序章 1
異世界、TSが苦手な人はプラウザバック推奨
1/15大幅改修
...もう朝か?
いつもは大体目覚まし時計にイライラしながら起きている事を考えると素晴らしい目覚めだ。
かなりぐっすり眠ったような気がする。
まさか...目覚ましかけてなかったか!
まずい、寝坊したか!?とりあえず今何時だ...
ん?
部屋が広い...だと...
昨日はいつも通り自分の家で寝ていたはずだ。
ここ、どこだ?
見渡してみると高めのホテルのような部屋だ。
そんな所に泊まった記憶はないしそんな金もない。
誰かの家に泊まっていたという記憶もない。
ホテルならどこかに電話があるだろうと探してみるもののどこにも見当たらない。
ふと、少し前に見た児童誘拐のニュースが頭によぎる。
まさか、誘拐された?
いや、誘拐のターゲットになるのは大体は女子小学生だろう。
力も弱いし、体も軽いからか誘拐されやすいイメージがある。
自分は大学生で金もないしそんなに顔がいいわけでもない。
身代金目当てにしても俺は大統領や石油王の子供ではない。
だから誘拐する理由がさっぱり見当たらない。
そもそも鍵を掛けてたはずだ。鍵を俺が起きないように開けて起きないようように輸送するなんて出来るのか?
だが誘拐されたんじゃないなら一体何で俺は知らない部屋に寝ていたんだ。
さっぱりわからない。
考えていても仕方ない。ここがどこなのか分かる何かを探そう。
ベットから降りて何か無いか部屋を探してみる。
すると部屋の奥に大きな鏡があったのでふと覗いてみた。
そして俺は納得した。なぜ自分が誘拐されたのか。鏡を見ることで一瞬で解決してしまった。
鏡には裸の少女が映っていて、鏡に映った少女もこちらを覗いていた。
背は140センチぐらいだろうか、桃色の髪が胸のあたりまで伸びていた。
驚いたような顔をして自分を見つめている。
しばらくその呆けた顔の少女をぼんやりと眺めていた。
そうだ、思い出した。誘拐されて当然だ。俺は女子小学生だったんだから。
そんなわけあるか。誘拐されて当然なわけがあるか。
そもそも女子小学生がそんなむやみやたらに誘拐されてるわけないだろ!
それに「朝起きたら女になってました~」なんてありえるわけがない。
けれど少女の体は間違いなく自分の意思で動いている。
手を上げると鏡に映った少女も手を上げる。
もちろん手を下げれば鏡に映った少女も手を下げる。
当然だ。鏡に映っているのは自分なのだから。
一体どうなっているんだ…
...クシュン!
さむっ。とりあえず服着よう。
悩んだって仕方ない。戻り方はおいおい考えるとして今出来ることをしよう。
部屋には何着か着れそうな服が置いてあったのでその中でも比較的地味な白いものを着ることにした。
比較的地味といってもなんかひらひらがいっぱいついてるドレスだった。
というか大半がゴスロリ系の服だった。これからの誘拐?生活が不安でしかない。
これどうやって着るんだ。女装趣味なんかないからどうやって着ればいいかさっぱり分からない。
悪戦苦闘しながらなんとかドレスみたいな服を着こんで自分の姿を確認してみる。
…かわいい、かわええ、天使だ。
まさか自分の姿にきゅんと来る日が来るとは...
もうかわいいから男に戻らなくてもいいかもしれん。
そういや俺を誘拐した奴って一体どんな奴なんだろうなぁ。
男をアパートから誘拐して少女にした上ゴスロリ調の服を置いていく奴だぞ。
相当頭おかしい奴に違いない。
これまでの情報をまとめると...鍵開けが得意でゴスロリが趣味のロリコン?
そんなことを考えているとどこからか足音が聞こえてきた。
…恐らく間違いないだろう。鍵開け職人のゴスロリ性癖ロリコンだ。
犯人には逆らわない方がいいだろう。なんせ奴は人の肉体を改造できる。
変に逆らえば虫に改造されかねない。
とにかく犯人を刺激しないように。そして出来るならここがどこなのかとか目的を聞き出せるとなおいいだろう。
女子小学生の誘拐の目的なんて九割方決まってるようなものかもしれないが。
ドアが開く。さあ、一体どんなやつが出てくるんだ…