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第02話 俺が死んだあと1

1話分では収まらなかったので2話に分割しました。

 壮絶ないじめとその結末の死。

 俺は、つい先ほど、幼馴染の手によって学校の屋上から突き落とされた。

「あれ、ここどこだ?」

 死んだ俺はなぜかまだ意識があり、あたりを見渡すとそこは広い草原だった。

 いや、草原の中に白い神殿があった。

 なんだろうとみていると、背後から声が聞こえた。

「あら? あらあらあらあらあら」

 俺は思わずその声のした方を見た。するとそこには何とも言えないほどの美女がいた。

 その美しさはまさに女神としか思えなかった。

「えっと」

「あらあら# あらあらあら」

 なんだか、一瞬怒ったようなあらを言ってから、少し哀しそうなあらを繰り返している。というかこの人さっきからあらしか言っていない気がする。

「あらあら、ごめんなさい」

 ようやくあら以外を口にしたようだ。

「えっと、あなたは?」

「わたくしは、時と空間を司る女神アエラと申します。初めまして、野山啓太郎《のやまけいたろう》さん」

 そういってアエラ様は微笑んだ。

「は、初めまして、えっと、それで、ここはどこなんですか?」

 俺は、なぜアエラ様が俺の名前を知っているのだろうと思ったが、考えてみれば神さまなんだから当たり前かと思い聞かなかった。

「ここは、天界、わたくしが住む場所ですよ」

 天界、神様が住む場所、なんでここに、ここが天国ってところなんだろうか。

「いいえ、天国とは少し違います。普通亡くなった方はすぐにどこかに転生をしますから、本来啓太郎さんが考えているような天国は存在しないのです」

 どうやら心を読まれたようで、それにも律義に答えてくれた。

「それじゃ、どうして俺がここに?」

 ここで新たな疑問が生じた。

「ここに来る、ということはわたくしも想定外のことです」

 だから、最初驚いていたのか。

「そうです。本来であればここに来るようなことになる前にわたくしが何らかのフォローをしているのですが。まさか、平和な地球の日本の方が来るとは思わず。申し訳ありません」

 突然アエラ様が深々と頭を下げて謝ってきた。

「えっ、えっ」

 俺としては突然女神さまが誤ってきたことに困惑しかなかった。

「これは言い訳となってしまいますが……」

 そういって、アエラ様が説明してくれたが、この世界は多くの神様が一緒に管理している世界で、地球以外にも数多く、生命体が住む星というものがあるそうだ。

 そんな中でアエラ様が管理するのが、地球を含む俺たちが天の川銀河と呼称する銀河で、この中にも生命がいる星がいくつもある。

 また、アエラ様は、この世界とは別に自身が作ったここより小さな世界も管理しているらしい。まぁ、これは、アエラ様に限ったことではなく、他の神々も同じだそうだ。

 そして、そのアエラ様の作った世界にも数個ほどであるが生命が宿った星があるという。

 そんな、すべての生命をアエラ様1柱で管理しなければならず、その中で地球の日本という平和なところで、俺1人がいじめられていることなど見きれなかったということだった。つまり、その管理を怠ったがゆえに俺が殺されてこの場にいるということだった。

「ですので、もう一度、申し訳ありませんでした。啓太郎さん」

 ということらしい。

「えっと、はい、別に、アエラ様が悪いわけではないと思いますけど……わかりました」

「ありがとうございます」

「それで、俺はこれからどうしたら、やっぱり、どこかに転生するんですか」

「はい、そうですね。ですが、ここにきてしまった以上ほかの方たちと同様というわけには、行きません……えっと、少々、お待ちくださいね」

 そういって、アエラ様が突如俺の前に手をかざしてきた。


 俺の中ではほんの一瞬、気が付くとやはり目の前にはアエラ様、でも、何だろうさっきから場所が微妙に違うような気がする。

「えっ、なに、ここは、どこ?」

 俺がそんなことを思っていると不意に俺の隣から声がした。

 というか、この声、ものすごく聞き覚えがある。

 まさかと、思いつつ隣を見るとそこには、

「か、母さん」

 そう、俺の母さんがそこに立っていた。

 どういうことだ。

「えっ、け、啓太郎、啓太郎なの」

 母さんはそういってから涙を流しながら俺を抱きしめてきた。

「啓太郎、啓太郎、ごめんね。ごめんね」

 母さんも俺に謝ってきた。

「謝るのは、俺の方だよ。だって、おれ、母さんを、置いて」

 そんな母さんを見たことで俺もまた涙が流れてきた。

 それから、俺と母さんはお互い泣いていた。


「ふふっ、落ち着きましたか」

 俺と母さんがひとしきり泣いたのを見ていたアエラ様がちょうどいいタイミングで声をかけてきた。

「は、はい、すみません」

「いいえ、いいのですよ」

 アエラ様はそういって微笑んでいる。

「啓太郎、この方は?」

 俺とアエラ様の会話を聞いて母さんは俺にアエラ様のことを聞いてきた。

 そこで、俺はアエラ様のことを紹介した。

「……そう、女神様、いたんだ」

 これは地球の人にとっては当たり前の反応だろう、何せ、地球での神様といえば想像か聖人のことだからな。

「ええ、といっても、啓太郎さんや咲奈さんを助けることができなった、愚かな女神ですが」

 そういってアエラ様は自身をけなしている。

 ちなみに、咲奈というのは母さんの名前だ。

 だが、俺としてはそれより気になっていることがありそれを尋ねざるを得なかった。

「それで、アエラ様、なんで、母さんがここに」

 母さんがここにいるということは、どう考えても母さんはすでに、でも、確かにだいぶ弱っていたけど、こんなすぐに命を落とすようなことはなかったはずだ。

「確かに、咲奈さんは残念ながらお亡くなりになっています。でも、それは啓太郎さんから1年後のことですよ」

 1年! どういうことだ。

「わたくしが、お待ちくださいといった後のことを覚えていますか」

 アエラ様が言っているのはさっきのこと、もちろん覚えている。

「あの時に啓太郎さんの時間を一時的に止めていたのです」

「時間を止める。そんなことができるんですか」

「もちろんです。わたくしは時と空間を司る神ですから」

 そういえばそうだった。

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