも許さない自分自身に、俺は許すための理由を──


「......シュウ様?」

「......シュウ何を考えてるのだー?」


俺が振り向くと心配そうに俺を見つめる2人がいた。

・・・俺は心配かけすぎだな。


今この事を考えるのはナシだ。

いくら魔剣とはいえ、具現化している最中は体力が無くなったら死んでしまう。

俺が集中しなければならない。

ここで2人を守るためにも、俺が自分自身を許す為にも。


「ごめんな、少し考え込んでただけだよ。大丈夫」


そうして俺はインベントリーから一本の名刀を取り出す。

その銘は『名刀・白虎』。

NPCを魔物の襲撃から守るクエストで手に入る武器だ。

魔剣では無いから具現化させることは出来ないがかなりの業物で俺は愛用している。

鞘から抜き放ち俺はボスに向かって構える。


「準備はいいか?」

「はい、お好きな時に」

「大丈夫なのだー!」


2人の返事を聞きながら俺はボス部屋に入った。


__________



数ヶ月後、第62エリア・新雪の街『シェレグベルグ』


「おい、お前は『心無者』シュウか?」

「.....」


俺は無言で腰に差していた『名刀・白虎』を鞘から抜き去り、その男から距離を取った。


「お前はデスゲームを始めたパーティーのリーダーだ。俺はこんな事にした奴らを許さないと決めていた。見つけたら殺すと決めていた。そして俺は最前線に出れるほど強くなった。デスゲーム開始直後は俺とお前には大きな差があった。でも今は違う。遠慮無く殺らせてもらう」


そう言うとそいつはある武器を抜いた。

大きな大剣だ。

それを見た時俺は思わず目を疑う。


「.....!!」

「あ、これか.....。あんたには見覚えがあんだろ?確かお前と一緒にパーティー組んでたレスターとかだったっけか。馬鹿野郎だよな、あいつ。俺らが殺すとき歯向かいもしなかったんだぜ?馬鹿だろ」

「おい......それ以上あいつの事悪く言うようなら、殺すぞ?」


俺の口からどす黒い感情が溢れ出る。

自分でも驚きだ。


「......だがよぉ、お前は見捨てたじゃねぇか」


その一言は俺を深く抉った。

思い出そうとしなかった記憶。

それを強制的に思い出してしまい俺の手が震え始める。

俺の手は力を入れられず白虎が落ちる。


「あんだよ、戦意喪失かよ....つまんねぇな」


俺は懸命に白虎を拾おうとする。

それでも手が震え、拾い上げることが出来ない。


「チッ、あんたはもう用済みだ。最前線にいる価値ねぇよ。もう死ねよ」


そういうとそいつは剣を振りかぶって俺の元へと向かってきた。

俺は虚ろな目でその様子を眺めていた。

その時だった。

レスターの顔が不意に頭の中に浮かび上がった。

俺は無意識のうちにスキルを使っていた。


「固有スキル『魔剣具現化』」


俺の右手には神魔の剣ティルファングが握られている。

俺はそいつを睨む。

俺の手にした魔剣に波紋のようなものが俺の手から流れ込んでいく。


「スキル『断罪』!!」


俺の視界に入ってきたのは首元で2分割された男の姿だった。

俺は男の手から大剣を奪い取り、インベントリにしまった。

俺は横目で倒れている男を視界にいれる。

痙攣しているのがひと目でわかった。

まだこいつは死なない。

そう確かめた俺はその場を後にした。


こいつはレスターを殺り、武器を奪ったクソ野郎だ。

でも俺が取り返したぜ、レスター。


シャルを殺したのもシャルの武器を持ってるのはこいつじゃない。

絶対に探し出す。


この時、俺はようやく仲間の死を受け入れることが出来た。


____________



半年後、第87エリア・ボス部屋


ヒュン.......


風を斬る音が静かな平原に響き渡った。

針のように尖った尻尾がついさっきまで俺が立っていた所をなぎ払う。


「マジかよ.....」


俺は予想外の出来事に思わず息を飲む。

俺の目の前にはβテストでのラスボス、邪神龍がいる。

しかも数倍デカい。


「シュウ大丈夫なのかー?ヒル心配なのだー......」

「シュウ様、大丈夫なのですか?」


俺はこの戦いでこれ以上下がる訳にはいかない。

これ以上下がれば遠方からサポートしてくれているヒルとティアに攻撃の標的が変わる恐れがある。

彼女たちは俺が守らなければ。

彼女たちを死なせれば俺は、俺自身を許せなくなる。

・・・またあの時みたいに大切なものを無くしてしまう。


だが、一体どうすればこのバケモンに勝てるんだ?

今回はBY赤いモフモフでしたぁ

感想くれると嬉しいです!

下にある星5個にしてー?

次話も頑張るのでお楽しみにね?

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